健診で「様子をみましょう」と言われてしまう現状を変えたい:本が出ました
ことばの発達の本が出ました
こんにちは。
言語聴覚士のなな先生こと、寺田奈々です。
このたび、小学館様より初めての書籍が発刊されました。
『子どもとのコミュニケーションがどんどん増える!
0~4歳 ことばをひきだす親子あそび』
著・寺田奈々 イラスト・beth 発売日・2022年4月20日(小学館)
お子さんのことばを育むあそびを100個集めました
0歳・1歳・1歳半・2歳・3歳の各ステージで、言語聴覚士ということばの専門家だからこそおすすめしたいお子さんのことばをひきだすあそびを計100個集めました。
い〜〜〜っぱいあそびを紹介しています!
この本を通して、私はお子さんのことばの発達には順序や流れがある、ということを伝えたいと思い書きました。
ひとつひとつの遊びはシンプルで、こんなことでいいの?と思うものもあり、この活動もことばに関係あるんだ〜!といろんな気づきを得てもらえるのではと思います。
読んだ人が、お子さんと楽しくあそびながら、いつのまにかことばの発達について詳しくなっている、を目指して書きました。
特上にかわいい挿絵
まず、可愛い挿絵! 「〜自閉症児ハルと家族の〜特上の日常」というブログでまんがを描いているbethさんというイラストレーターさんにイラストをお願いしました。
ご家族とお子さんのようすが活き活きと描かれていて、世代や性別にかかわらず楽しめる柔らかい絵柄で、子どもを見守る大人の表情がとても素敵だなと思い、いつかお仕事でご一緒できたらいいなと以前から思っていました。
bethさんにはお忙しい中、とてもたくさんの点数の制作(100点以上!)を引き受けてくださり、とても感謝しています。制作期間中にコロナにもかかったとか…(大変そうでした)。
紙面の工夫
遊びの紹介ページはこんなふうに構成しました。
解説、イラストのほかに、
のパーツを組み込みました!
せっかく読んでくださる方には読んでおトク感をめいっぱい感じてほしいな!ということ、そして、「できた・できなかった」で終わりにせず、ぜひ柔軟に、目の前のお子さんに合わせてアレンジして楽しめると感じてもらえたら・・・!試行錯誤を張り巡らせました。
私がふだん臨床現場でお子さんに接している、場面そのものです!
よくばり盛り盛りでパーツを増やしたので、編集さんとライターさんがめちゃめちゃ大変でした・・・。
さいごに、この本にかける想い
昨今では、幼児教育や知育ブームにて、お子さんの発達を伸ばす考え方や取り組みについてさまざまな情報が手に入るようになりました。
ところが、そうしたものを読み解いていくと、ことばの発達は自然と伸びていく前提になっており、ことばが使いこなせている前提のプラスアルファだったり、数字や文字が理解できる前提でのさらなる能力の伸ばし方だったりが書かれていることがあります。
そうした本もとても面白く、勉強になるものではありますが、意外にも、最初期の初期、0から4歳のことばをまだお話ししないお子さん・ことばをお話しはじめのお子さんがどのようにことばを獲得していくか、について、一般の人が楽しくわかりやすく学べる本はまだ少ないのが現状であります。
「もう少し様子をみましょう」のほかに、もう一言
1歳半健診や3歳児健診では、「もう少し様子をみましょう」と言われてしまうことがほんとうによくあります。様子をみるって具体的になにかしなくてもいいの!?と焦る余りに、インターネットで「1歳 話さない」「2歳 言葉」「3歳 2語文」などと検索を繰り返し続ける親御さんがとても多いです。
不安を感じているときに具体的なアクションが見つからない、無力感はいかほどのものでしょうか。
そうした現状を変えたくて、この本を書きました。
目の前のお子さんのことばの発達について、いちばん大切なのは、「◯歳で〇〇ができる」という知識ではありません。まるで合格・不合格があるテストのように、「できる・できない」を数えていくだけでは、手立ては見えてこず、ただ不安が募るだけ、という状況におちいってしまいます。
大切なのは、「いま現在、どこにいるのか」「次の発達段階は?」の大きな発達の流れを知り、今できていることが何につながっていくのかを知ることではないでしょうか。
この本でお伝えしたい、いちばんのテーマとなります。
それでは、『0~4歳 ことばをひきだす親子あそび』どうぞよろしくお願いいたします。
Voicy でも本のことをお話しています
書籍発売!『0〜4歳 ことばをひきだす親子あそび』
健診で「様子をみましょう」と言われる、その先の手立てを知りたい方に向けた本を書きました
紹介文
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