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Julius Klingerのポスター展

マンハッタンにPoster Houseという常にポスターのみの展示を行っている面白いミュージアムがあって、そこで現在Julius Klinger: Posters for a Modern Age 開催中(8/15まで)

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Julius Klinger (1876-1942) 現代のグラフィックアーティストの先駆者的存在として有名なオーストリア人デザイナー。1900年代初頭から数々の革新的なデザインのコマーシャルポスター、本、マガジンイラストレーション、キャンペーン広告を手掛け、印刷上の装飾・デザインを近代的に変換させた人物。オーストリア・ドイツで主に活動していました。

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どれもこれもインパクトがあって目を引きます。さすが広告ポスター!

そして全てのポスターの字体がとても可愛い!

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色合いも構成もとてもステキ。日本の着物を彷彿とさせる羽織ものを着ている女性のイラスト。

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キャバレーの有名ダンサーのイラスト。

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ミュージアムの中はこんな感じで展示されています。

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TABUという字体のみのポスター。顔みたいに見える(見せてる)1920年代からベルリンで、こういった字体のみのポスターがだんだん増え始め、それがトレンドとなり、クリンガーの後のデザインにもよく使われたそうです。

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↑この葛飾北斎の絵にインスパイアされてクリンガーが作った作品がこちら↓

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確かに、、、女性と海の生物。でも全く別物w 浮世絵は多くの有名な画家たちに影響を与えていたんだな、と思うと日本人として嬉しいですね。

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クリンガー作品の後半は、白い紙に黒と赤のインクというシンプルな色使いに変わっていったようです。それでもこのインパクトはすごい!

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100年も前とは思えないぐらいモダンでかっこいい!

クリンガーは、デザインは言葉の壁をも超える国際的なコミュニケーションツールになるだろうという一心で様々な商業デザインにアプローチし、広告デザインに多大な影響を与えました。

このような革新的、斬新なデザインの裏側には第一次世界大戦があったり、世界恐慌があったりと、なかなか激動の時代で表現の自由もはばかれた時代なんじゃないのかな、、、と想像出来ますが、クリエーションにそんなこと関係ないと思わせてくれる作品の数々でした。

しかし、ユダヤ人だったクリンガーの功績虚しく、ナチスによって1938年、活動の場も国籍も追われることになり、1942年強制収容所にて殺されてしまいました。

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ポスターって、その国や時代を映す鏡だと思うので、毎回ここでの展示は面白いです。

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