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豆腐屋のひとり言 餃子の想ひで

あれは、もう40年ほど昔になるか美味い餃子の店があった。

京都四条、高瀬川にかかる橋を渡った先。ピンクのネオン看板が並ぶ小便臭

い路地の奥、4〜5人も入ればいっぱいのカウンターだけの「餃子の王将西木

屋町店」

メニューは餃子とカッパと呼ばれる胡瓜の漬物そしてビールと酒。

材料は他の王将と同じと聞いたがその餃子は別ものだった。

高齢のご夫婦?が包み、焼く餃子は香ばしい焦げ色を纏い蠱惑的な油のベー

ルが輝き湯気あがるプックリした姿に喉が鳴る。

焼き上がりにマヨネーズをチューブから絞って熱で溶けだすところをかぶり

つくと口中は熱さに悲鳴をあげる。

そこにビール。まさに口福!

餃子は2人前からの注文だったが、見る間に腹に消えた。

焼きの技を感じる店だったがいつの間にか姿を消していた。

あの衝撃を超える餃子にはまだ出逢えていない。

京都路地裏の記憶。 豆腐屋のひとり言。


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