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偽(あね)姉2

「ふぅん?」
お姉ちゃんは、面白い玩具でも見つけたような顔で、僕のことをまじまじと見回した。
わざとなのかどうか、やたらと足を組み換えるので、膝丈のスカートから肉付きのいいふとももがちらちらして、こちらは目のやり場に困る。
「聞いたことはあったわ、君みたいな人もいるっていうこと。会うのは初めてだけどね」

「あなた、一体何者なんですか」
「んー、その敬語やめようよ。ナオくんと私の仲じゃない」
「どんな仲ですか」
たった今自分で僕みたいな者に会うのは、つまり僕に会うのは初めてだと言ったばかりじゃないか。
「まあまあ、これから長いつきあいになるんだし」
「おっと」
言いながら僕の手をつかもうとしてくるが、さんざ実験につきあわされていい加減僕も分かっている。
すばやく後ずさって、その手を逃れた。

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