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受験とメルカリ 1

メルカリを始めて、かれこれ1年以上になる。
家の片づけや持ち物の整理で、もう使わない、でも捨てるのはもったいない、とはいえ直接譲れる相手も身近にいない、というモノを、おそるおそる出品するところから始まったのだったが、使いこなせるようになればなるほど、そのシステムの素晴らしさに魅せられている。

そんな「勝手にメルカリ推し」の記事は、以前も他の媒体で書いたことがあるのだが、

実は中学受験においてもその恩恵を受けまくる日々で、「メルカリってホント最高だわ!」と何度叫んだことだろう。
そこで、「わが家の受験はメルカリにものすごく助けられた」という話を、書いてみようと思う。

12年前までの過去問をメルカリで入手

「助けられたその1」は、なんといっても志望校の古い年度の過去問題集をメルカリで探し、結果的に12年分もの問題を揃えられたこと

過去問題集は毎年最新版が出るため、そのタイミングで前の年度のものは書店から消える(だからもし、まだ受験は先だけれど、数年後に受けたい学校が具体的にイメージできているなら、早めに手に入れておくと後々役立つと思います)。

何がなんでもこの学校に受かりたい!という熱烈志望校の入試対策をするには、最新版の過去問題集1冊に掲載されている問題だけでは、直前期になるにつれ、いささか心許なく感じてくる。
もちろん、塾にもある程度まとまった年数の問題集は揃っているから、1 、2回解いてみれば十分、という併願校の過去問対策は、それをコピーして使うのでも間に合うだろう。

でも、どうしてもここに入りたい、と強く願う学校の問題に、ある種のクセやパターンがある場合(というか多かれ少なかれどの学校にもそうした個性はある)、できるだけたくさんの年数分を解いて、その学校の「匂い」のようなものを感覚でつかみとりたい。

となれば、過去問はできるだけ古い年度のものまで手に入れられたら、それに越したことはない。

わが家の中学受験は、娘がピンポイントで「あの学校に行きたい」と言い出したことから始まった。
その志望校は、親の側には途中いろいろ迷いが生じたものの、娘の方は最後まで揺らぐことがなかった。
ひとまず、受験勉強が始まった4年生のとき、その時点での最新版の過去問は書店で入手しておいた。その1冊によって娘が8歳の時の入試問題までは手に入り、その後、6年生になってからまた最新版を購入。これで5年分の問題は揃ったわけだ。
まぁ普通は、入試直前3ヶ月くらいで最近5年分の過去問を2周3周と解くのがよいといわれるから、これで事足りる人も多いはず、なのだけど……

自分が生まれた年まで遡って解く

娘の場合、塾の定期テストでも全国模試の結果でも、志望校に受かりそうだという安心材料が最後までほとんど得られなかったため、「こうなったら残された道はとことん過去問をやりこむこと、それしかないわ!」と、わたしは目を血走らせながら古い過去問探しに乗り出すこととなった。
さっそくメルカリで探してみると、おぉー、あるわあるわ、「自宅保管期間は長いけれど中身はほぼ新品状態」という古い年度の過去問たちが!

ちなみに、東京の有名難関校などではない。地元のどちらかといえば地味めな中堅校にもかかわらず、である。
そんなマニアックな探しものが、まったく苦労なく見つかる喜び。ただでさえ忙しい受験期に、このスムーズさがどれほどありがたかったか!
出品している人(元受験生の保護者)も「この学校も受けるかなと思って買ったものの結局使わなかったから、捨てるのももったいないしね」という姿勢がほとんどだ。だから定価2300円の本が、それより高く出品されているケースはまずないし、もしあったとしても、嫌ならそれを買わなければいいだけ。逆にそれでも欲しければ、買えばいい。

わたしはメルカリを利用する基本姿勢として、出品する場合は自分が購入した金額より高値はつけない、購入する場合もなるべく似たような価値観の人から買うべしということをルールにしているため、これまで微妙に後味が悪い取引は経験したことがない。

入手した過去問で最も古かったのは平成22年度版で、そこには平成19年度の入試問題まで収録されていた。
国語と算数の問題形式が現在とは多少異なるため、部分的にしか活用しなかったが、だからこそ底値の350円で出品されていたのはありがたかった。年度は普通に探していてもまず出会えないほど古く、それがとても安く、しかも届いてみればピカピカのデッドストック。もう「メルカリ万歳!」である。

こうして最終的には、新品で買った2冊に、メルカリで入手した4冊を加え、第一志望校の過去問題集は合計6冊を揃えることができた。
年数でいうと(かぶりもあるため)12年分。12年前といったら、娘が生まれた年に受験生だった子たちが解いた問題である。

実はその志望校、わたしの姪っ子二人も通った学校で、だから娘も幼いころから「自分もあの学校に行きたい」と思い焦がれていたのだった。
尊敬する従姉妹のお姉ちゃん二人が解いた(そして合格した)試験問題を解きながら、娘は受験勉強に最後の追い込みをかけた。これはモチベーション的には最高の刺激となったし、それができたのはメルカリというリサイクルシステムのおかげである。

なので今は、「もしかしたら受けるかもと思って買ったものの、結局使わなかったよ」というきれいな過去問を、役目を終えたものから順に出品している。
いずれにせよその年度の本はもう増刷されないから、出版に携わる身として罪悪感を感じる必要もない。
過去問をなるべく安くたくさん揃えて、志望校選びや志望校対策をしたい、という次の受験生たちとその親御さんに役立ててもらえたらうれしいし、実際、わが家の受験もそうやって出品してくれた人がたくさんいたおかげで助けられたのだ。

受験でメルカリに助けられた!というエピソードはまだあるのだけれど、長文必至なので、次回に回します。よかったら来週も読んでください。

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