夏休みの終わりに

もうすぐ夏休みが終わる。

夏休みというのは、もちろん学生たちの夏休みのこと。うちでは休みのあいだだけ働いてくれている大学生や高校生がいる。（たいていの学校は今年は８月１７日から始まるらしい）。休み毎に帰省してうちで働くのが恒例になっている子もいる。そのたびに成長しているKIDSたち。前には任せられなかったことができるようになり、たまにはアイスコーヒーをしこたまスタバで買ってきて、みんなにご馳走してくれたり。

以前はご馳走されるだけだったのにね。

彼らにとっての仕事納めである最終日には、２１歳以上であれば（アルコール解禁はこちらでは２１歳）最後にみんなで　SAKE BOMBをやる。

酒爆弾。あんまり好みのネーミングではないけど、日本でいう一気飲みみたいなもの。でも、ジョッキではなくて、普通のグラスにビールを注ぎ、グラスの淵に箸を２本渡す。そこにお酒を注いだおちょこを置いて準備完了。あとはヨーイドン！でテーブルを両手こぶしで叩いて、おちょこをグラスに落とした人からビールを一気飲み、というゲーム。

たいてい一番に飲み干してしまうのは、いつもマネージャーのオマールだ。彼は本当は下戸のくせに、持ち前のサービス精神なのか、いつもSAKE BOMBに参加して一等賞。その場をうんと盛り上げてくれる。

KIDSたちが学校へ戻れば、どんなお店の日常が戻ってくるんだろう。もう以前のことが思い出せない。

その年にして、鎧でしっかり防御している子もいれば、無邪気さをあらわに好奇心いっぱいで臨む子もいた。妙に言い訳が上手な子も、誤るのは上手でも、口だけっていう子も。

仕事は皿洗いや、食材の下ごしらえや、ウエイトレス補佐などだけど、一気に次の段階に進んでいくしっかり者も多くいて、また次の休みに戻ってきてほしい子が多い。

彼らの持ち前が、私たちレギュラーのスタッフに新鮮で新しい風をもってきてくれる。初心忘るべからず、と以前の自分を思い出すのか、スタッフは一様にKIDSに親切で優しい。

そしてそんな光景を見て、私は癒されている。