ころあいをみはからう
「ころあいをみはからう」
という言葉が好きです。
この言葉の響きがとても好きで。
そしてこの言葉を覚えた当時の私は、「ころあいをみはからう。」と言うだけでなぜかちょっぴり大人になった気分でいられました。
難しげな言葉を使う優越感。
頃合いを見計らう。好きな言葉。
「ころあいをみはからう」という言葉を覚えたのは小学校低学年のころだったと記憶しています。
国語の教科書に掲載されていた物語に出てきたんですよね。この記事を書くにあたって調べてみるとそれは、
三木卓の「とうさんのまほう「えいっ」」
という作品だったみたいです。確かクマの親子のお話でした。
ストーリーはほぼ覚えていないのですが、「ころあいをみはからう」が出てきたシーンだけを覚えています。
クマの親子が信号待ちをしているとき、お父さんがころあいをみはからって「えいっ」と信号機を指す。そうすると信号機の色が(多分赤から青信号に)変わって、息子は「お父さんってすごい!」となる。
「ころあいをみはからう」なんて言葉、初めて読んだときはわからなくて母にその意味を聞いた覚えがあります。
その日から「ころあいをみはからう」がなぜかとてもお気に入り。
今でもこの言葉を使うと、信号機を眺めるクマの親子の絵がぼんやりと頭に浮かびます。
・・・・・
言葉自体の響きと覚えた当初の優越感があっての好きな言葉、と書きましたが、今となっては「頃合いを見計らう」という言葉はその意味も相まってさらに好きな言葉です。
生きていく中で”頃合い”=”良いタイミング”を見極めることって本当に大切で、しかしタイミングはどれだけ大切にしても自分自身で100%司ることは不可能なんじゃないでしょうか。
悪いタイミングではどれだけ足掻いても満足いく結果には出会えないし、逆に良いタイミングでは少しの心がけでどんどん物事が良い方向に変化していく。
「向かい風」と「追い風」、風向きで表現されることにも大いに納得できます。
自分自身で良いタイミングをつくり出そうとする心がけはできますが、それでも良いタイミングは自分の意志だけで巡ってくるものではありません。
悪いタイミングやだめなタイミングは定期的にやってくる。そのときにどういう心持ちでいるかは、その後に大きな影響をもたらすと思えます。
「頃合いを見計らう」の「見計らう」という言葉には、とてもニュアンス的な話になってはきますが、今か今かと見張りながら待っている感じが私にはするんです。
良いタイミングが来たら、待ったなし。
こっちは準備万端で、あとは風向きさえ変わってくれればいつでも行けるぜ!
そんな感じ、、、するのは私だけ?
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出窓の傍から
映像や写真にうつらない感覚や感情を、等身大で言葉にしています。 誰かの人生を劇的に変える記事はきっと含まれません。誰かの言葉になりきらない…
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