冷奴の愉しみ
梅雨もまだだと言うのに京都はすでに夏気分。
今年も、あの釜茹でのような京都の夏がやってくる。
想像するだけでげんなりしてくるが、京都の夏も悪いことばかりではない。
祇園祭に大文字と風情があるのは流石に古都だ。鴨川や貴船の川床も良い。
夏の美味いものも京都らしいものが沢山ある。
祇園祭は別名鱧祭りと呼ばれている。この時期鱧が美味い。
京の都は海から遠く、海の魚が手に入りにくかった。瀬戸内の鱧は生命力が強く生きたまま京都まで運んでこれた。
ウナギも良い。暑い京都でこれほど似合いの魚もないだろう。
夏の愉しみといえば、涼しい風の通る畳の部屋で浴衣でうちわなど片手に
冷奴をあてに冷酒なんてやれたら言うことはない。
冷奴といえばこどもの頃は辛子をつけて食べるものと思っていた。
今は塩をちょっとかけて食べるのが美味い。
でも本当に美味しい豆腐は何もつけなくても美味いもの。
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