海外留学しないで英語がペラペラになりたい!
英語ペラペラになりたいけど、コロナ禍に海外留学なんて行ってられっか!というわけで、今回は日本にいても英語がメキメキ上達する方法をご紹介したい。王道は、英会話スクールに通ったりオンライン英会話を始めたりすることだが、それだとお金が掛かるしちょっと……という人のために、それ以外の方法で個人的に効果が高いと思ったものを選んでみた。
日本人は勉強時間の割には英語が下手である。中学から高校にかけて皆死ぬほど勉強しているが、「おかげで英語が仕事でも活かせるようになりました」と言っている人は、まぁいない。そう言っているのは帰国子女か海外留学した人だけだろう。
これは完全に個人の感想になってしまうが、これまで働いてきた英語が母国語でないアジア人の中で、日本人が断トツで英語が話せなかった気がする。中国人も韓国人も「英語結構上手いな」という人がたくさんいたが、日本人の英語力は全体的に一段落ちるという印象だ。
かくいう私も大学に入るまで別に英語は得意ではなかった。外国人に道を聞かれたら人並みにドキドキしたし、英語でプレゼンなんて以ての外だった。そんな私がなんの因果か今やアメリカの現地企業で働いている。私は帰国子女ではないし、海外留学経験は一切ない。どうしたら英語が話せるようになるの?とよく質問されるので、日本にいながら外資系の企業に就職できるレベルまでの英語力を獲得できるオススメの勉強方法をご紹介する。
英語はどうやって話すかよりも、なぜ話すかの方が大切だが、それを書くと長くなってしまうのでまた別の機会にしたい。
英語話者の恋人になる
難易度:★★★ スキル:リスニング、スピーキング
「いや無理だろ」と即答する人が多いと思うが、私もそう思う。しかし、間違いなくこれが日本にいながら一番手っ取り早く英語を習得できる近道だ。私は大学時代に数年間アメリカ人と交際した結果、英語力がみるみる上達し、就職氷河期にも関わらず、第一志望の外資系企業から早々と内定ともらうことができた。英語力を上げるために外国人と付き合うべきとまでは言わないが、機会があるけど外国人だからと交際するのを躊躇している人は、思い切って付き合ってしまうのも一つの手だと思う。自分が思っているよりも早く英語は上達して、世界が広がるはずだ。
男女交際で得られる英語力は主に日常会話力だ。彼氏や彼女と毎日話していても英語のプレゼンは上手くならない。だが日本人は性格的に「間違えたら笑われるんじゃないか」と構えてしまって一歩踏み出せない人が多いため、少なくとも日常会話は緊張せずに話せるという状態を作れるだけで、堅牢な土台になる。その後のビジネス英語に関しては、単語を増やして形式を学べば良いだけなので、非常に楽だ。
ちなみに「付き合うならどの国の人が良いか」という上級者の問いに対し英語の発音という観点だけで答えるならば、王道は教科書のお手本であるアメリカ人。アジア系なら語学留学先としても人気の国のフィリピン人が良いと思う。イギリスは発音が難しいので英語の基礎がある人はとっつきにくいだろう。ただし、マスターすれば綺麗な英語が話せるようになる。オーストラリアとニュージーランドもややイギリス寄り。インド人と付き合うと独特の訛り英語になる。
学校の英語の授業に真面目に取り組む
難易度:★☆☆ スキル:リーディング、ライティング
「日本の英語教育なんて英語が話せない教師が教えてるから全然意味ない」と揶揄する人がいるが、これは大きな間違いだ。確かに日本の高校卒業までに英語が話せるようになる人は、インターナショナルスクールでもない限りほぼ皆無だろうが、学校で学んだ単語や文法は確実に血となり肉となっている。学校でそれなりに英語のテスト勉強をした人は、「英語が上手だね」と言われるまで70点のところまで来ていると言っていい。つまりこの投稿をわざわざ読むような意識の高い人は、その状態に近いはずだ。
日本人がとにかく苦手としているのはスピーキングだ。「I watched a movie yesterday」は誰でもわかるのに、「Hey! How was your weekend? Did you have fun? (週末何かしたの?)」と早口で聞かれると途端にパニックになり、“え、週末?どうしよう。あっ映画だ。映画はmovieだけど、あれ動詞はseeだっけ、watchだっけ。過去形はなんだっけ。あれmovieの前にaは付けるんだっけ!?もう無理!”となり、スムーズに答えられなくなる。うまく答えられないと“やらかした!”という意識が根付くため、英語なんてますます話したくなくなる。「I watched a movie yesterday」なんて中学校の一学期で習うレベルなのに(もしかして今は小学校?)、非常にもったいない。
はっきり言って学校教育にスピーキングを期待しても無駄だ。これは自力で解決するしかない。ただ、英語のスピーキングをやらないとダメだ!と意を決して取り組んだ時に、土台があるのとないのとでは全然違う。先にも書いたように真面目な日本人は70点までは学習が進んでいるため、残り30点分の努力をするだけで、仕事で英語が武器になるレベルに到達することが可能だ。しかし土台がない人には長い道のりとなる。
今まだ学生の人は騙されたと思ってテスト勉強や受験に真剣に取り組んだ方が良い。将来思わぬリターンに繋がる場合がある。残念ながら社会人にとっては後の祭りなので、単語も文法もさっぱりわからないレベルの人は、当時の問題集をやり直すと良い。
映画の台詞を丸暗記する
難易度:★★☆ スキル:リスニング、スピーキング
これはお金がほぼ掛からない方法だ。ただし時間と根気がいる。
やり方は簡単で、まずハリウッド映画など好きな映画を一つ決める。第1段階は日本語字幕で観て、映画のストーリーを細かいレベルで把握する。具体的には「次のシーンはあれだな」とか「次の台詞はこれだな」とか日本語で構わないので映画の全容を把握している状態を作る。
第2段階は字幕を英語に切り替えて観る。この時字幕を頑張って追い続けること。前の段階でストーリーを覚えたので、話の流れがわからないということはないはずだ。もしわからなければ日本語に戻して確認する。知らない単語は辞書で調べて少しずつ覚えていく。何度も繰り返し観ていると、英語の文章が勝手に記憶されて、次の台詞が自然と頭に浮かぶようになる。
最終段階は字幕を完全にオフにして観る。俳優の台詞が一言一句聞き取れるかを確認し、聞き取れなければ英語字幕をオンにして確認。さらに頭に入っている台詞を実際にブツブツ呟きながら観ると良い。
私はこの方法でリスニングの力がグッと上がった。
ちなみに選ぶ映画はできれば専門的過ぎない、現代の普通の人間の会話が多い作品が、使える単語を多く覚えられるので良いだろう。私は好きだというだけで『ジュラシック・パーク』を選んだため「Hold on to your butts(心の準備して)」みたいな一生使わない言い回しも覚える羽目になった。
Language Exchangeをする
難易度:★★☆ スキル:リスニング、スピーキング
Language Exchange(言語交換)というのは、外国語話者とパートナーを組み、お互い同じ時間ずつ言語を教え合う仕組みのことだ。例えばアメリカ人と組んで週一回30分英語を教えてもらい、その代わりに自分が30分日本語を教えてあげる。こうすることでお互いにレッスン代を節約することができるので、お金を掛けたくない人には嬉しい。上手くすれば友達になり、さらに英語を話す機会が増えるかもしれないオマケ付きだ。
まず最初にパートナーを探さなくてはならないので、大学生なら同じ大学の留学生に声をかけてみるのが良いだろう。身近に良い人がいない場合は、専門のサイトやSNSで探す必要がある。実際に会って仲良くなるのがLanguage Exchangeの醍醐味の一つだが、コロナ禍ではオンラインが主流かもしれない。見知らぬ人に会うのは怖いという人も、今なら気軽に始められるのではないだろうか。
パートナーを選ぶ時はできるだけ自分の目的に合った人を探すのが良いだろう。ビジネス英語を勉強したいなら大学生ではなく社会人のパートナーが良いし、日常会話を学びたいなら年齢が近いほうがネタに困らないかもしれない。
語源事典を買う
難易度★☆☆ スキル:リーディング、単語
日本語でも知らない単語がたくさんあるように、英単語は際限なく存在する。私も英語で仕事をし始めてから10年以上経つが、未だに初めて聞く単語に頻繁に出会う。よほど専門的な内容でない限り自分の英語力で表現できないことはほぼないが、問題は相手が話している時に知らない単語が登場した時だ。こんな時「え、その単語なに?知らないんですけど!」と一瞬パニックに陥ってしまいそうだが、この動揺を回避できる魔法のアイテムがある。それが語学事典だ。
英単語には接頭辞・接尾辞・語根の3つパーツがある。例えば『Unbreakable』というブルース・ウィリス主演の映画があった。Unbreakableなんて単語知らないよ!と思っても、慌てずに。分解すれば意味はわかる。
「un」は否定を意味する接頭辞、「able」は「〜しやすい」を意味する接尾辞なので、この単語は
un + break + able
というパーツから成り立っている。breakが壊すという意味だと知っている人は多いだろう。つまり、
できない + 壊す + しやすい
↓
できない + 壊しやすい
↓
壊れない
というように、単語自体を知らなくても自力で答えにたどり着くことができた。
語学事典で主な接頭辞・接尾辞・語根を暗記しておけば、思わぬ英単語の登場にも冷静に対処できる。仮にbreakの意味がわからなくても、unが否定を意味すると知っているだけでトーンを掴むことに役立つ。
英単語なんてどうせ覚えても覚えてもキリがないので、膨大な暗記を自分に課す前に、語源を把握するほうが楽だ。この勉強法は受験生にも有効なのでぜひ一度お試しあれ。
以上が、私が実際にやって効果が高かった勉強法だ。前段でも書いたが私は帰国子女でもないし、海外留学経験もないまま社会人になった。それでもアメリカ人に「英語が上手だね!」と褒められるレベルまでは上手くなったので、コロナ禍で海外に行けず人生計画が狂ったと気を揉んでいる人にも参考にしてもらえたら嬉しい。
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