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株価が下がったら嬉しい!それって、どういうこと?

こんにちは。10月というのに、大阪の日中は暑いです💦 いつになったら涼しくなるのでしょうか、、、

さて、今年2021年に入ってから順調に伸び続けていたアメリカの株式市場が、9月頃から少し値下がりし始めています。その影響で「全世界株式型」の投資信託などの価格も下落しています。

最近、つみたてNISAなどで投資信託を始めたばかりの方はとくに、「このまま下がり続けるのでは?」と不安に感じているかもしれません。
そこで今回は、「株価は今のうちに下がっておいた方がよい」というお話しをしたいと思います。


株式市場の値動きと、運用成績の関係

ここで質問です。
下の図は、ある株式市場の価格推移を示しています。
10年間、「毎年同じ金額を積み立て投資」した場合、パターンA~Cのうち、いずれの場合にもっとも最終成績がよくなる(10年後の評価益が高くなる)でしょうか?

パターンAは年率5%ずつ安定的に成長した場合です。
また、パターンBは最初のうち高成長して後半失速した場合、逆に、パターンCはマイナス成長からスタートし後半に大きく伸びた場合です。

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答えは、この記事のタイトルからすでに分かりますね(笑) 
そう、パターンCがもっとも好成績となります。

A~Cのいずれも、10年間での値上がり幅は約55%であり同じです。
もし1年目に一括投資して、10年目にすべて売却したとしたら、どのパターンでも同じ成績になります。

しかし、質問文にあるとおり、「毎年同じ金額を積み立て投資」しているところがポイントです。
株価が下がるということは、同じ値段で購入したときに「たくさん買える」ということなんですね。

株式市場の値動きに連動した投資信託も、株価の下落とともに値下がりします。
下がれば下がるほど「バーゲンセール」状態となってたくさん買えるのです。
そして、たくさん買えたことが、将来の損益に大きな影響をおよぼします。


各パターンの評価益比較

たとえば、毎年40万円を購入し続けたと仮定して、各パターンの10年目の評価益を比較してみましょう。
なお、つみたてNISAでは毎月一定額を購入しますが、ここでは単純化のため年一回の購入として計算しています。

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ちなみに、表中の「評価損益」という言葉は、「含み損益」とも言います。
その時点ですべて売却したら、〇〇円(あるいは〇〇%)の利益や損失が確定しますよ、という意味です。
売るまでは確定しないので、「利益や損失を含んでいる状態」ということですね。

NISAやiDeCoを利用する場合は、この「評価損益(含み損益)」を、長い期間かけて少しでも大きくしていくことが大切です。
なぜなら、利益が大きくなればなるほど、運用益非課税の効果(節税効果)も大きくなるからです。

ちょっと話がそれました。各パターンの結果を見ていきましょう。
まず、投資元本はいずれも400万円(40万円✖10年)です。
一方で、保有数量がパターン毎に異なっています。
これは既に説明したように、値段が安いほど多く買える効果によるものです。

パターンBとCを比べると、Cのほうが値段が安い期間が多いため保有数量は多くなり、Bはその逆で保有数量が少なくなります。

この保有数量に、10年目の価格(ある時点での値段を時価といいます)を掛け算すると「評価額」となり、評価額から投資元本を引くことで評価損益(円)が計算できます。

このシミュレーションでは、パターンBは10年間で10%しか増加していないのに対し、パターンCでは51%も増える結果となりました。


将来資産を増やすために

ここでもう一度、最初と同じグラフを見てください。

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いかがでしょうか? 少し印象が変わったでしょうか?

積み立て投資を始めたら、途中の値下がり期間が長いほど、将来資産は増えやすくなります。
もちろん、「長期的に値上がりする可能性が高い資産」に投資することが大前提ですが。

評価損(含み損)であっても、自分の資産が目減りしていくのは気分が悪いものです。
そんなときはぜひ、「下がったらたくさん買える」を思い出してください。

運用期間が長くなるほど、大波小波が打ちよせるように、株価の変動は何度もやってきます。
そのような波にあらがうことなく、のんびり構えて船に乗り続けることが、将来資産の増加へとつながっていきます。

ぜひ、安全安心な航海を続けていきましょう。

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