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読書ノート【鬼速PDCA】富田和成

そもそも、私はPDCAサイクルについて、マネジメント手法というよりも「前進を続けるためのフレームワーク」であるという認識を持っている。もちろん、当社でもマネジメント手法として日々使っているし、チームリーダーたちにも口酸っぱく教え込んでいるが、それはあくまでもPDCAの一機能にすぎない。

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行動を止めないためのスキル。管理するためにあるのではないと考えている。

PDCAが「前進を続けるためのフレームワーク」である限り、それを、高速を超える「鬼速」で回し続けることで、会社、部署、そして個人が圧倒的なスピードで成果を出し続けることができる。さらに、前進していることを実感することで自信が湧き、モチベーションにドライブがかかり、さらにPDCAが早く回る。これが鬼速PDCAの真髄である。

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行動を止めることが成長を止める原因となる。だからPDCAを高速にまわして行動を止めないようにする。仮に行動が結果に結びついていないとしても、行動しないよりはマシ。その行動が結果に結びつかないということに気がつければOK。

自分の行動を週に1回でも振り返る習慣がある人は現時点でかなりの成果を出しているはずである。それくらい振り返りの習慣を持つ人は少ない。大半の人は年に1回、上司との面談で曖昧に1年の反省と来年の抱負を考えて終わりのはずだ。

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これは10年前から気をつけているけど、完全に身についていないこと。ジャーナリングは身についているので、そこにプラスできるように習慣を調整していく。

いや、正確に言えばPDCAは個別のビジネススキルとはまったく別の次元にある。PDCAは、個別のスキルの習得を加速させるためのベースだからである。

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なにかを習得するときにもPDCAは使えるフレームワーク。自分で成長を促進させるフレームワークである。

本気でPDCAを回したことがある人なら、その奥深さと難しさを肌身で知っているはずだ。PDCAは、そのPDCA自体も成長していくものであって終わりなどない。さらに言えば、PDCAに慣れてくると同時に回すPDCAサイクルの数も増える。

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行動量を担保するためにPDCAを回す。それから行動の質を良くするためにPDCAを回す。このようにPDCAを回すことで、段階的に成長できると感じた。

山頂を目指すべきなのに海に向かって歩き出したら一生たどり着けないし、冬山をビーチサンダルで登ろうとしても無理だ。もちろん検証フェーズでその誤りに気づけば修正できるが、計画をしっかりしていればそうした無駄な行為を事前に防ぐことができる。

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わかりやすいたとえ。だから計画はわかりやすく立てておく。具体的には期日と成果を数字に落とし込むこと。KGIは抽象的でOK。KPIは数字で管理するためのもの。

計画フェーズで失敗する人が5割なら、実行フェーズで失敗する人は3割。その3割のうち、7割くらいの人は、実は抽象的なままアクションを抱え込んで実行に移せていないケースである。

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約21%の人が行動できないで失敗する。この本を読めばある程度の人は計画を立てる。その後、続けて成長できる人はDOをTODOに落とし込んでいるということ。

過度の慎重さ、過度の心配はPDCAサイクルを遅くする。過度の思慮不足、過度の日和見主義はPDCAサイクルの精度を落とす。よってPDCAを回す人や組織に必要なのは、慎重さと大胆さの中間辺りなのだ。

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KPIを設定したら、その課題を解決するためのDOを設定する。仮にそのDOが間違っていたとしても、やってみて気づけばOK。慎重になりすぎるくらいなら、やってから間違いだったと気づけばよい。

理想は1〜3ヶ月後くらいだ。これくらいの期間であれば人やチームが成長するには十分な期間であり(もちろん内容次第だが)、なおかつ環境が劇的に変わるということもあまり考えられないのでとるべき行動もイメージしやすい。イメージしやすいということはモチベーション維持がし易いというメリットにつながる。

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計画を立てるときの具体的なアドバイス。

人はときに、長期的な目線を忘れて短期に走り、マクロな視点を忘れてミクロに走り、本質を忘れて形式に走る。とくに日々の業務に忙殺されている人や、昔からの習慣に縛られ思考停止に陥っている組織などに起きやすい。よってPDCAを回し始める前に、あらためてその「背景」、つまり上位に位置するPDCAを意識することが大切になる。

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好きな言葉。だからKGIとKPIを毎日ジャーナリング時に書き出すメリットとなる。

 つまり、解決案を分解したものがDOで、DOを分解したものがTODO。分解するたびに数は増えていく。わざわざアクションをDOとTODOで2階層にしている理由は、1階層だとDOの状態で仕事を抱えっぱなしになることが多いからだ。

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行動できない理由のひとつ。例えば月3万円稼ぐだけでは弱い。3万円稼ぐためには、案件を5件受注、納品する、そのためには提案を15件以上行うなど細かくTODOに落とし込むこと。

計画はうまくいっても、それを組織の業務フローや個人のタスク、さらに具体的な行動スケジュールに落とし込むまで細分化していないので、結局やるべきことが不明瞭なまま時間だけが過ぎていくケースだ。あと一歩なのだが、その一歩が大きい。世間でいる「計画倒れ」の正体はこれである。

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個人の場合でもDOで止まってしまう危険性がある。組織になったらより注意する必要がある。 

「KPIを決めてDOを決めたのなら、さっさと行動すればいいだけじゃないか」という指摘もあるだろう。ではなぜKDIが必要なのか?それは結果(KPI)は簡単にコントロールできるものではないからである。売上目標というKPIを設定したとしても、自分が気づいていない外的要因が潜んでいる場合もあるだろう。必ずしも100%の行動が100%の結果を生むとは限らない。それに結果が出るまでのタイムラグが発生するものがほとんどであるのだ。
一方で行動はやるかやらないか、できるかできないかの話なのでコントロールしやすい。もちろん行動の成果がKPIに表れない事態もあるかもしれないが、かといって行動をしなかったら当然KPIも動かない。だから自分が確実に行動に移しているかどうかを見える化し、逐一チェックすることが重要なのである。

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自分がコントロールできることだけに集中する。例えば体重は直接的には管理できないけど、食べるものは自分が選ぶことができる。

計画フェーズから散々考え抜いてきた結果として導き出されたTODOをこなすことは楽しい。それはロールプレイングゲームでレベル上げをしているときに似ている。TODOもレベル上げも、やることはもしかしたら地味な作業かもしれないが、その行動の目的が明確になっているので迷いはないし、それを終わらせれば必ず前に進むことがわかっていれば頑張れるものだ。

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TODOを黙々とできるようになったら勝ち。そのために時間割をつくること。タイムボクシングの考え方。

おそらく振り返りが苦手な人は、立ち止まって考えるよりも汗を流して走り回っているほうが前に進んでいる印象を受けるのかもしれない。確かにそれはそれで「頑張っている充実感」はあるのかもしれない。でも、その結果、同じミスを平気で繰り返したり、いつまでもゴールから遠ざかっていることに気づかないままでいたりするのは、正直、もったいない気がする。最速でゴールに到達するには検証頻度を上げることは基本中の基本である。

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これはTODOをこなせるようになってからのこと。行動量が一定以上になってからは、行動の質を上げるために振り返りが必須となる。

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