#4 基本を大切に pt.1

こんにちは、なおきまです。医師として勤務しながら英語の学習を継続し、時事英語や医学英語を中心に学んできました。通訳学校で逐次通訳科を修了、現在は同時通訳科で通学中です。

検定としては2023年8月時点で英検1級、TOEIC LR990&SW400、国連英検 特A級、全国通訳案内士、工業英検1級、JTFほんやく検定1級(日英、医薬)&2級(日英、科学技術)、ビジネス通訳検定(TOBIS)1級、英語発音テスト(EPT)87点などを保有しています。実務では国際機関の事業で英語環境で教育を行うなど学会以外の、少し特殊な仕事で欧米に行くこともしばしばありました。

今回から3回に分けて、私が時々Twitter (現X)で投稿する「英語の基本5項目」である語彙・文法・構文・発音・背景知識について、

・なぜ重要だと考えるのか
・どのように私が身につけてきたのか
・学習するなかで意識したいこと

を書いていきたいと思います。

第1回: 文法&語彙&構文(本記事)
第2回: 発音
第3回: 背景知識

と予定しています。

この「基本5項目」は文字通り、英語を使えるようにする中で習得しなければならない、4技能に跨る英語力の土台として私が大切にしているものです。

文法・語彙・構文・発音・背景知識。

これらこそが様々な練習を成長に結びつけるために必要なチカラであり、その習熟度合いがそのまま成長の上限を決めるものだと思っています。

成長が鈍化した場合、きっとこのどこかに解決の鍵がありますのでぜひ探してみてください。

3000字弱、5~6分くらいお付き合いいただければと思います。

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まず「なぜ重要だと考えるのか」についてです。

語彙・文法の重要性を語る必要はもはやないでしょう。英語を理解する上で必要なルールと語彙の知識は英語力の根幹をなします。

この点において私は「試験で出ないから、あまり使われないから」ではなく一通りの文法事項を学び、基本語彙を習得した後も自分に関係する分野を中心に語彙を増やし続けることをお勧めしております。

なぜか。

語彙と文法は、基本的に知らなければ実務・実践の場では取り返しがつかないからです。もちろん聞き返すこと、調べることは多くの場合可能です。ただ学習段階ではそのようなヒヤリとする状況になるリスクをなるべく減らす努力をしたいと私は考えています。語彙力文法力の不足でアタフタしたり誤解が生じれば信頼関係や実務に影響しかねません。

1つの誤解がTOEICなら5点で済みますが、実務でトラブルになって5億円となっては草も生えません。除草剤の出番もありません。おっと。。。

構文について、ここでは文構造を速やかにつかみ理解する/自分でアウトプットすることを指します。どこまでが名詞でどれが動詞か、どういう文構造か。語彙と文法の知識を用いて意味を取る作業です。知識を増やし、練習をする(=多くの英語に触れて構造を分析する、意味を取る)ことで身についていく「スキル」のようなイメージで私は用いています。これも英語の根幹をなすもので、情報の処理や理解力に直結すると考えています。英文の構造をつかむことに作業メモリを持っていかれては内容の理解に余裕がなくなってしまうからです。

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ここまで文法、語彙、構文の重要性について書いてきました。

ここからは私がどのように学習してきたか、どのように学習すればよいだろうか、その提案などを書いていきます。

まず文法について。

私の場合は大学入学後5年くらい英語のブランクがありましたが、大学受験までに総合英語Forest (現evergreen)の内容を一度は頭に入れていたことに助けられました。医学部6年生のときにForestを買い直し、最初の頃はTOEIC教材をこなしながら抜けを適宜確認していました。英検1級を取った後に改めて通読し、450くらいあった例文を全て暗唱しました。

evergreenが頭に入ってしまえば困ることはぐっと減ります。その後も英語を学び使う中で適宜ロイヤル英文法、現代英文法講義などを参照して補強しています。なお、私は大手翻訳学校の医薬翻訳上級講座を修了していますが、ここでも文法をやっていてよかったと思いました。

次に語彙について。

単語帳を使っても文章で出会った時に覚えるスタイルでも、基本的にどちらでもいいと思います。私は基本的に両者ハイブリッドです。

単語帳の例文を「和訳があれば自分で構文をとり理解できる」ならば単語帳を併用した方がいいと思います。単語帳で一度見ておくと、文章中で出会って忘れていた時にも印象に残りやすいです。

最後に構文について。

これは文法・語彙の知識を使いこなすよう練習あるのみです。品詞分解に慣れるまではSVOCを振ってくれている本、和訳が載っている本を使うとよいかもしれません。例えば大学受験用の英語長文POLARIS (関正夫先生)はSVOC付&音声付です。TOEICや英検の問題集ももちろん問題ありません。丁寧に構文を取るといいでしょう。

精読、精聴、音読、ディクテーション、オーバーラッピング、シャドーイングなどあらゆる練習法を試し、自分に合う学習法で英文を瞬時に分析し理解する能力を養うことが肝要です。

どのくらいを目指すべきかと聞かれたこともありますが、文法/語彙/構文は「どれだけ知っているか、使いこなせるか」という点で上限がありません。そのため本来はどのように英語を使いたいのか個人が目標を決めつつ、それに向かって身につけていくものです。

その前提であえて私から申し上げれば、

・語彙→英検1級の目安である15,000語
・文法→evergreen、ジーニアス、SKYWARDなどの総合英語書の内容が頭に入っている状態

が、実務を見据えた上では1つの目標になるのではと思います。

このレベルの語彙は洋書を読んでもニュースを見てもよく出ますし、仕事で出会うような英語スピーカーは割と普通に使います。文法の土台に15,000くらい語彙力があれば、困った時に自力で対処できる場面も多いと思います。

試験の級やスコアなどではなく、上記に達したと判断できるかどうかです。実際はその先もずっと続けることになりますが。

そして最後に。

人間の脳は忘れていくものです。「忘れまい」と決意をもって覚えても、決意とともに忘れます。忘れたら覚えなおせばいいのです。「忘れちったよー」なんて愚痴を言いながら覚え直しましょう。

そして学習を楽しみたいところです。「どうやったら楽しめるか」「どうやったら続けられるか」を考えながら主体的に学習を行っていくとだんだん楽しくなってきます。「キツイ!もう1回!」と練習を頑張れるようになったら最高だと思います。

成長するから楽しめるのか、楽しめるから成長するのか、表裏一体です。

以上、基本5項目のうち文法&語彙&構文についての私の考え方を述べさせていただきました。

実践の裏に泥臭い基本の学習があること、応用的なことをいくらやろうとも、その成果が出るかは基本の習熟にかかっていることを意識して、私も日々頑張りたいと思います。

それでは改めて、基本を大切に。
楽しんでいきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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