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私が物語をつづるとき

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2022年1月の記事一覧

午後四時のカプチーノ

2017年秋、ミラノでの生活をスタートさせたばかりの私は、ただただ毎日疲れていた。 憧れの地に来たはずなのに、何をするにも分からないことばかりで疲れる。 いや、イタリア語は分かるのだが、想定外のことが次々と起こり、息つく暇もない。 朝目覚めると、古めかしい天井が目の前に入ってくると同時に隣の住人が水道を使いながら大声で話す声が聞こえてくる。 何だか遠いところに来てしまったなと、胸の奥がキュッとなった。 もし留学生活が春夏にスタートしていたならば、カラッとした気持ちの