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コピーの壁と、壁のコピー【宣伝会議への挑戦②】

2,000本書くぞ!!と意気込んでみたものの、まだコピーを書き始めたばかりで、どんなコピーが良いコピーなのか全くわかっておらず、とりあえず「なんかうまいこと言っとけばいいんじゃね?」という感覚で、こんなコピーを書いていた。

走り出したら止まらないぜ、土曜の夜の電池さ

これは、課題をざっと見渡して一番取っ付き易そうだった『エボルタ』の課題で、最初に書いたコピーである。

説明するのも恥ずかしい……横浜銀蝿の『ぶっちぎりRock 'n' Roll』という曲の歌詞「走り出したら止まらないぜ 土曜の夜の天使さ」をモジったものだ。

長持ちの電池だから、「走り出したら止まらない」がぴったり。「天使」を「電池」にかけて、ほら出来上がり。

こんなのを「良いのができた!!」と思ってメモしたのが残っているんだから恐ろしい……。横浜銀蝿とか古すぎるし、自分ですら世代じゃないし、そもそもなんにも上手いことも言えてないし。とにかくひどい。

実際に、こんなただのダジャレ替え歌みたいなのをいくつも書いては満足していたのが最初の一週間だった。


しかし、さすがに自分でも「もしかして、これは違うんじゃないか…」と思い始め、「良いコピー」ってどういうものだろう…と探し始める。

初めて「コピーの壁(低い)」にぶち当たった瞬間だ。そもそも最初にそれを考えないのがおかしいのだが……。


宣伝会議賞に挑戦するのだから、宣伝会議賞の受賞コピーを見るのが一番だろう!!という至極当たり前の事にここでようやく気づき、公式サイトの歴代受賞作品のページを開き、コピーを眺める。


驚いたことに、そこには横浜銀蝿の替え歌なんて一つも掲載されていなかった!!


それは当然として、やはり自分が書いていたコピーとは全然違い、「これは良いなぁ〜。」「うまいなぁ〜。」とため息の出るようなコピーばかりが並んでおり、どうやって書けば良いのかはわからないものの、自分の書いていた方向性が大きく間違っていたことだけははっきりと認識できた。


有り難いことに、公式サイトには第51回から第56回までの受賞コピーが全て掲載されていて、コピー年鑑どころか過去の名コピー集みたいな書籍やSKATも一冊も持っていなかった自分にとってはまさしく宝の山だった。

スクリーンショット 2020-03-28 16.00.28

何度も各回のページを開いては、上下にスクロールしてコピーを見ていたのだが、非常に効率が悪いことに気づき、全部まとめて見れるようにエクセルにまとめることにした。

これでいつでも素晴らしいコピーをPCやスマホでまとめて確認できるぜ〜。と喜んでいたが、もっと名コピー達にふれる機会を増やすため、最終的に全部紙にプリントして部屋の壁に張り出すことにした。

家にプリンターが無いので、SDカードにファイルを入れてコンビニのコピー機で印刷(スマホでもできることは後で知りました)。コピーは赤文字にしたいという謎のこだわりによりカラー印刷にしたことで、1,000円以上かかってしまった。


そして完成したのがこれ。

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家賃が安いのがバレそうだが、そこは見なかったことにしていただいて……この左側の壁にもまだまだコピーが貼ってある。

CMは長いので泣く泣く割愛したのと、一つづつ手動でコピペしていたので、いくつか抜けているコピーもあったりして、よく見ると「あのコピーがないぞ!」となるかもしれないけれど、お許しを。

そして、同じものをもう1セット印刷し、トイレの壁にも張り出した。まるで受験生だ。


そんなわけで、この日から受賞コピーとの同居生活が始まった。

自分なりにコピーを書いて、一人で満足した後に、この壁のコピーを見ると、「全然違うやん!!」と、自分のコピーの稚拙さに気づくことができる。

そして、こんなんじゃ受賞できないぞ、とまた新たにコピーを書く。これをひたすら繰り返すといった具合だ。


この「壁のコピー」は、時に「コピーの壁」として立ちはだかり、コピーを書くモチベーションとなったり、間違った方向に向かう自分を軌道修正してくれたり、課題とコピーとの適度な距離感を教えてくれたり、もっと自由に書いていいんだと気づかせてくれたりと、2ヶ月間の挑戦の中で非常に大きな役割を果たしてくれたのでありました。

ぜひ真似していただき、僕のコピーを壁に貼って毎日眺めてください(笑)


次回、コピーと環境問題。

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