弟〜彼がモテる理由〜

よく親戚や親から逆の性別で生まれれば良かったのにといわれるくらい弟とは性格が真逆である。こやつそしてかなりモテるのである。

過去に彼はクレジットカードをいつもより15万円程多く利用し母に迷惑をかけたらしく、母から原因を究明してこいとミッションを承ったので突撃してみた。大きなため息と共に「もうしないからさ～」と何故か逆切れである。意味が分からない私はもう一度理由を聞いた。するとクリスマス前に10人の女の子と10日連続デートにに行ったとの事。なるほど、一人当たり1万5,000円の単価か。お主なかなかやるなと私は注意するのも忘れ感心した。

彼の家に何度も泊っているのだが家のデザインやインテリアが意識高い。謎の紐にぶら下がった観葉植物や砂や貝が入ったディフューザー（私はこれをひっくり返し彼の部屋を砂とピオニーの香りで一杯にした）。

バスルームには@cosmeランキング上位の商品たちが並ぶ。ボタニストのシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、パーフェクトホイップの洗顔、化粧水、トリートメント。洗面台にはナノイーのヘアドライヤー、ストレートアイロン、フェイスマスクまである。因みにフェイスマスクのフェの字くらいしか知らない私は弟から初めてルルルンフェイスマスクを進めてもらって感想をシェアしていた。これらの商品は女の子が置いて行ったわけではない。彼が全て好んで自分用に揃えたものである。ここは某東南アジア風ラブホかと突っ込みたくなるようなラインナップ。つまり、女の子がいきなり泊りに来ても困ることがないのである。
また、彼の愛用の香水はJo Maloneの定番English Pear& Fressia。ヘアミストも同じ香りである。これから重ね付け用にウッド系の香水も購入予定らしい。上質な香りを沢山楽しみたい女性たちは男性からの好感度が高い香りランキングで石鹸の香りが毎回トップに立つことにがっかりしている人も多いかもしれない。そんな中、Jo Maloneの香水を一緒に楽しく選びにいける男性は中々いない。私は彼の家からTinder Dateに向かったことがあるが普段使用しないフェイスマスク、ヘアミスト、トリートメントを使用し自分の家から出るよりも調子良く出かけた。

また、弟はマメである。一度女の子とのラインを見せて貰ったことがあるが女の子に「次に会うとき何したい？」と聞き女の子が「〇〇の展示会かな！」と言うと次の20分後には「はい！予約完了です！」と返信する。そして私とランチに行った帰りには「明日会う女の子が誕生日だからプレゼントにThreeのシャンプー買ってくわ」と百貨店へ向かっていった。姉はThreeのシャンプーなんぞ貰ったことも使ったこともない。聞いたところ、彼は自分を特にマメだとは特に思ってもないし特段の努力もしてないし、見返りも求めてないのだという。しゃらくせぇ！！

そんな弟も欠点がある。中々一人の人に絞れない。私が大体デートする人はコミットメントフォビアなので、こんな近くにも居やがったか。くそが！という心持ちである。弟曰く「皆それぞれ良いところがあって選べない」とのこと。なんだそのチャラい男のテンプレのような返しは。ただ、ここまでマメに楽しく居られる相手というのは付き合わなくても安心できる部分を感じるのも事実。実際付き合っても名前だけで全然構ってくれないっていう人もいるからね。ただ、苦もなく出来るからこそ誰にでも出来るのである。
私は弟に「刺されない程度にするんだよ」とアドバイスしている。ちゃんとしたお付き合いを望むのならこういう男性とは友達で留めておくのが良いのかもしれない。

※この記事は弟に了承を取った上で載せています。