NYの公共空間はいまどうなっているか
3月からニュージャージーの州立大学であるラッガーズ大学のあるまちに移動しました。NYの郊外、大学街で静かなところです。
マンハッタンからはニュージャージー・トランジットで一時間程度の距離になります。
マンハッタンに戻ったにぎわい
シアトル同様、マンハッタンも治安の悪化がよくニュースで流れています。気をつけながら現地調査をしたいと思いますが、まず気になったのは一時パンデミックの震源地と言われたNYの公共空間がどうなっているかです。
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結論から言うと、マンハッタン中心部は相当賑わっていました。
ニューヨークもニュージャージーも2022年3月7日から屋内マスクの着用や飲食店でのワクチン接種証明書提示などの規制がさらに緩和されます。
歩行者空間の拡大
NYはブルームバーグ市長の頃から歩行者空間の拡大を進めていました。
・・・とよく言われますが、今はもう市長は2回代わっています。
下の写真はタイムズスクェアの拡大した歩行者空間です。
10年ほど前は路上にペイントした実験的な歩行者空間が多かったですが、
そのような実験を経て、現在は恒久的な歩行者のための空間として整備されています。
ちなみにマンハッタンの中で公共空間の利用としてあちこちで目立ったのは
無料のコロナ検査場としての利用でした。
これも公共空間のフレキシブルな活用の一つかと思います。
アウトドア・ダイニング
これはシアトルでも行われていたことですが、よりつくりが本格的で、
ドアがついているなど「小屋」という感じです。
(寒いからでしょうか?)
アウトドアダイニング設置許可の措置は恒久化する方向のようです。
新市長はレストランは歩行者や観光客を増やし「市の経済の『先駆者』」になると発言したことが下の記事にも書かれています。
そんな考えもあって、このような屋外レストランの道路占用は次の市長になってもまだ続きそうです。
NY市のオープンデータによると、現在この道路占用に参加している
レストランは12,000を超えているようで、
NYの風景をガラッと変える一大勢力になっています。
フォーマリティとインフォーマリティ
道路占用と言えば、キオスクはもちろんもともと許可を得て営業していたとは思うのですが、ずいぶんきれいな箱になっていて、これも驚きました。
シャロン・ズーキン先生の本(Naked City)でもNYでの移民が営む屋台の
衛生管理の許可と、そのためのコストによる営業継続の難しさについて
書かれていましたが、道路占用には都市の活気と治安・安全のコントロールのバランスの難しさがあるかと思います。
NYはBIDによるエリマネも広範囲で行われていますしね。
そうはいっても、タイムズスクェアの辺りではまだ露天商が3件くらい
みられました。(路上で鞄を売っていました。)このあたり、
NY的なインフォーマリティのたくましさが残っているようです。