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食べて飲んで走って温泉に入る!東日本の風習「さなぶり」って何?~東北の暮らしや文化を発信~

突然ですが、「さなぶり」という言葉をご存じですか?

地元秋田では、田植えが終わった6月、地域の運動会がありそれを「さなぶり運動会」と呼んでいました。
こちらは学校の運動会とは別に行われ、町内ごとにチーム分けされます。
毎年当たり前にあり、疑問にも感じていませんでした。
いったい「さなぶり」とは何なのか、気になって調べてみました。


「さなぶり」はどこの地域のもの?

そもそも「さなぶり」は全国で通じる言葉なのでしょうか?

さなぶり
田植の終りに田の神を送る祭りで,田植始めに行うサオリに対する。
〈さ〉は田植もしくは田の神を意味し,
サナブリはこの神が昇天するサノボリの転訛といわれる。
地方ごとの呼称も多く,サノボリは四国,九州地方に,サナブリは東北,関東地方に多い。
北陸,中国地方にはシロミテという地域もある。

株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」

事典によると、「さなぶり」という言葉は、東北~関東で通じるようです。
さのぼり(早上)

さなぶり(早苗饗・早苗振)へ
音が変化し、漢字をあてたのでしょう。


「さなぶり」はいったい何をするのか?

「田植の終りに田の神を送る祭り」(世界大百科事典)
「田植え終了後の祝いまたは休日」(ブリタニカ国際大百科事典)
・・・

まだよく分かりませんね。
具体的にみてみましょう。

秋田県の男鹿中地域では

昔から田植え作業が一段落する6月に田植えの慰労や豊作祈願を込め、「さなぶり」を行う風習があります。
昔は男鹿中地域のどの集落でも田植え後の「さなぶり」を行っていました。
(中略)「さなぶり」や「作休み」で食す料理は、お祝いや仏事の際に必ず作った「あんぷらにしめ」の他、「小豆飯(あずきめし)」、「ぼた餅」や「まま漬け」など、お母さんたちがこの日のために手作りしたと言います。

引用 https://common3.pref.akita.lg.jp/genkimura/archive/contents-414


さなぶりの様子(秋田県)
出典 https://common3.pref.akita.lg.jp/genkimura/archive/contents-414

秋田県大館市では

各家でごちそうを作って食べたり、温泉旅行に行く家もあったそうです。
大館市で生まれ育った母に聞いたところ、
「さなぶり」=田植えのお疲れさま会、と言っていました。

父が小学生だった昭和30年頃、町内すべての田植えが終わると、その日の夜に青年団が5人くらいで町内をまわり「田植え終わった、明日はさなぶりだ」と各家の外から声かけをしていたそうです。
この風習はすでになくなり、父世代の記憶にかろうじて残っているのみとなりました。

きっと「さなぶり」は、地域の連帯感を感じる場面だったのではないでしょうか?
地元大館市のさなぶり運動会は、コロナ禍でここ数年行われていません。
今年開催するかは未定です。


あらたなつながり


一方で、地域や町内を飛び越えて、同じ考えの人達がつながりはじめています。
私が特にそう感じるのは、岩手県奥州市の「うたがき優命園」さん。
定期的に開催するワークショップでは、里山の暮らしを体験できます。
特に農作業→みんなで一緒に料理して食べる回が魅力的です。
なにより子供から大人まで、希望者をオープンに受け入れる雰囲気があります。
うたがき優命園さんについて
ブログ https://blog.canpan.info/satoyamalife/

インスタグラム https://www.instagram.com/satoyama_tambo/


この活動からは、失われたつながりをあらたに結んでいるように感じます。
私もそれを望むひとりです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この投稿が皆さんの身近な暮らしを新たな目で見るきっかけになれば幸いです。


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