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機械に感情を伝え、言葉を少しずつ信用する


全然どうでもいいことだけど気になって、調べたいことを思いついた。朝。

近くにスマホがなくて、取りに行くのは面倒で、一緒にダイニングでコーヒーを飲む夫に「スマホ借りていい?」と聞く。手渡してもらった彼のスマホを開いて、自分の配置とは全然違うホーム画面に一瞬バタついたあと、Safariをタップ。


すると夫が直近で調べたであろうものの検索結果が画面に広がった。検索バーには

猫のうんこ臭すぎる 消臭剤

というキーワードが入っていた。衝撃だった。


なんなんだこの、機械に質問するのに人間的すぎるキーワードは。特に「臭すぎる」って、「すぎる」って、なんやねん。

私だったら「猫トイレ 消臭剤」とかで検索するだろう。夫が調べたこれは何かを調べたいというよりも、Safariさんに愚痴を聞いてもらっているように思えて本当に可笑しい。検索結果まではしっかり見なかったけど、さぞSafariも困られたことだろう。あ、Safariは困らないか。


確かにSafariに愚痴をこぼしたくなる気持ちは私にももちろんわかる。臭すぎる。しかも私たちが寝静まっている深夜に、2匹が立て続けに。猫飼いはいつも猫トイレの処理に追われているし、いつも寝不足。それが猫飼いの宿命。


それで深夜に目を覚ました夫がSafariで調べたらしい。睡眠を中断されたことで感情的になったのが検索キーワードから伝わってくる。

大爆笑して自分が調べたかったことはどこかに吹き飛んで忘れてしまった。どうでもいいことだったし、そんなどうでもいいことの答えを知ることよりも遥かに有意義な、無意味が楽しい時間になった。


機械相手でも人間を貫いて感情をむき出しにする感じ、おもしろくてグッと来る。ずっと忘れられない検索ワードだ。

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