ギャンブル依存症を語ってみる 後編
こんにちは、スナオイロのナオコです。
わたしは元夫がギャンブル依存症だったことをきっかけに、自分の共依存症に気づき、自分自身と深く向き合うようになりました。
その自分自身の体験から得た気づきや学びを、元セラピストの経験なども織り交ぜながら、わかち合いをしています。
わたしが今、ギャンブル依存症を含めた依存症に関して思っていること、わたしが感じている その本質などについて少しお伝え出来ればいいなと思っております。
今回は後編になります。
👇前編もご覧くださいませ☺
ただ、事実がはっきりとわかりませんので、あくまでわたしの超勝手な推察を含む私見、経験上からのわかち合いということを予めご理解くださいませ。
身近な人間関係が大きな影響を及ぼす
依存症は『お手伝いをする人』がいると悪化のスピードが速まり、どんどん深みにはまっていきます。
歯車が1つの時よりも、もう1つの歯車と歯が嚙み合うと ますます回転が止まらなくなりますよね、そういう感じです。
お手伝いをする人というのは、依存症者に対して「いい加減にしろ」とか罵倒するような人だけではありません。
このような人が『イネイブラー、共依存症』です。
良かれと思ってやっていることが多いので、自分も相手も気づきにくく、どんどん悪化してしまうのが質が悪くて恐ろしいところです。
今回の件でも、周りの人にお金を借りていたようなので、それが事実なら悪化していった要因の1つになっていましたね。
(お金を貸した人を責めるのも違いますからね。)
『情を使うコントロール』というのは、「わたしはあなたのためにこんなにやってあげてるのに」とか、情で改心させようと説得したり怒ったりして、相手に罪の意識を与えるような感じです。
わからないうちは依存症者が悪いと思っているから、このような言葉が出てくるのは普通だと思うし、コントロールをしようとしているつもりはほとんどないんですよね。
元夫とその家族との話-わかち合い
わたしもそうでしたが、元夫の義母がまさに今書いてきたようなタイプの人で、言い方が悪いですがわかりやすく言うと、罪悪感を与えるのがとても上手な人でした。
わたしにはやさしかったし、一般的な観点から言えばいい元義母でしたけど…。
わたしが元夫のギャンブル依存症や借金癖に気づきはじめて悩んでいたとき、「これは家族の問題だから元義母にも話してみんなで乗り越えて回復に向かうようにやっていったらいいんじゃないか」という提案をわたしが元夫にして、ちょっとした会議的なものをしたことがあります。
でも、そのあとは必ず2日以内にいつもより多めに借金が増えていました。
わたしは話し合いの前に元義母に「感情的になったり怒ったりすると逆効果になるので…」とお願いしていたのですが、無理だったし、かえって悪化するので3回くらいで諦めましたけど…。
罪悪感を与えることは、ガソリンを注入するようなもので、依存症状をより悪化させることにつながります。
それと、回復するには本人が深いところから今までの自分と決別していくような殻を破っていくような覚悟が必要なんですね。
でも、いつもわたしから「こうしてみたらいいんじゃない?」と提案をしていました。
「自分でもどうしたら良い方向に進むのか考えてみるといいんじゃない?」など寄り添う気持ちで言ってみたことも何度もありますが、「考えてみる」と言うだけで、わたしが知る限りでは、元夫が覚悟を持って動こうとしたときはなかったように思います。
わたしは冷静にやさしく感情的にならないように話していたつもりですが、4年くらい前までは、内心ムカムカしていたり、いい加減にしてくれーと思っていた時も多く、良い妻を演じて元夫をコントロールしようとしていたんですよね。
そういうことをしていた間は、良い方向には進みませんでした。
依存症は脳が乗っ取られている状態
一般的にはこのような声があがっていました(ヤフーニュースの一部を引用)。
依存症と向き合う前のわたしも、きっと同じような意見を持ったことでしょう。
でも、残念ながら
本当に『そんなもの』程度なんですよ…。
自分が生きるために依存することが必要になっていて、脳が乗っ取られ、そこに報酬系も関わってきますからね…。
これは薬物やアルコール、買い物、性的行為など、ほかの依存症も同じです。あと、宗教とかもですよね。
依存対象があるから生きていられているような感じと言っても過言ではありません。
依存対象がなくなることも恐怖だから止まらない
依存症の人は依存対象のものがなくなることも恐れにつながっているので、元夫も「どうやったらお金を手に入れられるのか」というような、依存対象に関しての嗅覚はすさまじいものがありました。
クレカやカードローンを次々に作っては限度額いっぱいまで使い切りさまざまな方法で現金化、ケータイのキャリア決済、後払いできるショッピングとか、結婚祝いも元義母→元夫でいただいたものは消えてました(後から知りました)。
家の中にお金を置いて出かけてしまい、なくなったことも何度かあります。
あればあるだけ使い切るし、利用できる手段は利用できるだけ使います。
周りの人が止めようとすればするほど強くなるし、その執着度合いには感心してしまうほどでした。
なぜか満たされない、幻想に囚われた世界
彼は、あの地位や名誉をここまで壊さなければならないほどに大きな何かを抱えているのだと思います。
その満たされない部分を埋められる(ごまかせる)のが依存対象でもあります。
幸運だと思わされていることの中にある虚しさ
今の世の中には、自分で自分の存在価値を認められない人がたくさんいます(本人が気づいていない場合も多い)。
彼もそうだと思うんですね。
そのような人が世界的な人気選手と仲良くなり、お仕事もしっかりこなし、世間からも認められていく…。
一見それは、わたしたちのような人からすれば、すごく幸運な出来事であるように見えます。
でも、自分が称賛されればされるほど、彼は自分の中にポッカリとした虚しさのようなものも感じられたんじゃないかなと。
(称賛のし過ぎもよくないのよ、みなさま…。)
「自分の存在価値が世間から認められているのではなく、あくまで大谷選手と一緒に仕事をしているから自分の価値が認められている。
大谷選手がいなくなったら自分の価値がなくなってしまうかも…」
そのような恐れが深い部分にあったとしてもおかしくないですよね。
そして、そんな大谷選手に自分が害を与えることは絶対にできないということをわかっているからこそ、かえってそれが恐怖と焦りで余計に
「お金を取り戻さなくは!!」
という衝動になり、「これが最後だ」と思っていてもやめられず、悪循環に陥ってしまった理由の1つになったんじゃないかなと勝手に思います。
おわりに
今書いてきたことは、わたしが実際にギャンブル依存症の夫や家族、自分自身の依存の性質と5年ほど向き合ってきた大切な知恵で、わたしの中では本質を書いているつもりです。
(まだまだ書き切れていないことはたくさんあるのですが、早く公開したくて…。またボチボチ書きます。)
依存症に関わっている方や、今を生きづらいと感じている方のお役に立てると思って書いておりますが、でも、わたしの書いたことがすべて正しいわけではありません。
それは責任逃れではなくて、「これが正解です」ってなってしまうと、あなたの人生の舵をわたしが取ってしまうことになります。
依存症の人は、自分の人生の舵をほかの人に取られている状況です。
あなたの人生はあなたが創るものですからね☺
依存症を回復させていくには、本人が一度、底にドンと落ちることが必要になります。
そうすると、『今ここ』の状況をしっかりと本人が把握できます。
このニュースは世界的なものですから、彼は ほぼ確実に『底つき』ができんじゃないかなと思います。
失うものもほとんどない0(ゼロ)の状態になると人は強いです。
だからきっと、これから本当の自分の人生を構築されることと思います✨
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