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私の仕事

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北カリフォルニアの田舎で日本食レストランをしています。そんなあれこれ。
運営しているクリエイター

#レストラン

レストランという場所

テイクアウトのみの営業を続けて1年以上も経ってしまいました。カリフォルニアは6月15日以降、コロナ防止のための規制を全面解除して、現在多くのレストランは食事を楽しむ人々でいっぱいです。 うちもぼちぼちと、店内を開放していますがテイクアウトのみの営業にすっかり慣れてしまって、始めはちょっとあたふたしていました。 ああ、テイクアウトだけのなんて楽ちんな日々だったことでしょう! 店内サービスがないというのは、本当にシンプルな営業形態で、キッチンはまず皿洗いが大幅に時間短縮され

あったかい、っていいな~心のキャンドルを灯す。

10数年乗っていた愛車から、去年の夏に新しい車を購入した。 最近の車の進化にはびっくり。 セイフティの方でも感心しきりだけど、ありがたいのは寒い日でも、シートやハンドルが、すぐに温まること。 夜遅くに仕事からの、寒い帰り道、 ほっかほかのシートが、お尻から、背中から、私のカラダをあっためてくれる。 その温かさが、一日の終わりの、私のカラダとココロを緩めてくれる。 家に戻ると、しばらく旅行で留守にしていた夫が部屋を暖めてくれていた。 そして温かな食事が待っている。 あった

言葉の中にメッセージはあるか?

お店に飾るための、蘭を買いに行った。 私の町には、大きなスーパーマーケットが、コストコを除けば3軒ある。その中の一つの店の蘭は、たいていフレッシュで、種類も豊富なのを発見して、最近はそこで買うことにしている。 入口に入ったとたん、目に飛び込んできた色とりどりの蘭が迎えてくれる。 ああ、眩しい。 歩いて回るも、どれにしようか、視線があちこちに飛ぶ。お花に囲まれる、この瞬間の胸の高鳴りはいつも。 私を見つめる蘭もあれば、よそよそしくそっぽを向いているものもある。 ふい

おひとり様のお客様

金曜日の夜。 その日は、なぜか、おひとり様のお客様が多かった。 仕事帰りだったのか、30代くらいの女性がドアを開けて入って来た。 「Hi, How are you?」 挨拶すると、 「Tired」(疲れた)と一言、 にこりともせずに私を見つめた。 「じゃあ、リラックスしてくださいね」、 そう言って、私は彼女を4人掛けの大きなテーブルに通した。 ふつう、おひとり様は、カウンター席か、もしくは二人掛けのテーブルなのだけど。 ハーフボトルの赤ワインを開けて、食事を待って

「四方よし」の仕事をしよう

2020年の3月から、コロナでお店の営業がテイクアウトだけになりました。それに合わせて、レストランの営業時間を短縮し、隣町にオープンしていたラーメン屋さんを閉店しました。 去年の夏から再び、店内でも食事ができるようになりましたが、あれから、経営がシンプルになって、私としてはとってもやりやすくなりました。 40人近くいたスタッフが半分になったから、それぞれの顔がちゃんと見れて、もっと繋がっている感じがする。このくらいの人数が、私には合っているのでしょう。 けれど、毎月の収

起こることが起こる。誰のせいでもないよ。

6年間、うちでシェフとして働いていた人が 隣町で店を出すことになりました。 店舗を借りて、それを修繕、アレンジしたり、お役所へのペーパーワークなど、たびたび私や夫に質問してきますが、明るい人柄で料理の腕もいい、センスもあるし、情熱的。きっとうまくいくだろうな、と安心して見ていました。 途中、市役所とのやりとりがスムーズでなかったり、規定に沿っていなかったことが判明したり、色んなことがあって、本人は頭を抱えていた時期もありました。予定していたオープンにも間にあいそうもありま

仕事で大切にしていること

カリフォルニアでレストランを始める 北カリフォルニアの小さな町でレストランを始めてから17年が経ちます。 立ちあげたときには7人のスタッフでしたが、一時期は40人近くのスタッフがいました。言い出しっぺの夫は4,5年前から徐々に店から退き、現在は自分が新たに興味のあることをやっています。 小さいながらビジネスをしてきてある日気づいたのは、夫と私はこれまでずっと「波動経営」でやってきたのだ、ということでした。それがこれまでのレストラン経営を支えてきた軸だったのです。 「波動

夏休みの終わりに

もうすぐ夏休みが終わる。 夏休みというのは、もちろん学生たちの夏休みのこと。うちでは休みのあいだだけ働いてくれている大学生や高校生がいる。(たいていの学校は今年は8月17日から始まるらしい)。休み毎に帰省してうちで働くのが恒例になっている子もいる。そのたびに成長しているKIDSたち。前には任せられなかったことができるようになり、たまにはアイスコーヒーをしこたまスタバで買ってきて、みんなにご馳走してくれたり。 以前はご馳走されるだけだったのにね。 彼らにとっての仕事納めで

お店への前祝い

今朝、お店のウェブサイトを通してお客様からのメールが届いていました。日付は昨日の夜。名前に覚えがあるどころか、もう10年来のロイヤルカスタマーです。 その彼がとても落ち着いたトーンで、書いたくれていたメールのタイトルは Congratulations! おめでとうございます! それが彼の皮肉なのかどうかは私には分かりません。 彼はこの数年、毎週金曜日か土曜日には うちのおスシを夕食に食べるのを恒例にしてきたと書いてあるとおり、毎週注文をしてくれていました。けれど、ここ数