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中小企業診断士がやってはいけないこと

 別に中小企業診断士であるからという内容ではありませんが、中小企業診断士全体の信頼が損なわれるような事案をいくつかご紹介します。基本的に実際に経験した内容(少しデフォルメしますが)でご紹介します。

1 前から分かっているのに、当日ドタキャンする

 数人である企業を診断する機会がありました。最終回に報告会そして打ち上げという流れはコロナ禍前では定番でしたが、その日の昼の出来事です。企業の近くの最寄り駅で皆で待ち合わせしたが、時間になっても来ない方が1名。ということで、その方に電話をすることにしました。多少の遅れはどうにでもなると思いましたが、いきなり「他の案件の打ち合わせが入っていていけないと・・・」いうことでした。その案件は、当日の緊急でもなく、数日前には決まっていたみたいですが、こちらが連絡するまで何も言わないということです(その日のことは知っているわけですけど)。数日前の資料のつなぎ合わせ等ではそのような話も出ず、その方のパートは他の方が説明したし、特に問題ないようにできましたけどね。
 企業での業務でもそうですし、中小企業診断士として活動していても、ダブルブッキングすることはよくあります。その際は、損得勘定で決めても良いと思いますが、どちらかの日程を替えてもらう、決まった時点でお断りや謝罪などするものだと思います。そういう対応ができない中小企業診断士がいることで、中小企業の方からみた中小企業診断士の信頼を傷つけないか心配になってしまいます。ちなみに、終了後の打ち上げには何事もなく参加していましたけど・・・。

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2 現実的にできない施策を述べていくだけの評論家

 これは、ある研究会の活動で中小企業(製造業の工場)を2つのグループで診断して、最後に発表するということでの出来事です。私が入っていないグループのことです。
 10人にも満たない企業で、PCが社長と事務員が専用で1台ずつ、あとは共用でCADの図面を見たりするマシンが1台しかない企業です。現場の5Sや作業員のスキルやモチベ―ションアップすることなど基本的は改善施策はあると思いますが、それらに加え次のような提案をしていました。そのうちの一例です。
 作業員のスキル向上や品質を高めるために、カメラを取り付け作業分析を行い、作業の標準化を徹底させる。作業の標準化ができたら、ISOを導入して作業手順やプロセスを見える化しながら管理を行っていくとのことです。
 大企業での限られたところでしたら、AI技術を用いた分析できる方がいで、これは穴あけで、これは運搬だと研究開発の一環で調査することは可能でしょうが、それが自社内でできるわけがありません。もちろん、外部からカメラやエンジンを買って設定してもらって、お金払ってコンサルしてもらっての分析すれば良いかもしれませんが、どこにお金があるのでしょうか。  ISOを入れるのも同じで、ISOを入れないと発注されないのであれば検討もあるでしょうが、その方がISOの審査を受けた経験があって、とても良いものなので、有償でサポートできるのでやりましょうとのことです。もう、あきれてものが言えません。あなたの企業でやって下さいというかどこかの展示会で聞いてきた良い事例を提案しても、その企業にあったものではないと意味がないのです。
 中小企業診断士試験でもありますが、その施策が凄い効果があるものだとしても、その企業にとって実現できないことは提案とは言えません。

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3 できる施策でも、実行計画に落とせない提案

 これは、ある中小企業からお話を頂いたものです。その企業には独立した中小企業診断士(元大手メーカの技術職の方)が顧問で入っていて、その方の提案内容を客観的にどう思うか、実行するのであれば、私に実行支援をして欲しいという内容でした。いくつか紹介します。
 まず、ある工程にIoT機器(センサー)を取り付け、そこで時間データを取り、音を鳴らすのとその時間データをExcelに自動的に取り込むような提案です。話を聞く限り、効果のある提案ですが、その中小企業診断士は実行できません(企業も人も紹介できません)。これも先ほどと同様に、大手企業に100万円くらい払えばやってくれると思いますが、その企業ではお金もなく実行できません。結局、私が7,000円くらいのお金と半日の時間で電子工作をしてつけてきました。良い提案してもその企業が実行できるように支援しないと意味がないですよね。もちろん、その中小企業診断士が手を動かさなくても良いのですが、少しサポートできると信頼されますよね。
 次に、同じ企業で一部の方にテレワークを実施したいということで補助金を活用しようという提案でした。従業員も色々な職種がいるので、テレワークできる人もいるしそうでない人もいます。もちろん制度も作らないといけません。私はある区でやっている社会保険労務士のサポート(無料)を紹介しました。また、自宅で使うPC、VPN機器、周辺機器を選定し、見積を複数取って、補助金の資料をつくるサポートをしました。契約上、実行サポートはしないことになっているみたいなので問題ないのかもしれないが、推進できるサポートはしないといけないと思いました。

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長くなったので以上で終了とさせて頂きます。ここまで、お読みいただきましてありがとうございました。

#中小企業診断士 #企業内診断士 #ドタキャン #評論家

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