BUMP OF CHIKEN メモ
好きな曲の感想をつらつらと。
BUMPは元々好きですが、
最近知り合った大の音楽好きな知人の影響を受けました。
ここから上の文章はまた後で書きます。
会社でお昼を食べながら、寝ている課長を横目にスマホでポチポチ書いています。
以下、個人的に好きな曲をいくつか挙げていきます。
ほんとのほんと
曲名が全てひらがなで表記されていることもあって、優しい曲なのかな?と思って聞くと、良い意味で期待を裏切られる。題材は、刃物にもなり得る言葉。伴奏は、誤魔化しが効かないごく簡素なオーケストレーション。綺麗事の皮を一枚剥いだかのような、薄らと張り詰めた緊張感が漂っている。相手のことを本気で想うあまり、慎重になった言葉選び。一瞬でも気が緩んでしまえば相手を傷つけてしまいそうで。
また、曲全体を通して大きな起伏がなく、常に同じ場所をぐるぐるしているかのような錯覚に陥る。だからこそ、素朴な歌詞が浮き彫りになってスッと自分の中に降りてくる。お互いを傷つけることが怖くて言えない両者の思いを「二人分でずっと呼び合っている」って表現するの、オシャレすぎませんか?
流れ星の正体
ボーカルの藤くんが雑誌に定期的に投稿していたコラム「fujiki」の終了を期に生まれた名曲。最終回である154回のコラムの内容が思い浮かばず、あれこれ言葉を書き出した結果、その言葉で曲が1曲完成してしまったというエピソードが。
最近の連絡のほとんどをメールやLINEで済ませてしまうことも相まって、この歌詞にはぐっときた。言葉や文字が消費されていく現代のコミュニケーションの中で、アナログではあるけれども、想いが確かにそこに蓄積されていく手紙。今の連絡は、時間と距離どころか電波しか飛んでいない。悲しいかな。
ファイター
要約すると「君の声で元気をもらったよ」。それだけのことなのに、これほど輝いていて神秘的な雰囲気を出せることに脱帽。秀逸な言葉選び。声が流れ星のように耳に入った経験も、その声が魚のように集まりだした経験も無いけれど、その情景が映像として鮮明にイメージできるっていうのが不思議でたまらない。
この曲に限らず、BUMPはありふれた日常や経験を、時に美しく、時に儚く、時に皮肉をこめて表現する。おかげで、これまで目を向けなかった日常に色がついて見えるようになった。もしかしたら、朝から鳴いているカラスにも、近所の荒れた花壇にも、スーパーのお肉のパックにも、裏には想像もつかないストーリーがあるのかもしれない。人生の解像度を上げてくれてありがとう、BUMP。言い過ぎかも。
HAPPY
個人的にものすごく救われた曲。曲全体を通して、一般に対極の立場で捉えられがちな「喜びと悲しみ」「勇気と恐怖」を、二つで一つだと説いている。そして、歌詞の中に登場する少年が成長する様はまるで一本のドラマを見ているかのよう。辛いときも思い詰めているときも、きっとその分良いことがあるさ、と楽観的になって前を向ける良い曲。「これほど容易く日は昇る」「どうせいつか終わる旅を」といった言葉も刺さる。懇切丁寧に対応されるよりも、このくらいざっくり背中を押される方が歩きやすい。
Gravity
「繋げたって遠ざかる」「全て飛び越えて」いちいち言葉選びが刺さりすぎる。もちろん、言葉は目で見ることが出来ないし、紙に書いてあったり、スマホのスクリーンに表示されていたり、平面的で静的なイメージが強い。だからこそ、言葉に対して「繋げたって」「遠ざかる」「飛び越えて」といった立体的で動的な扱いをする面白さが際立つのかも。あ、「裸足のメロディー」って表現だけでラーメン2杯行けます。
Aurora
言葉を立体的なものとして扱うことに関して、前に挙げたGravityと似ている部分がある一方で、Auroraの方がより肉体的で、脈動のようなダイナミズムを感じる。アコースティックが主体のGravityよりも、より物質的で力強いAuroraだからこそ、手触り(形)、振動(音)といった表現がしっくりくるのかな。気持ちがさき、言葉は後。みつを。
普段なら見向きもしない湿った場所を、BUMPはいつだって光で照らしてくれる。例えば路地裏や教室の隅。多分次の曲は「普段感謝されることのない用務員のおじさん」を題材にした曲になると思う。
プレゼント
メンヘラか?っていう感想はあまりに品がないので差し控えます。無くても大丈夫だし、むしろ無い方が良いと強がる虚勢を張る心。素直に好きと言えないもどかしさ。受験期に友達が楽しそうに遊んでいるのをインスタのストーリーにあげていたのを見て、羨ましさや妬ましさを押し潰して「お金や時間がもったいない」と自分を肯定する言葉を探していた過去を思い出しました。ただ、ここで歌われているのは、もっと静かで、もっと孤独な感情。未来に希望を持てなくなって何も聞こえない宇宙に飛び出したかのような、誰も信じられなくなって雪が降りしきる中でただ立ち尽くすかのような、そんな孤独。自分で望んだにもかかわらず、内心は誰かの声が聞きたくてずっと寂しがっている。
このCメロに凝縮された生々しさ、人間らしさ。人間で出汁をとったラーメンはきっとこんな味なんだろうな。「嫌いだ全部好きなのに」。決して本音を溢さないように、見栄と虚勢で必死に堪えていた感情が、この歌詞をきっかけに止めどなく流れていく。きっとその時に扉も開いたんだろう。
まだまだ書き足りません。また時間を見つけて書こうと思います。
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