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景色みたいにさりげなく、ちゃんと存在してるって確かめる



この間、パートナーと長い散歩に出かけた。

丸1日かけてYouTubeに投稿する動画をつくる予定だったその日、いろいろあってそれができなくなってお昼すぎにふらっと外に出た。通ったことのない道を通って、とりあえず少し離れた大型リサイクルストアを目指す。

よく知ってる道を一筋はずれただけでまるで景色が違う。人通りも車通りもほとんどなく、民家とだだっ広い畑や田んぼ。おばけみたいに生い茂る雑草にはかわいいお花が咲いてて、アスファルトはガタガタで、政治家のポスターはツヤツヤで。


リサイクルストアを物色すると、JIL SANDERのスカートが3,000円ほどの破格で見つかる。かなり古い型のものだけど、昔のデザイナーズブランドってワクワクするから好きだ。しかしながら試着してみてサイズもぴったりだというのに、そこまでピンとも来ない。悩みに悩んでいるとパートナーが
「それ、もしJIL SANDERじゃなかったらどうしてた?」
と一言。直ちにそのスカートを置いてあった場所に戻して店を去った。

買い物において名前(ブランド名)は参考にはなるけれど、決め手にはならない。有名だったり人気だったりする名前に惑わされたくないと思う派だけど、でもたまにそれを忘れそうになる。夫よ、ナイスアシスト。


小腹が空いてラーメン屋さんで餃子をつまんだあと、ブックオフへ。
本は新品で買う派なのだけど、見たい本があると言う彼と一緒に私も本売り場へ。書棚の間をふらふらうねうね歩く。少女漫画コーナーにたどり着いてNANAが16巻だけ、しかも2冊もあって不思議に思いながらも懐かしくなった。まじ青春。ふと気づくとLINEに夫より着信数件。あまり自覚はないのだけど、私はよく行方不明になるらしい。スーパーとか大きめの施設ではいつも探されてしまう。申し訳ない。
そのあとはひたすらレコード探し。並んでいるレコードの隙間に指を入れて1枚1枚見ていくあの動作がスムーズにできるようになってきた最近。私もレコード好きの仲間入りかなっと謎のほくほく感。結局彼の本とレコードをお買い上げして帰路に着く。

一歩一歩歩くたびに時間が流れて、少しずつ景色が変わる。

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