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言葉との距離を縮めたいー今年出会えてよかった本②③④と。

苦手なことがまあまあ多い私の人生。
そんな中、子どものころから長年苦手なことのひとつが多数決。
球技大会の種目を決めるときも、文化祭の出し物を決めるときも、いつも多数決。

多数決がこわいのは、多数派の意見が多数だからだという理由だけで可決されるところ。
それが接戦だったとしても、たった”1”多ければそちらの主張が選ばれてしまう。
少数であるがゆえに、いや、多数ではないがゆえになかったことのようにされる意見。
決まってしまえば、まるでそれ以外の選択肢がなかったかのように、
みな可決された選択肢を平気で受け入れる。
そのことに不気味ささえ感じていた。

誰にも嫌われたくなかった小学生のころは、自分が少数派にならないように必死で周りの顔色をうかがった。
周りの人間がみな疎ましく思えた中学生のころはいつも少数派となってしまい、
自分の主張が静かに、すぐに消えていく様を見ながら虚しくなった。

とは書いてみたものの、この本を読むまでは自分が多数決に対して抱く違和感と向き合ったことなんてなかった。
この本とは永井玲衣「水中の哲学者たち」

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