見出し画像

手紙を書くように [書籍出版まで②]

先日、久しぶりに手紙を出した。
宛先は遠くに住む大切な友達。
もうすぐ私の家に遠路遥々遊びに来てくれるということで、
招待状のような感じの手紙を書いた。
ポストカードに小さな文字で下手なユーモアを詰め込んで、
この間”岡本太郎展”で購入したステッカーもおまけとして一緒に封筒に入れて、宛名を綴り、乾きかけたスティックのりで封をする。
軽い足取りで郵便局へ向かい窓口の前にできた列に並ぶ間、
今だに覚えられない必要な切手の値段をスマホで検索する。
無事に手に入れた84円切手を貼り付け、
もう一度宛先に間違いがないか確認してポストに入れる。

カサッ

ポストの中、私の下腹くらいの高さで紙が紙の上に落ちるどこか懐かしい音が聞こえた。
その音を皮切りに、「喜んでくれるかな?」「ウケるやろうか?(関西人の性)」とワクワクが止まらない。


誰かに物を送る際にメッセージカードを書いて一緒に送ることはたまにあるが、
手紙だけを送る機会なんてほとんどない。
普段はLINEでかなり頻繁にやり取りをしている友達なので、
何かあればすぐに知らせ、相手がそれを読んだか否かは一目瞭然。
もちろん返事を受け取ればスマホがすぐに教えてくれる。
自分が文字にした思いが瞬時に伝わるならば、
わざわざ数日かけて郵便で手紙を送る必要なんてない。
それでも今回手紙という手段を使った理由は、
相手を驚かせたい気持ちや喜んでほしい気持ち、あとは特別感を演出したいといった感じ。
そのために指を動かすだけでも届くところを、時間をかけて、あらゆる手順を踏んで届けた。
届くまでの間のドキドキ感と言ったら!

・・・・・


「早く届けたい。」
そんな気持ちだけが肥大して、肝心の原稿は余白部分がまだまだ多く、メモ書き程度の文章も目立つ。
その割には、言いたいこと、伝えたいことはしっかりと頭の中に存在していて、
それをよりわかりやすく、また、読み物として読み応えがあり、
楽しく快くするにはどうしたらいいのか途方にくれる日々が続いている。
そう、私の書籍執筆の進み具合である。

ここから先は

1,669字
・1ヶ月に4投稿前後を予定しています。 ・購読中は過去のものを含め全ての記事が読めます。 ・YouTubeの視聴者さまも、そうじゃない方もぜひ!

出窓の傍から

¥250 / 月

YouTubeでは語り尽くせないあれやこれを文章ならではの濃さでお届けします。 エッセイや日記が中心。日々感じることをなるだけ等身大で言葉…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?