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独立ラボを持った時、共同研究者との中型・大型グラントを提案したり、運営するときに、読んでおけばよかったなぁと思う、最近読んで超参考になった本たち。 ー その1

最近色んな事情があって、以下の本を読んでいる。
オリジナルズ
ビジョナリー・カンパニー2
良い戦略、悪い戦略
学習する組織

これらの冊を熟読していて、自分の身にしていたら、Monashで自分の独立ラボを運営しはじめた2012年以降の10年間、相当人生が変わっていただろうな、と思う。

とったノートの量は半端ないし、それぞれの本にはこういう要約サイトがあるので、ここでは、なぜ、私が自分の独立ラボ運営でこれらが役に立ってただろうと思うかを少し書いてみたい。

私は幸運にも2017, 2018と意識の新学術領域を立ち上げるグループにおいて、領域代表として提案をださせてもらった。この2回の失敗を元に、3回目のトライで学術変革Bとしてクオリア構造という領域提案が通った。後付ではあるかもしれないが、これらの本を読んでいたら、もしかすると、1回目・2回目が、すくなくとももっとうまい提案になっただろうとは思う。

まず、ビジョナリー・カンパニー2は、Good は Great の敵だ!という衝撃の文章から始まる。これは、本当に納得。Good laboratories は数多くあれど、Great labs は少ない。なぜか? この本は会社について書いてあるが、書いてある内容はかなり一般化が可能な内容になっていおり、どんな分野の研究者にもおすすめできる。(昔から、PIレベルの研究者って中小企業の社長みたいなものだと思っている)。特に私が今これからも参考にしようと思っているのは、

1. Levle 5 Leadership (どんなタイプのリーダーが Level 5 と呼ばれる最強のリーダーになれるのか? 自分中心でなく、組織のために)
2. First Who (ビジョンより、なにより、まず良い人を選びからはじめる) 
3. Hedgehog principle (深い自己洞察にもとづくシンプルな戦略をたてる)

というこの3つ。今からでも遅くないと決めつけて、今後はこれを実践。これは、ラボ運営・グラント両方で役に立つだろう。

3つめの「戦略」とは何かを理解するのに、とくに役立つのが、良い戦略・悪い戦略。だが、これは他の2冊よりは深く読んでいないのでスキップ。

そして究極は、Originals。これは2016年に発売されたらしい。(学習する組織はまだ深く読んでないのでスキップ)。

あとがきに書かれているが、「言われれば当たり前」のことが書いてある。が、言われないとわからないことだらけが書いてあるのがOriginals。この本にはものすごい重要な教えが詰まっているが、ある程度グラントに挑戦して、成功・失敗を経験したり、自分の超先鋭的なアイデアがなかなか世に広まらない、などの苦難がないと身にしみないかもしれない。

私にとっては特に、

Part3 無関心を情熱へ変える法
Part4 賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ
Part5 誰と組むかが勝敗を決める
Part7 ダメになる組織、飛躍する組織

あたりは、本当に役に立ちそうなこと、なんで過去にあれはうまくいき、あれはうまくいかなかったのか、納得することが満載だった。

以下は、これらの本を読みながらとったTweetのうち、ある程度好評だったものです。貼り付けておきます。

これが一番反響がでかかった。
“we need to tease apart two major dimensions of social hierarchy that are often lumped together: power and status. Power involves exercising control or authority over others; status is being respected and admired.” Originals Adam Grant

オリジナルズ−2
"Originals" で推奨されている「自分の欠点をさらけ出す」というプレゼン法、今年は色々な機会で使ってみる。確かに、ポジティブなことしか言わないやつはいつも怪しく感じる。逆に私がそういう風にプレゼンしてきた時は、怪しく思われていたんだろう。それで失敗してきたこともあったはず。反省。

オリジナルズ−3
サリック効果は、グラント書きにも有効な気がする。keku.website/post-414/ 「Originals」 by Adam Grant には、非常に示唆に富む効果があって凄く勉強になる。ただ、出てくる例示がアメリカ人の有名人のことが多く、日本人には馴染みずらいかも(というこれ自体がサリック効果狙いの練習)

"When placed in the same system, people, however different tend to produce similar results" - very interesting. Though it's talking about management and the learning organization, this is almost like the empirical, causal intervention to test the Yoneda lemma in category theory! https://twitter.com/conscious_tlab/status/1483743433655484416 …

ビジョナリー・カンパニー2
"Good to great" by Jim Collins is super inspiring! I feel the messages in this book are highly relevant for how our lab and collaboration network want to move in the next step. "Good is the enemy of great".

学習する組織-1
"we learn best from experience, but we never directly experience the consequences of many of our most important decisions" in the Fifth Discipline by Senge

学習する組織-2
「大事なことのうち、測ることができるのはたった3%である。」by W・E・デミング

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