ポスト・コロナの計画論(1)シアトル:特例による店舗空間の拡張について(その1)
1.シアトルにおける店舗空間の道路への拡張
日本でもコロナの関係で特例による道路占用(https://www.mlit.go.jp/road/senyo/03.html)が認められていますが、シアトルでも道路を占用できるようになっています。
そのことを説明したシアトル市の資料「OUTDOOR PERMITTING OPTIONS AT-A-GLANCE」によると仕組み(「Safe Start」と呼ばれるプログラム)は以下のような形です。(2022年5月までの特例措置)
(1)アウトドアカフェとしての飲食空間の拡張
(2)物販の展示
(3)屋台の設置
(4)アウトドア・フィットネス(※ジムの横の空間でやってくださいとのこと)
(5)お買いもの・食べものピックアップ優先ゾーン
※(1)(2)の場合、フェンスを立てるように指示されています。
①お買いもの・食べものピックアップ優先ゾーンサイン:この青いサインがピックアップのために買い物客が駐車帯を利用できるゾーンを示しています。(サインの上からシールが貼られてしまっていますが・・・)
2.拡張空間のパターン
いくつかシアトル市内のしつらえを観察すると、様々なタイプがあるようです。(上記の制度に則ったものではないものもあります)
(A)個別プライバシーパターン
(B)通りで材料に連続性をもった、テラス型パターン
(C)寒さ対策型(ビニールカーテンと植栽で囲う)
(D)植栽と合わせたデザイン・パターン(すごく人気店のようです)
(E)完全オープンエア型(シアトルは雨が多いですが・・・)
(F)立ち飲み対応型
このように、いろんな地域で用途や特性に合わせたしつらえが設けられています。ちなみに占用料は場所によって違うとのことで、
「アーバンセンター」(中心部)の場合、幹線道路沿いで1スクエアフィート(=約0.093㎡)あたり1.4ドル
(その他看板を置く、屋根をつけるなど、条件によって加算されます。)
とされています。
2021年10月から屋内での飲食はワクチン接種証明書か陰性証明書が必要だということもあり、シアトルは接種率は高いとはいえ、そういったチェックが不要となる屋外空間の利用もしばらく続きそうです。2022年5月以降がどうなるのかが見られないのが残念ですが、いくつか恒久化するような動きもでてくるのではないかと思います。