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自分を大切にしたいとき、私は足を磨く


ちょっと失敗してしまって、あーあ、と少し気分が沈んでいた。


とりあえずいつも通りジムで体を動かして家に帰りつき、シャワーを浴びながら足元を見下げたら足がカサカサだった。
体のケアに無頓着すぎた数年前までの自分をここ最近は改めようといろいろやっているけど、足は、なんか、サボりがち。脳や心臓、手から1番遠くにあるその部位を良い状態に保ってやることは私にとって難しいみたいだ。

あまり使っていない足用のやすりが洗面所の鏡裏収納にしまってあることを思い出した。体がびしょびしょのまま一度浴室を出てそのやすりを取り出し、びしゃびしゃになった(した)洗面所からまた浴室に戻った。水分を含んでいるのに見るからにカサカサで硬いかかとや親指の外っ側などを優しくなでるようにこする。少しずつ皮膚が本来の柔らかさを取り戻していく。

シャワーを終えて服を着て、さっきこすった足にたっぷりとオイルをぬってやる。保湿されて気持ちがいいし、足が健康的な輝きを放っている姿を見るのはうれしい。ついでに爪も整えて、爪の周りの硬い皮膚も切り取る。そんな一連の動作で、落ちていた気持ちは消えはしなかったけどいくらかましになった。全体重を支えることも、体の中で1番地面の近くにいることも多いその部位を磨くことは、どれだけ「大丈夫」「仕方ない」と言い聞かせるよりも、なんか、効いた。

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