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襷をつなぐチーム vs 襷に縛られるチーム

はじめに

私は2021年10月にコインチェックに入社し、翌年4月から同社のマーケティングGでリーダーをしています。

今回は、何気なく社内で発信した内容に(わずかなw)反響をいただきまして、noteにまとめ直してみることにしました。

私が転職した理由や、コインチェックで働くことの価値は別のnoteにまとめているので、ご興味があればぜひご覧ください!

予備知識編

このnoteは、ほとんど比喩を使って進行していくため、前提となる予備知識を先に説明させてください。

30人31脚

昔放映されていた人気番組なのですが、読者の皆様はご存じでしょうか?

簡単に説明すると、二人三脚の30人バージョンを競技化したもので、全国の小学生が対決する人気番組でした。
ちなみに、50mを9秒とかで走るというすごい世界で、チームの一体感や裏にあるストーリーが泣ける素晴らしい番組だったので、いつか復活してほしいなと願っています。

余談ですが、弊社で働いているインターン生の中には30人31脚を知らない方もおり、完全にジェネレーションギャップを感じてしまいました…

箱根駅伝

言わずもがな、お正月の風物詩といえば箱根駅伝です。

各大学がスタートから襷を繋ぎ、往復200kmを10人でリレーします。
競技場のトラックレースと異なり、横風の強いエリアや山登りなど、難所と言われる区間が存在し、多くのドラマを生んでいます。


襷をつなぐチーム vs 襷に縛られるチーム

襷で足を縛るより、つなぐ方が良い

ビジネスにおいては、明確にここまでいったらゴールというものはありません。
しかし、闇雲に走っているわけではなく、ゴールはこっちにあるはずだと信じて走るのもまたビジネスだと思います。

仮に箱根駅伝のゴールである芦ノ湖に向かっているとして、200km以上を一人でマラソンするのはかなりキツイです(というか常人では不可能)。距離的にきついのはもちろんですが、山登りや平坦な道でのスピード勝負など、いろんなスキルが要求されます。

そこで分業です。山が得意な人と平坦が得意な人、監督できる人や他校の戦略分析が得意な人などなど、得意なところを各々が担当して、少しでも早くゴールに襷をつなぎます。

この方が、絶対に良い記録が出るはずです。

しかし、「頑張るぞ!」と円陣を組んで後、スタートラインに立つと、チームメンバー全員が1区のスタートラインに立っていたらどうでしょうか?

そんな訳ないのですが、結局みんな200km走らないといけないわけです。みんなで励ましあったり、得意なところを教え合って、もしかしたら一人で走るより早く着けるかもしれませんが、間違いなく最下位です。これを30人31脚状態と呼ぶことにします。

人が増えると弱くなるチーム

実際のビジネスシーンを想像しながら同じ話をしてみると以下のようになります。

α社
Aさんが行ったa'という施策の結果を踏まえて、Bさんがb'を行う。その結果を踏まえて、Cさんがc'を行い、さらにそれを受けて、Dさんがd'を行うことで、施策を行うごとにゴールに近づいた状態からスタートできます。

β社
Aさんがa’を行う。Bさんもa'を行う。翌月にCさんがa'を行い、さらに翌月にDさんがa'を行う。これは、全員スタートから走り直しているので、全然前に進んでいません。

α社の場合、人数が多ければ多いほど精度が上がるスピードが増します。1チームだけ、箱根駅伝を20人で走れるとしたら、相当有利になるのと同じです。

β社の場合、人数が多ければ多いほど施策の回転スピードが落ちていきます。施策の精度は上がらないどころか、確認事項など本質とは離れた部分のロスが増えていき、生産性が悪化するためです。

箱根駅伝は何人で走るべきか

当たり前ですが、個々が力を発揮できる限界値(20kmくらい)でタスクを分割して走る方が速いです。例えば、5m間隔で40,000人のチームが襷リレーしたら、いろいろ渋滞して10人のチームに負けてしまいますし、だからと言って3人で走るには距離が長すぎます。

ビジネスも同じく、チームの構成は各メンバーのポテンシャルを最大限に活かせるようにすることが重要であり、それがマネージャーの仕事の1つです。メンバーや内外の環境によって正解が変わるのが面白いところだと思います。

箱根駅伝も何人で走るかまで自由にしたら、もっとゲーム性や戦略性が出て面白いかも知れません(そもそも箱根駅伝の面白さはゲーム性ではないのですが)。

引き継ぎの重要性

しかし、20km走ったから終わりではありません。ビジネス駅伝には特別ルールがあって、20kmの間に得た知見を他のメンバーに共有できないと、次の人のスタート地点も前に戻らされることになっています。

つまり、引き継ぎ力(ドキュメンテーション能力や説明能力など)によって、次の担当者が何キロ地点から始まるかが決まるのです。

これは、関わる人が増えるごとに損失が大きくなります。引き継ぐ相手が5人なら10km*5人=50kmだし、10人になれば10km*10人=100km分の損失が生まれます。

逆にいえば、施策の学びを解像度高く、伝えるべき出来るだけ多くの人に届けられる人は、20kmを早く走ること以上にチームにとって大きな価値をもたらすことができると解釈することができます。

200kmを一人で走って優勝するやつを考える意味はない

時にビジネスの世界では、200kmを一人で走って駅伝を優勝する人がいます。俗に言う天才というやつです。そういった事例をもとに、個々の能力だけで勝負すべきというのはちょっと違うような気がしています。

少なくとも私は凡才ですので、200km最速男と勝負するためには、駅伝で戦うしかありません。

コインチェックのマーケティングGは少数精鋭で、個々のスキルを活かながらチームで最大限の力を発揮することを常に意識しています。私にとっては、転職は全く考えられないほど恵まれた環境です。
同じような環境で働いてみたいというかたがいらっしゃれば、ぜひ一度弊社もご検討いただけますと嬉しいです!

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