この勝負、先に動いた方が負ける

 こんにちは。まだ生きてます。
 実は別の記事を書いている途中なのですが、つい最近けっこう仲が良かった友人に嫌われた、というか距離を置かれて明らかに塩対応をされるようになってしまったので、その話をしようと思います。
 というのも、理由がはっきりせずにモヤモヤしたままひと月が経ち、このままでは精神衛生上良くないということで、気持ちを整理するために綴ろうと思います。
 奴がこの記事を見たら即バレしそうな気もしますが、それも一興、でもきっと何も言っては来ないでしょう。「他人に興味ない」や「気にしてないけど」が口癖の彼なら、わざわざ突っかかってくるなんてそんな面倒なことはしないはずですから。
 おそらく後半はほぼ愚痴状態になると思いますので、物好きな方のみどうぞ。

友人Nについて

 その友人を仮に「N」呼びます。Nとの付き合いについて簡単に説明すると、4年くらいの付き合いがあり、たまにNの家にお邪魔したり、飲みに行ったり、何度か泊りの旅行をするくらいの仲です。私の人生では最もアクティブな交友関係です。
 オタク仲間で、お互い殆ど気を遣わず(少なくとも私は)、性癖を語り合ったり、煽り合ったり、笑い者にし合ったりすることも多いです。こう書くと、なんだか悪友っぽくなりますね。

注意

 あくまで私目線での話ですので、事実とは異なる部分があるかもしれないことをご了承ください。

事の経緯

第一の問題

 それは2日間の出来事でした。大晦日から元旦にかけて都内で1泊の旅行をすることになりました。
 ホテルに向かう前、数日前に行こうと決めていた場所がありました。
 コミケです。東京ビッグサイトで行われる大型同人即売会です。
 Nも私もとても楽しみにしていましたが、向かう途中で中止になったのです。理由は予約をしていなかったからです。実はどちらも数年ぶりのコミケで、以前は予約は必要ありませんでした。
 途中で気付いたのは私で、念のため調べた際に発覚したのです。
 しかし、それより以前にNも調べていて、何を間違ったのか、当日でも予約不要で入場が可能だと思い、それをツイッターに書いていたのです。私が調べなかった理由は、そのツイートを見て信じてしまったからでした。
 しっかり確認しなかったNに対して、その後、何度か蒸し返して揶揄をしたのが悪かったのでしょうか。でもまあ平常運転です。

第二の問題

 東京ビッグサイト駅はゆりかもめの沿線にあり、沿線上の駅には限定のガシャポンがあります。
 私は全8種が出るガシャポンで、一つも持ってはいませんでしたが、1種だけ欲しいのがあったのです。この時点で止めるべきでした。

 そのガシャポンは1回500円。高いですね。
 1回毎の確率は12.5%、まあ8回回せば出るだろうと高を括っていました。8回以内で出る確率は約65%、低くはないですが微妙ですね。
 結果として、9回回して引けませんでした。Nがダブりを交換してくれたので6種類は集まりましたが、目当てのものは出ませんでした。ちなみにNは4回目くらいで私の目当てを引いていて、これが私にとって良くなかったのだと思います。
 私はこういったガシャの類は嫌いで、人一倍、運が悪いと感じることが不快で不愉快になるのです。低い確率が外れることはさほど気になりませんが、高い確率を外した時のストレスには非常に敏感です。9回では約70%で引けます。つまり4500円も使って30%を引いたわけです。敵のぜったいれいどが当たるもんです。
 以降、しばらくは気が立っていて、それをNに煽られてムッとし、いろいろと噛み付いてしまったのが悪かったのでしょうか。でもまあこれも平常運転です。

第三の問題

 新年を迎えました。
 この日はあまり予定がなく、適当に東京タワーの外階段を登る予定でした。今思えばこれも止めておくべきでした。
 Nは高所恐怖症らしく、以前、私が煽ったからとかで一度自力で登ったことがあるようでした。とはいえ、当然慣れたわけではないようで、終始手すりに両手で掴まり、後ろから来る人を気にする余裕も、恥も外聞もなく、喚き散らしながら、なんとか600段を登り切りました。
 勿論メインデッキもダメで、外へは目をやらず、内側の壁にくっついたままでした。
 一番の心当たりはここで、登る途中、外を見るよう仕向けたり、手すりに振動を与えてみたりしてからかったのが悪かったのでしょうか。でもまあ、普段を考えればそれくらいのことは想像に易いと思います。

第四の問題

 最後。東京タワーを出た後、疲れてるので早めに帰るか迷いましたが、行ってみたい所があったのでそちらへ向かうことになりました。帰れば良かったと思います。原宿の竹下通りです。
 最寄りの原宿駅までは行かずに比較的近かった代々木駅から歩くことになりました。なお、荷物は代々木駅のコインロッカーにしまいました。
 竹下通りは私が発案でした。しかし私は方向感覚が鈍いので(地図もあまり得意ではない)、初めての場所はNに道をお願いすることが多く、その時もナチュラルに任せる気でいました。
 いつもながら着いていこうとしたら、「今度はそっちがやってくれ」的なことを言われました。東京タワーの後だったこともあり、既に少々ピリついていて私も疲労などで気乗りせず、結局じゃんけんをして私が案内することになりました。
 「竹下通り」で検索。向きと方向を確認して足を出す。その時、Nに声をかけなかったのが悪かったのでしょうか。しばらくして振り返ると、離れてはいたが一応着いてきてはいるようで、そのまま歩みを進めました。途中、コンビニがあったので入って少し冷やかしてすぐに出ました。
 結局竹下通りを散策して、代々木駅に戻るまで合流することはありませんでした。先に戻ってコインロッカーの前で待っていたNはそっけない態度で、必要最低限の、うーとかあーとか頭を振ったり、まるで原始人に回帰してしまったかのようで、非常に感じが悪かったです。

帰り

 ホモ・サピエンスのような顔のままNは殆ど言葉を発さず、私が駅の改札を入った後、ふとLINEを見ると「またね、楽しかった」など普段は使わない絵文字やスタンプも使って不自然な体裁だけのメッセージを送ってきていました。Nは改札を入っていませんでした。私が「帰らないのか」と聞くと寿司を食いに行くとのこと。拒絶されてるのは明らかだったので、私はそのまま電車で帰りました。私も寿司を食べたかったので、途中下車してその辺の回転寿司で食べて帰りましたとさ。
 それからNからの連絡は一切来なくなりました。ツイッターは普通にやっているようなので生きてはいる様子です。

弁解編

 私の自己紹介が済んだということで、ここからは上述した一見すると一方的な嫌がられポイントに対して、「一方的ではねぇよ」という根拠を述べていきたいと思います。

第一の問題 ~解~

 コミケ入場ミスリード事件。これ自体は私も悪かったです。なので、お互い様ということで手は打ってありました。
 とはいえ、その後もネタにしないという意味ではないです。少なくともこの外泊イベントが終わるまでは、話題にされるくらいは覚悟していてもバチは当たらないと思います。もちろん、責める意図はありません。「蒸し返す」というのは嫌がられる行為ですが、それは忘れた頃に脈絡もなく持ち出すことであり、同じタイムスライス内では適用されないと考えます。
 ですが、それでも「本人が気にしていて嫌がっていたならアウト」というのももっともだとは思います。快不快は理屈ではありませんから。
 ただ、Nからの謝罪は記憶にありません。

第ニの問題 ~解~

 不出ガシャポン騒動。
 とかく完全な運というものは嫌いです。運で勝つのは気持ちがいいですが、負けるのはそれ以上に悔しいのです。
 正直この件に関してはあまり弁解の余地がありません。逆に、その分大したやり取りはしていないと思っています。
 Nに煽られた言葉はたしか「引けなかったくらいで」うんたらかんたら、私が噛み付いた内容といえば「いいよな、引けた奴は」とか「絵師目当てとかムカつく」とかそんなしょうもないことです。
 ちなみにこれは絵師に限りませんが、私は基本的に作品を生み出した本人には興味がありません。創作者にリスペクトはあれど、あくまで評価の対象は創作物であり、ベクトルを創作者に向ける心理が理解できないからです。色眼鏡で作品を見ることは不誠実だと思います。

第三の問題 ~解~

 東京タワー事変。私を鬼畜に思いましたか。どれだけ怖いかなんてわかるわけがないと思いませんか。私は高所恐怖症ではないですから。
 ただ、私は登る前に何度か確認しました。「本当に登れるの?」と。嫌々登るくらいなら私一人の方が良かったので。でも、その度言ってました、「煽られたから」。以前に一人で登ることになった時のようですが、たしかに話はしました。でも内容は覚えていません。何と煽ったのかも教えてくれませんでした。
 嫌ならやめれば良かったのに、勝手に無駄な意地を張って、弱点をむき出しにして、つつかれれば不機嫌になる。さすがに身勝手すぎではないでしょうか。それに私から見て、Nはうるさくもしっかり登ってましたので、「大丈夫そう」でした。
 時間を遡って夜中のこと。Nともんじゃ焼き店で夕飯を済ませ、海沿いで年を越し、歩いてホテルに帰る途中でした。私がGoogleマップで道を確認しながら道路を横断している時でした。突然足に衝撃がはしり、体が前に飛びました。どうやら、横断歩道を逸れて車道の間にある十数センチのコンクリートに躓いたようでした。とっさに受け身をとり、なんとか手の怪我だけに抑えられましたが、出血もあり、しばらくじんじんとした痛みが続きました。
 転んだ時、Nは大笑いしていました。怪我をしたとわかった後も、しばらく笑っていました。心配する素振りを全く見せませんでした。実際、大した怪我ではなかったので心配は無用でしたが、「なんだコイツ」と思うには充分でした。そして、いつか聞いた言葉が「大丈夫そうだったじゃん」でした。
 しかし、自分には都合よく気を遣って欲しかったのでしょうか。Nは彼女ではありません。ただの野郎の悪友です。東京タワーでからかう私に「ぜってぇ殺す」と何度も口汚く宣ってきましたし、その流れでなぜか荷物を持つよう頼まれましたが、登り切るまでちゃんと持ってました。充分、気を遣ってます。

第四の問題 ~解~

 実質代々木駅解散の巻。これに関しては悪かった明確なタイミングがわかりませんし、Nの対応も褒められたものではありません。
 まず、私が声もかけずに歩き出した件は、ただのおふざけです。見失う所に行かなければ問題ありませんし、さっさと追いつけばいいと思います。見失う前に私を見つけていたにも関わらず、そうしなかったということは、既にだいぶフラストレーションが溜まっていたのでしょう。
 私がコンビニに入ったことも、ちゃんと着いてきていればわかったはずです。仮にそうでなかったとしても、まっすぐ歩いてさえいれば、コンビニの前で合流できました。
 私がコンビニを出て後ろを確認した時、Nは横断歩道を渡っており、竹下通り側の道に移っていました。それを見た瞬間に、私もすっかり萎えてしまいました。じゃんけんで決めてまで私にルートを任せたくせに、着いてきていないどころか、知っていたのか自分で調べたのか、別の道を歩いていたことに裏切られた気分でした。
 竹下通りは人が多く、目視でNを探すのは骨が折れそうでした。しかし、先ほどのこともあり、わざわざ連絡を取るテンションでもありませんでした。
 人混みに揉まれていたら、しばらくして「戻る」という連絡がきました。そろそろ合流しようと居場所を聞くと、近くの神社にいるが別に来なくていいだとか、かと思えば道中にあったコンビニにいるとか、挙句の果てに代々木駅で集合とか、完全に避けられてました。
 後は前述した通りです。原始人に退化していました。
 Nが私の行動をどこまで見ていたかわからないので、トリガーは不明ですが、元々かなりのストレスがかかっていて、普段であれば何でもないような私の些細な奇行で嫌気が差したというのが見解です。

どちらの方が悪いか?

 結論からいうと、既に書いたように「お互い様」です。そこに差をつけようとするのは不可能です。おそらく「誰が見ても明らかな差」はないと思われます。であれば、お互いがどの行動に対して、どのくらい嫌な思いをしたかという機微は客観的に評価ができません。程度の話なんてのは、解釈次第でいくらでも引っ繰り返ります。
 例えば、私はこの一連の出来事で多少イライラすることはあっても、Nのようにあからさまに相手に気を遣わせようとする態度はとっていませんし、今もNのように怒ってはいません。そう聞いた時、どう捉えるでしょうか。解釈は2つあると思います。私がそれだけ寛容であるからか、またはNが私を怒らせる程のことをしなかったから、です。
 また、例えば東京タワーでの私の行為と、転んで怪我した私へのNの嘲笑、どちらが相手をより不快にさせたのでしょうか。同じく高所恐怖症の方であれば、問答無用で私が島流しでしょう。ちょっとした怪我程度で、と思うかもしれませんが、不注意とはいえ負傷した人に対して、心配する素振りを全く見せずただ笑っていただけの人が、東京タワーでまるでリハビリの手伝いのように丁重に扱ってもらえると思っている方が虫が良すぎます。
 あくまでも条件は同じなので「お互い様」です。ただし、それは“代々木駅で合流するところまで”であることは忘れないでください。

実は初めてではない

 私が親しい友人に避けられることになったのは2回目です。最初は高校生の頃でNとは別の人です。数年、連絡を取ることも会うこともありませんでしたが、今は既に和解しています。完全に元通りというわけではないですが、たまに遊びに行く程度には仲は回復しています。
 共通点は、相手の機嫌が良くない時に、私が普段通りのおふざけをしたことです。いつもなら普通に許せたことが、許せなくなっただけのことです。
 私は人に対して怒りを覚えることは殆どありません。大抵のことは許してしまえるので、逆に他人の怒りに疎いという点は否定できません。お互いがどんな人でどんな仲か、既に理解しているはずなのに、なぜわざわざ関係を悪くするのかが不思議です。そこで、認識を改める必要があることに気づいたのです。

嫌いになる理由

 理由は2つ考えられます。
 1つは「期待を裏切られたから」です。期待は期待でも「過度な期待」です。「まさかあんな人だとは思わなかった」という類のものです。
 ガシャポンを例にあげると、Nには前から私がガシャが嫌いなことは伝えてありました。そして、不運にも今回欲しいものがあり、不運にもそれが出なかったことで、「まさかここまで機嫌を損ねるとは思わなかった」という結果を招いたわけです。
 そういう意味では、私の方にも「まさか今更こんなことでキレるとは思わなかった」という期待があったのかもしれませんね。

 もう1つは「既にあまり好きではなくなっていたから」です。悲しいかな、最初は良くてもだんだん嫌になってきてしまうことはあります。これの質が悪い部分は、本人も気づかないうちに進行してしまう点であり、あるタイミングで突然、無理になります。また、ふと冷静になった時に「なんとなく遊んでたけど、楽しくないな」となることもあります。
 なので今回も、当日より前からそういう節があったとも考えられます。もしかしたら私もそうなのかもしれません。まあ当日に与えたダメージが圧倒的だった可能性が高いですが……。

おわりに

 この後Nへの愚痴を長々と語る予定でしたが、書いていたら私の人生観の話に変わり、非常に冗長的で趣旨も外れ、何より途中で飽きてしまったので一旦ここで終わります。気が向けば別で記事にするかもしれません。
 とはいえ、愚痴以外は大体まとめられましたので満足しています。

 え、仲直りの予定ですか? 私の見解では、Nは人間関係を消耗品のように扱うので、一度嫌になった相手とは基本的に向き合おうとしないと思います。そういうわけで、私からは特に何かをする予定はないです。
 癇癪起こしている人間に対して周りがどれだけ気を遣っているのか、自分がどれだけ譲歩されているか、Nはもっと顧みるべきでしょう。

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