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MRJ頓挫も中小企業は死なず 「もう日本には頼らない」

覚悟と志 を肝に銘ずる。

「本気でやってみませんか」。上田は谷口に持ちかけた。そのための条件は生半可なものではない。上田は、最低でも2年間は「修行」が必要だという。新たな設備も不可欠。ただし、修行だから収入はゼロ。もちろん2年後に仕事がある保証などない。北陸では名の知られた建機サプライヤーとはいえ、従業員が120人余りの北菱にとっては厳しい注文だ。それでも谷口の答えは「やり遂げます」だった。

上田は名古屋市にあるエヌブリッジという会社の社長で、航空機エンジン参入のコンサルタント業を始めたばかりだという。聞けば三菱重工のOB。2000年に入社し、配属されたのが小牧北工場(愛知県小牧市)。空の名門である「名航(名古屋航空宇宙システム製作所)」から1989年に名古屋誘導推進システム製作所として分離した工場だった。通称、「名誘」。航空機エンジンなどを手掛け、名航の弟分と称されることが多い。

MRJ頓挫も中小企業は死なず 「もう日本には頼らない」

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