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1日目_午後_39ばんどうろ

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 この文章は「二次創作」です。
 また「性的な表現⚠」が含まれています。


――モーモー ぼくじょう
  うまい しぼりたてミルクを どうぞ!――

「モンジャラ、面白かったね!」
「もじゃー!」
 お昼ご飯を食べ終えたアヴュールとモンジャラは、アサギシティから北に伸びる“39ばんどうろ”の“モーモーぼくじょう”を訪れていた。
「正直最初はちょっと怖かったけど、お姉さんもミルタンクも優しかったね」
「もじゃぁ」
 アヴュールとモンジャラはこの“モーモーぼくじょう”で、乳搾り体験を楽しんだところだった。
「でも、モンジャラにお乳しぼられて、ミルタンク。ちょっとくすぐったそうだったよね」
「もじゃ‥‥‥」
 モンジャラの表情がぴたっと止まる。つい今し方の出来事を思い出して、よみがえってきた申し訳なさに大人しくなる。
 モンジャラの全身をおおうブルーのツルには細かな毛が生えているため、ツルで触られるとくすぐったいのだ。
「ふふ、モンジャラったら」
「もじゃぁ‥‥‥」
「ねーえ、モンジャラ」
「もじゃ?」
「ミルタンクのおっぱいさぁ。あったかくて、ピンク色の、綺麗なおっぱい。血管が浮き出てて、ぎゅって握ると真っ白なお乳がびゅーって出て‥‥‥」
 アヴュールはそう言いながらしゃがみこむと、モンジャラの側面に顔をよせ、ささやいた。
「ちょっとえっちだったね」
「もじゃっ!」
 びくっとするモンジャラから顔を離し、アヴュールは笑う。
「ふふふ。モンジャラ、動揺しすぎ。ふふ、ふふふふふ」
「もじゃ、もじゃ‥‥‥、もじゃっ!」
 突然アヴュールに抱きかかえられ、モンジャラは驚いて鳴き声を上げる。
 そんなモンジャラをアヴュールは胸にぎゅーっと押しつけるように抱きしめると、いたずらっぽい笑みを浮かべて歩き出した。
 その口元を、モンジャラに近づけて、小さな声でささやきながら――。
「ねーえ。モンジャラは、思わなかったの?」
「‥‥‥もっ、もじゃっ」
「なんで? だって、おっぱいだよ? ミルタンクの、女の子の、おっぱい‥‥‥」
「もっ、もじゃ! もじゃ!」
 モンジャラは否定するように、強い鳴き声を出す。
「ふーん‥‥‥。じゃあ、これは?」
 そう言うと、アヴュールは自分のつつましやかな二つのふくらみをモンジャラにこすりつけるように、ゆっくりモンジャラを動かした。
「もじゃっ! もじゃっ!」
「んー? どうしたのー? だって、モンジャラはおっぱい。別にえっちだと思わないんでしょー? そうだよねー? だってモンジャラ、植物だもんねー?」
「もじゃっ! もじゃもじゃ!」
「ふふ、ふふふふ。‥‥‥‥‥‥はぁ。‥‥‥んっ、おしまい」
 そう言うと、アヴュールはモンジャラを地面におろした。
「じゃあ、ソフトクリーム食べに行こう? しぼりたてモーモーミルク百パーセントのソフトクリーム。とっても濃厚で美味しいんだって」
「‥‥‥」
「モンジャラ?」
 モンジャラは、アヴュールに背を向けたまま返事をしない。
「‥‥‥もしかして、怒ってる?」
「もじゃっ!」
 否定するように鳴いたモンジャラの声は、ちょっと語気が強かった。
「も~、ごめんね。続きは今晩ゆーっくりしてあげるから。だから、今はせっかくだし。ソフトクリーム食べよう?」
「もじゃ!? もじゃ! もじゃ!」
 突然、だーっとモンジャラが走りだす。
「待ってモンジャラ。別に逃げなくても今はしないから。ふふ。もう、モンジャラー!」
 モンジャラを追って、アヴュールも走りだす。
 二人が走る牧場の青い空には、モーモーミルクみたいに真っ白な雲が大きく広がっていた。


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