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あんまんまんの魅力について

 今日は私の心のアイドル、あんまんまんについて紹介したい。

 あんまんまんを初めて見かけたのはTwitterで、目と目がほどよく離れた愛くるしい顔立ちと、プロフィールの「あんまんまんです なかみはあんこです」ののんきな記述、さらにはツイートに漂う脱力っぷりと隠しきれない格の高さに惹かれてすぐさまフォローした(そうしたらフォロー返しもしてくれた)。

 あんまんまんとは、コンビニで暮らしているあんまんである。4こ兄弟で、ピザまんまん、カレーまんまん(口がある)、にくまんまん(頭がとがっている)を兄に持つ末っ子だ。身長は15センチ、体重は200グラム、平熱は60度、年齢は永遠の2歳で、誕生日は8月9日、長崎原爆の日でもある(つまり明後日だ)。お仕事は、コンビニのおにぎりをむいたり、賞味期限切れの商品を棚から撤去したり、カップ麺にお湯を注いだり、である。コピー機で遊ぶのが好きで、10円玉欲しさに仕事をしている。日給は10円である(かなりこき使われているとも言える)。起きると「おはおお!」と機嫌よく挨拶し、いつも曜日を教えてくれる。私が最も心を摑まれたのは水曜日のお知らせで、「すいすい すいすい」と言うのだ。かわいい。木曜日は週の真ん中でちょっとお疲れなので「まんなかぶるー」と言いながらも「ぼおおおおおおおん」とあんこビームを飛ばしてくれる。このあんこビームというのは、史上最強の光線、というわけではもちろんなく、実は口で言っているだけなので何も出ていないのだけれど、それは秘密、ということになっている。

 さらに可愛いのが言い間違いで、おにぎりは「おににり」、たなばたは「たななた」、というわけで、同じ段が続いて次の音が濁点になる時、その音が前の音と同じになってしまう、という法則があるらしい。けれどお料理が大好きでレシピ本も出しているし、常に疲れている人の味方である。「冷凍餃子を出したら息子は喜んだのに夫に手抜きと言われた」というツイートが世間を騒がせたときには、「みんな じぶんの げんきさとか じかんとかに あわせて れいとうや かっとやさいや おそうざいを うまく つかって たべたら よい!」(https://twitter.com/ammnjp/status/1291282965360590854)と、誰も傷つけないコメントをさらっと出すし、人に対する差別、偏見も一切ない。先に記した「格の高さ」というのはこういうことだ。

 あと面白いのが、生まれる前は小麦粉だったということと、お店に来る前に冷凍される、ということ、毎日頭を取り換えて新しくさっぱりする、ということである。さらに出身は大阪で、関西弁もしゃべれるらしいが、Twitterでは封印している。グッズを色々出しているので、私もだいぶ買いこんだ。今年はテレワークだったので、もっぱらあんまんまんTシャツを着て日々を過ごした。おかげで毎日ハッピーであった。

 脚本家の渡辺あやさんは、何かを言う時に「怒り」とともに伝えると、どうもうまくいかない、と語っており、これから強いのは「ゆるふわ」ではないか、というようなことをインタビューでおっしゃっていたのだが、まさにあんまんまんのように心優しく、物事に対する判断を間違えず、脱力した柔らかい存在、というのがこれからの世界では頼もしきメッセンジャーになるのでは、と大いに期待している。

※Twitterは https://twitter.com/ammnjp 、また、画像などは自由に使っていい、とあんまんまん自ら表明しているので、お言葉に甘えて使用させてもらった。

 


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