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新しいスポーツの条件とスポーツビジネス

3x3という新しいスポーツを目の当たりにして

今回の記事が久しぶりのものになってしまいました。記事の更新頻度を落としたのは、会社の事業の拡大に向けて、私自身が発信する内容を少し練り直す必要が出てきたからなのですが、同時に弊社「allcompass」も大きく業容を変えることにしました。この辺りの話はまた別の機会で触れることにして、久しぶりの記事のテーマとして選んだのは「新しいスポーツの条件とスポーツビジネス」です。きっかけは、昨日、宇都宮で開催されていた「FIBA 3x3 World Tour」(https://3x3exe.com/worldtour/)を観戦する機会を得て、現地でリアルなスポーツを目の当たりにしたこと。3x3という古くからある3on3のバスケを、時代が要求するいくつかのファクターを織り込むことで、新しい形に作り替えて盛り上がってきているということをnoteに整理しておこうと思いました。
3x3という競技は、国際バスケットボール連盟(FIBA)が統一基準を導入して以降爆発的に普及しているスポーツで、東京オリンピック2020では正式種目として追加採用されました。古くから3on3と言われていたので、知っている方は多いかと思います。特徴としては、
・(当然ながら)3人対3人
・コートは5人制の半分(当然リングは1つ)
・ポイントは1点もしくは2点(アーク内1点、アーク外2点、フリースロー1点)
・ゲーム時間は10分、または21点先取(ノックアウト)
・1回の攻撃は12秒以内
・登録選手は控えを含め4名まで

といったところです。詳細はJBAのベージでもあるので、こちらのリンクをご参照ください。
http://3x3.japanbasketball.jp/what-is
まず、10分というかなり短い時間で勝負が決するというスピーディなゲーム展開は従来のスポーツのイメージからするとかなりの短さです。また、コートの大きさもフルコートの半分で済みますから、今回のように街中で開催することも比較的容易です。

新しいスポーツに求められる要素

3x3を実際に感染していて思うのは、圧倒的に競技そのものがコンパクトに作られていることです。大人数の観客が一つのゲームをじっと長く座りながら観戦する、というスタイルではなく、サクサクとゲームそのものが実施されていく、という感覚です。私は仕事から多くのスポーツを観戦する機会が多いですが、歴史ある多くのスポーツがゲーム時間が1時間を超えるものが多く、そのゲーム自体が「重厚増大」であることが、3x3のような新しいスポーツを観戦していて感じました。
この感覚は先般仕事に携わっていたX-Games Japanでも感じたことです。X -Gamesはスケートボード、BMX、モトなどの競技そのものの種類が違うことに加えて、パークやストリートとゲームが開催されるステージも異なっていて様々な競技が同一日程で開催されるのですが、一つの競技自体が非常に短時間で勝負が決する、という特徴を持っています。
3x3にしても、X -Gamesにしても、最近新しくオリンピックに採用されたスポーツなのですが、それらの共通点として抜き出せるのが、
・競技時間が短くスピーディなゲーム展開であること
・街の中で開催できるようなフォーマットであること(一部を除き)
・見ていて分かりやすい楽しさがある

といったところです。これらの要素を改めて見直すと、実はこれからのスポーツビジネスを考えていく上で非常に重要になって行きます。

新しい観戦スタイルとスポーツに求められる「求心力」

すでに米国のメジャーリーグでの導入されている考え方の人とつして、観戦そのものをスナック(間食)を食べるように観戦方法に対応しようというものがあります。これは日本のスポーツの運営側にはあまり見たことのない姿勢なのですが、そもそも、メインコンテンツであるスポーツのゲームそのものを「つまめる」程度の重みにしてしまうということです。本気で競技を行なって、その競技の普及に心血を注ぐ人たちから見たら怒り心頭の姿勢だとは思いますが。。。実はZ世代以降の若年層を取り込んでいくためには、このようなスナっキングに対応するような姿勢がスポーツに求められます。サッカーや野球であれば2時間という長時間のゲームである以上は、スタジアムに色々な楽しみを提供していく必要があるのですが、3x3やX-Gamesのような新しいフォーマットのスポーツはそのスポーツそのものがスナッキングに対応できている、ということが気が付きます。時代の要請なのだと思いますが、スポーツに求められる求心力が変わってきていることを私たちスポーツビジネスを営む側が認識する必要があります。
これらのスポーツビジネスは、これらの新しい観戦スタイルを考慮しながら、スポーツビジネスのあり方を変えていかなければなりません。方向性で言うと、
・より街に近い場所で開催
・ゲームを見せることに固執しない
・誰にでも分かりやすいゲーム性

といったことだと思っています。これらのポイントを織り込んた新しいスポーツイベントを、私たちオールコンパスでも計画していますので、それは改めてご報告したいと思います。

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