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寿命について
全くポジティブな内容ではないが、思ったことを書く。
昔々、今から12、3年前のこと、義実家に行く行かないのことで、義弟から変な言いがかりをつけられた(夫から聞いた)。私も血の気が多かったので、それを聞いてムカつき、正面から受けて立ったるわ!くらいの気持ちで、「家に来てもらって」と夫に告げ、義弟がやってきた。その日、私は刀を抜く気満々でいたのだが、事なかれ主義というか、円満主義の夫が「今日は黙っといて」と言うので、義弟の全く筋の通らない言いがかりについて、刀は抜かずに聞いた。ただ、さすがにおかしいと思ったので、「〜しろということですよね」とだけは言った。すると先方はちょっとキレて「すぐそういうものの言い方をする」だの「こっちは遠くまでやってきた」だの言う。夫は黙って横にいる。という、謎の構図があった。(その時私は夫に対して、「この人は私を守ってくれはしない」「自分の身は自分で守る」と決意したのだが、それはまあここでは関係ない話なので置いておく。)
その後、夫は義弟と食事に出て、私は「玄関に塩撒いたろか!」くらいの気持ちで掃除をしていた。そしてベランダを見たところ、なんと花が全部枯れていたのである。「うおー!あの人毒を持ってきた!」と思った。『キャンディキャンディ』で、アンソニーが落馬して死ぬキツネ狩りの朝、スイートキャンディと名づけた白いバラが全部枯れていて、キャンディが「何か、何かよくないことが!」とうろたえるシーンがあるが、花というのはそういうことを感知しそうな生き物だ、と私は思っている。その後、義弟とは一度も会っていない。
さて、ここからが本筋である。夫が暗い声で「ちょっといい?」などと言うので身構えたところ、何と義弟が肺ガンだという。転移もあちこちにあり、とりあえず入院して検査だそうだ。どうやら厳しい状況にあるらしい。
ここで真っ先に思ったのが、あの時、刀を抜かなくてよかった!ということだった。どうせどんな人にも寿命が来るのだ(義弟に寿命が来た、と言っているのではない)。変な人と切り結んでも仕方がない。目先の怒りに惑わされず、よき道を歩むだけにしよう、と思った。
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