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コインチェックに転職しました③事業者側での現実と学び

この記事は「代理店で得たものと転職を決めた理由」「社会人2.5年目が転職活動」に続く3つ目の記事です。

1つ目のNoteでは、代理店で学んだことや、私が転職に至るまでに考えた代理店の未来について
2つ目のNoteでは、社会人2.5年目で転職した私が、転職の中で学んだことを書いていますので、気になった方は、是非読んでください。

これまでの記事にも記載していますが、この記事は広告代理店業を否定したり、事業者側及びコインチェックが最高!というようなポジショントークをしたいわけでは一切ありません。

代理店で働く中でお世話になった先輩方や、クライアント様に勉強させていただいたことこそが今の自分の全てですので、代理店にお勤めの方を含め、その経験の一切を否定する意図は全くございません。

コインチェックにおけるマーケティング

ご存知の方もいるかも知れませんが、コインチェックはマネックスグループの子会社となっており、決算でも売上・利益等を公表しています。

仮想通貨だけでなく、投資初心者の方でも感覚的に使えるデザインやNFTやつみたてサービスなど幅広い機能はもちろんですが、決算プレゼンテーションでも触れられているように、コインチェックのマーケティングは会社の強みの1つとも言える機能です。

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マネックスグループ 2022年3月期 第2四半期決算説明資料:https://www.monexgroup.jp/jp/investor/ir_library/presentation/main/0110/teaserItems1/08/linkList/03/link/JP_FinancialResult_20211029.pdf(2022/1/19現在)

マーケティングが強みの1つというのはいかがなものかと考える方もいらっしゃるかと思いますし、私も一部同意でありますが、積みあげてきたマーケティング施策の知見や、レポーティングなどのオペレーション機能、迅速な意思決定プロセスは一朝一夕で作れるものではないと理解しています。

また、取引所という事業性質上、仮想通貨の価格変動のタイミングで新規ユーザーを一気に取り込むことが求められるため、機動力のあるマーケティングの位置付けは、他業種に比べても一層重要であると考えています。

会社の成長に対して、責任感を感じながら働ける環境というのは、マーケターにとっては大変貴重な経験ですので、非常に幸運です。

事業者側で実感したこと

事業者側で働いてみて、「マーケティングの打ち手は幅広い」ことを痛感します。

例えば、私はWEB広告担当として入社したものの、状況によっては、全く知見もないキャンペーンの企画をやった方が、かけた工数に対して効率よくユーザーを獲得できたりします。

逆にいうと、WEB広告だけに詳しくても大きな成果には繋がらないのだという実感から、より幅広い手法を扱えるようにならなければという危機感を強く感じました。

実際に入社してからは、(全てかっこよく言うならば笑)キャンペーンのプロジェクトマネジメント、ストアのUI改善、TVCMのディレクションなど、WEB広告とは関係ない領域も体験させてもらっており、マーケターとして打ち手の幅が広がっているように感じます。

事業者側で働く魅力

事業者側でマーケティングをする魅力としては、ありきたりですが、以下のようなものがあるなと改めて感じています。

❶社内の全ての数字を見ながら意思決定できる

企業にもよりますが、集客から売上、利益に至るまであらゆる数字を吟味して意思決定ができるのは、代理店の頃にはなかった楽しさです。
良くも悪くも、自分の仮説が合っていたのか、間違っていたのかがはっきりとわかるのが事業者側のマーケだなと実感しています。

❷自分の信じるものをマーケティングできる

事業者側では、「世の中にもっと広まるべき」と信じる、たった1つのサービスをマーケティングするために全ての時間を使えるので、そういった意味でマーケターとしては幸福を感じます。

❸打ち手の幅が広い

1つ目のnoteで書いた通り、マーケティングと言ってもさまざまな領域があり、必要に応じて自分の知見がない領域でも取り組むことになります。
それどころか、プロダクトの改善から関わることができることは、支援会社ではなかなか体験できなかった部分です。
ただしこれは、事業者側の中でも分業化が進む前のスタートアップや中小規模の企業に限る特性かもしれません。

事業者側で働く落とし穴

逆に事業者側に身を置いて感じる課題感がないわけではありません。
良いことだけ書いても仕方ないので、リストとして挙げてみます。

❶専門知識は自分で取りに行かないとどんどん遅れる

マーケティング領域は、デジタルの発展で、日々新しい機能やアップデートが起きています。サービス提供側は、事業会社を1社ずつ回るより、コンサルや広告代理店に情報を出した方が効率よく営業できるので、事業会社は後回しになりがちです。のらりくらりやっていると、時代遅れマーケターまっしぐらです。

❷業界に興味がないと活躍できない(かも?笑)

やはり専門知識や競合の動きなども含めて、仕事以外でも情報収集が欠かせないと思いますし、自社のサービスを普段から使っていないと改善点も出てきません。
特に変化の激しい成長企業では、数日前の情報も随分と昔の話に聞こえるくらいなので、より一層そういった傾向は強いです。

❸否定してくれる人の少なさ

代理店で働いているときは、自分が間違っていることや、考えの足りなさを本当の意味でフィードバックしてくれるのは社外の人だったりします。ミーティングでは、良い顔をしていても、発注してくれなければ「ダメだった」ということだからです。
事業者側のマーケターは発注する側に立つことが多く、間違っていても、面と向かってその事実を突きつけられることは少ないのです。

転職の意思決定に「感覚」は入り込む余地があるか

私はインターンを含めても、3社しか就業経験がないので、見落としている点や経験したことのないようなことがたくさんあります。

とはいえ、私が体験した中だけでも、それぞれの会社の戦略や文化によって、同じ業界の企業でも全く方針や社員の方の雰囲気が違ったりもするので、「人と合ってみてビビッときた!」とか「なんか会社のロゴが気に入った」みたいな感覚は、論理的には説明できなくても、意外と重要なのかなと思ったり思わなかったり。

事業者側で一番面白いのは、自分の仕事でサービスが大きくなっていくのを実感できることだと思っているので、自社に対するある程度のロイヤリティが存在しないと、醍醐味の部分は味わえないのかなと思います。

この記事を読んでくださっている方々にとって、コインチェックがビビッとくるか確かめていただけるように、次のnoteでは"私から見たコインチェック"について書いてみようと思います。

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