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【旅打ち番外編】台湾旅行(後編)_2023年2月

思いがけず長くなってしまった台湾旅行記の後編です。

前編はコチラ↓ですが、この後編と共にページトップのnote公式マガジンに入れて下さいました。ありがとうございます!


2日目/2023年2月10日(金)

林森北路

この日、テレビの天気予報では晴マークもついていますが、失礼ながら台北の天気予報は少々アテになりません。空はどんよりとしており、駐在時代に培った勘が錆びれていなければ今日は雨が降りそうな気がします。

ここで、台北で住んだことにより身に着いた習慣の一つが、折りたたみ傘を常にカバンの中に入れておくことです。天気予報の正確さが高い日本においても「晴ときどき曇り」の予報だったら折りたたみ傘を持っていくぐらいですので、ここ台北においては「終日快晴」の予報でもカバンの中に傘を入れておくことはワタシにとって必須の作業です。

・・・と話がやや脱線してしまいましたが、今回の宿は素泊まりですので朝食を摂りに外へ出ます。

台湾の朝食と言えば豆漿&油條やお粥、蛋餅などが人気を博していますが、正直ワタシにとってそれらは全てあまり好きではありません。特に「病気の時に食べるもの」という意識が染みついているお粥が苦手です。味のついている広東粥なら好きで、香港に行った時などはむしろ進んで食べにいくのですが・・・。

それでも今回は久しぶりの台湾旅行だし食ってみるかとホテル周辺の店の前まで行きましたが、やはり実物を見るとなんか食欲が減退してしまいました。結局コンビニでサンドイッチを買い、一旦ホテルに戻っての朝食としました。

ジョージア派なので、これが台湾でも普通に飲めるのが嬉しいです

今回の訪台において絶対に行きたいところが一か所だけあり、今日はそこに行こうと思いますが、その前にまずはホテル周辺の「林森北路」と称される歓楽街を散歩します。

林森北路とは道路の名前の一つですが、そこを南北軸として東西に広がる飲食店街の総称(通称)でもあり、特に日本式居酒屋が多く軒を構えていることから台湾在住日本人、その中でも特に駐在員にとっては切っても切り離せない存在です。

詳しくは上記リンク先・Wikipedia記事をご覧頂きたいのですがそれと同時に、この街の歴史については台湾在住日本人の間でそのお名前を知らない人はいないであろう、片倉佳史さんの記事もぜひご覧頂きたいと思います。

歴史的背景もあって、この街はいまでも日本人を主要なターゲット顧客とした飲食店が多々あるんですよね。この点においても林森北路は実に興味深い街です。

それでこの林森北路、駐在員同士で飲みに行くとなればここへ来るのがほぼ一択ですし、単身・独身で台湾に来ている人にとってもここで夕食を摂るのが定番となっており、ワタシも駐在時代は大変お世話になりました。

まぁこの街のウリはスナックやラウンジなど、いわゆる接待を伴う飲食店でもあるのですがそこは皆さまのご想像にお任せするとして、今日は昔を思い出しながら林森北路のあちこちを歩いてみます。

親の顔より見慣れた?この交差点からの景色…
こんな感じで日本料理屋や居酒屋がたくさんあります。
ちなみにこの店は老舗の名店。確か冬はてっちりが食べれたかと。
ワタシはこの十條通を専門?としており…
昔はRainbowという名前のラウンジで、ここによく行っていました
矢印のところに「麺太郎」という名前ながらラーメンがマズい店があり、
何故かよく行っていました。もう無くなっていたのが寂しい…
台湾料理と言えば「青葉」。シメで食べる担仔麺が好きでした。
一時期閉店していたようですが、復活していて何よりです
ここもよく行った居酒屋「しる一」。釜飯が絶品です

とまぁ、林森北路はこんな感じで。

ワタシの駐在当時からあった、あまりにも怪しすぎて入れなかった店も数多く残っているようであり、例の感染症に翻弄されながらもしぶとく生き残っている店の姿になんだか勇気付けられました。

国立台湾博物館鉄道部園区で鉄分補給

昔を色々と懐かしんだ後、次は今回の訪台のもう一つの主目的である国立台湾博物館鉄道部園区へと向かいます。林森北路から歩けないこともないですが、運賃が安いので一駅だけですがMRT松山線で中山→北門へと移動します。

北門駅構内には何やらこんな遺構展示があります
清朝時代の道路と日本統治時代の下水道の遺構です
遺構はこんな感じで

駅から地上に上がると、第一級古積である北門とその左奥にある台北郵便局(第三級古積)を目にすることができます。

北門は清朝時代の台北府城にあった5つの門のうち唯一当時の姿のままで現存している門(1884年完成)で大変歴史的価値のあるものとなっていますし、台北郵便局も日本統治時代の1930年に竣工した歴史のある建物です。

そのような歴史的建造物を右手に見ながら、左に目を向けるとあるのが国立台湾博物館鉄道部園区です。

この建物も1914年竣工の第三級古積です

ここはもともと台湾総督府交通局鉄道部の庁舎で、ワタシが駐在していた頃からずっと修復・改修作業が行われていてすごく気になっていた場所だったのですが、2020年7月に国立台湾博物館の別館としてオープン。ようやく中に入ることができるようになりました。

ちなみにワタシは「微鉄」レベルの鉄っちゃん(乗り鉄系)ですので、その意味でもすごく来たかった場所でした。

この博物館の入場料は100元で、交通系ICカード・悠遊卡(Easy Card)でも支払いが可能です。

日本語パンフレットも用意されています
昔の建物のこういった廊下がたまりません
大正~昭和初期の建物の重厚且つ荘厳さもたまりません
展示物はまずは台湾の鉄道の歴史から
昔の駅舎が再現されています
左上の時刻表、いつの年代なのかは分かりませんがほぼ10分に1本の高頻度運行です
急行列車・莒光號の内部を再現。割と最近寄りかな?
このジオラマには子供たちが多く集まっていました
タブレット閉塞について。
マニアック過ぎてワタシにはちょっと理解不能ですが…
短冊形の来訪者ノート的なもの。
なんかアホなことを書いている日本人がいますが…(ワタシではない)
当時は工務室だった建物
太平洋戦争中は台湾にも空襲がありましたので、防空壕も設置されています
土産物屋さん

他にも見どころが一杯でしたがさすがに載せきれませんので、詳細は台北ナビさんの記事からどうぞ。

全部観るのに2時間ぐらいはかかったでしょうか。微鉄のワタシにとっては鼻血が出そうなぐらい鉄分を過剰摂取することができました。

台湾と言えば実は駅弁も

博物館を後にして次に向かったのはとりあえず台北駅。徒歩5分ぐらいの距離です。

人生初台湾(1998年?)の時も確かこの角度から撮影。
なんやかんやで台湾では一番感慨深い景色です。

とりあえず来てしまった台北駅。時刻は13時を回っておりお腹が減りました。どこで何を食べようかな?と考えていた時に目に付いたのがこちら。駅弁です。

そういえば台鉄弁当があった!
定番の排骨弁当(80元)
ちなみに四角い紙箱に入った60元の排骨弁当は売り切れでした

構内のベンチにはあちこちで弁当を食っている人がいるので、ワタシもそこに混じって頂きます。そうそう、この味。いつ食べてもウマー!です。

台湾にもなぜ駅弁文化があるかというと言わずもがな、日本統治時代の名残でもありますが、いまこうして写真を改めて見て気付いたことがありました。それは、2枚上の写真:右上の店名英文表記です。

「Taiwan Railway Bento No.1」とありますが、ちょっと前のWeb記事を見てみるとそこでは「TRA No.1 Boxed Lunch Store」となっています。

Boxed LunchではなくあえてBentoとしたところに、なにか歴史・伝統が意識されているものを感じます。これはワタシの勝手で一方的な感じ取り方かも知れませんが、台湾のこういうところが本当に嬉しく、また、尊敬の念を抱いてしまいます。

ところで、同じくその写真の左手に書いてあることも今になって気付きましたが、民国111年(2022年)3月1日より9:30-19:00の間だったら列車の中での喫食が可能になったとのお知らせが出ています。

拡大写真

台湾でも日本同様に列車内で皆さん普通に弁当を食べますので、このご時世でまた一つ以前の姿を取り戻していることも嬉しく感じます。

初めての台北市立動物園

駅弁で腹を満たし、次に向かったのは台北市立動物園。実はココ、駐在時代は一度も行ったことがありませんでした。

そこに特段の理由は無いのですが、あまり動物園には興味が無くなんとなく行きそびれたといった感じでしょうか。そういえば日本でも神戸市立王子動物園にしか行ったことがない気がします。水族館は好きなので割と行くほうなのですが・・・。

しかし、今回の訪台にあたっての下調べで、実は台北市立動物園は規模が大きく見どころが満載とのこと。これはこの機会に行っておかなければ。

台北駅からはMRT淡水信義線で大安駅まで行き、そこから文湖線に乗り換えて終点の動物園駅で下車です。

入場料は60元と安い!
悠遊卡(Easy Card)があれば直接ゲートでの支払が可能です

この動物園には定番のゾウやカバ、ライオン、トラがいますが、やはり目玉はコアラとパンダ。まずは先にその2大スターを観に行きます。

コアラ館
まぁ分かってはいましたけど、寝てばっかりで全く動きません
仕方が無いのでコアラのケツでも
パンダは元気よく動いていたけど、スマホでの撮影はこれが限界

コアラ館・パンダ館ともそれほど混雑している訳ではなく、貴重な姿をはっきりと見ることができましたのでもう満足です(やはり動物に興味無し?)。

あとは鳥や猿やらを見ているとやはり雨が降り出してきました。折りたたみ傘の出番ですが、降雨のせいで動物たちはみな引っ込んでしまったようで、土管の中で気だるそうに雨宿りしているチンパンジーぐらいしか見所のあるものがいません。

何もいないゾウ園
殆どバックヤードに撤収してしまった「フラッグシップ」級の動物たち

・・・雨の動物園は寂しいものとなってしまいましたが仕方がありません。夕暮れも迫ってきましたので一旦ホテルに撤収しようかと思います。

夜市訪問は中止

夕刻に一旦ホテルに撤収。今夜は士林夜市で夕食を摂ろうかと思っていましたが、雨は降り続いたままです。あーあ、なんか少々面倒臭くなってきた・・・。

まぁ巨大チキンカツや屋台系スイーツにはあまり興味が無いですし、夜市で食べようと思っていた炒飯などもこのホテル近辺で食べようと思えば食べられるもの。それよりも傘を差しながらあの人混みを歩くのが億劫ですので、結局この日の夕食は前夜に続いて同じ店での牛肉麺にしました。

初日の写真の使い回しで大変恐縮です

牛肉麺を食べた後はコンビニでビールを買い、台湾名物?の科学麺をツマミにしながらまったりと部屋飲み。この日は普段手を出さない船橋・笠松ぐらいしか競馬はやっていませんので、今宵はしばし競馬のことは忘れましょう。。。

台湾版ベ○ースターラーメンの科学麺(10元)、大好きなんです

3日目/2023年2月11日(土)

最後はやはりフライト遅延で帰国

今日は14:20発のCI172便で帰国する日です。昼食は空港でゆっくりと摂ることにしていますし、午前中何かをやるには中途半端な時間ですので10時半までホテルでゆっくりと。中山駅からMRT淡水信義線で台北駅に行き、そこからMRT空港線で台湾桃園国際空港へと向かいます。

これから帰るという時に無駄に好天

桃園空港第2ターミナルに着いたのは12時過ぎ。昼食を摂ったりしていたらちょうどいい時間でしょう・・・と、ここでスマホにはチャイナエアラインからのメッセージが。

「出発時刻を14:20から15:10に変更します」

ワタシ個人の印象ですが遅刻常習犯気味のチャイナエアライン、やってくれました。15:10って言うけど実際はもう30分遅れるな、こりゃ。それにしてももっと早く連絡せんかい!それなら台北市内で昼食を摂ることも考えたのに・・・。

とまぁこれ以上悪態ついても仕方が無いので、出国審査後のエリアでゆっくりと昼食を摂ることにします。

ワンタン麺(確か280元だったような)!

中華圏のワンタン麺、なんでこんなに美味しいのでしょう。香港や広州で食べられる汁無しの海老プリプリのワンタン麺もウマいですが、この台湾のものも絶品です。そういえば今回麺ばかり食ってる気もするけど・・・。

あとは出発までチャイナエアラインのラウンジでゆっくりと過ごし、飛行機はやはりさらに遅れて16:00の出発となり1時間半遅れで関西空港に到着。今回の旅は無事に終了しました。楽しかったぞ!


最後は強引に競馬を絡めて締め

今回は特別な用事というか目的があって、そしてそれを早々に満たした後はあまり特別ではないというか駐在時代の延長のような形で歩き回った台湾。

今となっては、折角の機会なんだからもうちょっと特別なことをやっておけば良かったのでは?という思いもありますが、一方で過去に見たり感じたことをもう一度経験しておきたかったというか、とにかく良い思い出しかない台湾のことを、特にこのご時世だからこそ実は結構変わってしまっていることで上書きしたくなかったというか、なんかそんな様々な「特別」の間で知らず知らずのうちに自分なりの折り合いを付けようとしていたのが、今回の旅だったのではないかと思います。

このご時世だからこその特別感、あるいは変わってしまったことは、今回ワタシには見えていなかった、あるいはあえて見ようとしなかったのかも知れませんね。いや、きっとそうなんだと思います。

でもそれが自分にとってマイナスになることかと言えば別にそうではないと思いますし、台湾で暮らした日々があったからこそあるのが今の自分。

実は台湾駐在の間に競馬から離れてしまったというか忘れてしまったところがあり、今もなおそのロスを完全に取り戻せていないことをもどかしく思ったりもしているのですが、だからこそそれを取り戻そうといま力を入れているのが競馬であり、それにより今の自分の暮らしには張り合いも生まれています。

また、元来の韓国推しというか、大学で韓国語を学んだというバックグラウンドと相まって最近そのウォッチに力を入れている韓国競馬という、自分の中での新たな広がりもあります。

なんでいま韓国競馬にそんなに注目しているのだろうと常々思ったりもしているのですが、それはきっと自分が台湾と出会って得た/失ったものとも関連しているんだろうなぁと気付かされたのが今回の旅でもあったのでしょう。海外畑と趣味・競馬の融合、というところでしょうか。

よってその意味から、今回は「旅打ち番外編」としての記事化をして良かったと勝手に自画自賛しつつ、ワタシのnote記事の基本テーマはあくまでも「競馬」ですので、かくの如く最後は強引に競馬に絡めて筆を置くことといたします(なんじゃそりゃ)。

以上、前編も含めて長い記事になってしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございました。

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