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エッセイ

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#山暮らし

道しるべとなってくれるものは、すぐそこにあるから。

深夜に近い、仕事帰り。車を走らせていて、ふと気が付くと、上空を、雲が波打っていた。 雲と月のコントラスト、絞り染めを思わす雲のうねりが圧倒的だった。 私の唇から、ため息が漏れる。 急いで車を走らせて、家に戻った。 庭に備え付けてある、ホットタブの蓋を開けて、お湯加減をみる。 すごい、パーフェクトな温度!夫よ、ありがとう。 湯舟に浸かって、空を見上げるころには、空模様もずいぶんと変わっていた。 一瞬として、同じ空模様はない。ちょっと目を離した後には、以前の景色は消えて

いのちを頂くということ、感謝祭の食卓

先日の木曜日は感謝祭でした。 私はお肉は食べませんが、集まる家族や友人のために毎年七面鳥を焼きます。 放し飼いでオーガニックの餌だけ食べてきたhappy な七面鳥さん、前日にバターとハーブを練ったものを鳥皮の内側と外側にまんべんなく塗り込みます。 自分の手のひらを使って、 「ありがとう」の祈りもいっしょに塗り込みます。 この行為が毎年私にとっては、頂くすべてのいのちへの象徴的な、感謝の儀式なのです。 私はお肉は食べませんが、お魚や、もちろん野菜は食べます。ぜんぶ同

山火事のあとで

北カリフォルニアは毎年この時期、山火事が多く発生する。森や町がわらわらと燃えている。それを近年、ま近で見てきた。 火事を発生させないために、計画停電があって店を営業できないこともあった。毎年、火事のためにあちこちで避難警告がなされて、それが嫌で夏のあいだは予め、他州にバケーションに行く人もいる。けれど、その間に家が燃えてしまうことだってある。どこにいようとも、火事は防げるものではないのだけれど。 去年、娘の家が燃えた。ちょうど彼女はその時、他州に狩りに行っていた。彼女と、