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アベンジャーズ/エンドゲームの感想(超ネタバレあり)その1

一回目はT-JOY京都にて鑑賞。

上映時間3時間越えの為、どこの映画館も大体20時位の早いレイトしかなくて「初日に観たいけど仕事終わりに行くのが厳しい、、、」という結論になり、23時からの深夜レイトをやってるT-JOY一択になった。まぁでもその時間でも満員だったのはさすがだと思った。
お客さんも国籍様々で緊張感が半端なくてかなりピリピリしてたなぁ、、、。

鑑賞後にまず思ったのは「MCUを好きになって本当に良かった」だった。

そして今作を手掛けた製作陣だけではなく、これまでMCU作品に関わってきた全ての作り手に対して感謝の気持ちしかない。

一本の映画としては前作「インフィニティ・ウォー」の方が優れているかもしれない。だけどこれまで全ての作品を追いかけMCUの世界に夢中になった人間にとっては冷静に一本の映画として観る事なんて出来ないのではないかと思う。僕らの生活とほぼ同じ時間軸で成長してきた初期メンバーヒーロー達がそれぞれが選んだ最後に涙が止まらなかった。

IW後のパート

チーム内で醜い喧嘩をして、サノスが全てを終わらせたと知って取る行動が寄ってたかって拷問して怒りのままに殺すという全然ヒーローと呼べるものじゃない。
ここは前回から引き続きサノスの目線で語られている感じがした。やりたい事をやり終え、一切の後悔など無くもう1人の娘に詫びながら死んでいく。ここでIWで印象的に使われた「サノス愛のテーマ」(勝手にそう呼んでる)の曲が流れながらシーンは終わる。つまりIWの後日談はここで彼のある意味ハッピーエンドで決着。

それから5年の月日が流れ、それぞれのヒーロー達がどういう生き方をしてるかが興味深い。なんとか取り戻そうと抗うメンバー、荒みきっているメンバー、もう受け入れ前に進む事を決めたメンバーなど色々。

ヒーロー達は敗北って言ってるけど、一般市民の視線から考えればマジでどうする事も出来ない宇宙規模の震災と言う感じで、世界中の誰もが愛する人を亡くした状態でも生活を続けてる様子は日本人的に東日本大震災後の生活感にも通じる気がした。

その一般市民代表で悲しみをキャップに打ち明けるキャラクターがジョー・ルッソ監督本人が演じているのも面白い(また演技めちゃくちゃ上手いんだよなぁ)現実と地続きの絶望にフィクションで描ける希望をヒーローに託してる様にも見えた。

タイムトラベルパート

そこからスコット・ラングがネズミのおかげで量子世界から生還する事で話は動いていく。ここで生還後キャシーにまず会いに行って抱き合う所、娘が大きくなった事への戸惑いと生き残ってくれた喜びを同時に表情の変化で見せるポール・ラッドの演技が素晴らしい。

タイム泥棒計画の為、キャップと社長との仲直りでアベンジャーズも完全復活。長い時間経過もありお互いもうあんまり怒ってなくて必要以上にベタベタしないのがいい。

ここからアベンジャーズが再び集結するんだけど、彼ら自身がこれまでのそれぞれの闘いの内容を共有していく作業が、MCUファンとしての記憶とも重なりしみじみ感動してしまう。

作戦会議が終了して「3チームに分かれるぞ」の所からアベンジャーズのテーマ曲が流れ出すのが最高に熱い。
この映画で高らかにメインテーマが流れるのは大体3箇所で、他の2箇所は最初のタイトルが出るタイミングとラストのアッセンブルのシーン。
アッセンブルで流れるのは当然として、最初のタイトルの所は軽くミスリードになっている。

キャップの「ヤツの息の根を止めよう」のセリフの後にタイトルと共に流れてここからアベンジだぜ!とテンションが上がるんだけど、そこからサノスの所に乗り込みさらに深い絶望を味わい何も出来ず完全敗北をしてアベンジャーズはヒーローじゃなくなる。
ここの2回目はそこからの「俺らまだやれる事があるじゃん!」という復活の喜びと、先程のカチコミシーンと違い誰かを殺したり傷つけたりするのが目的じゃない、あくまで希望を取り戻す為にヒーローの資格を取り戻した瞬間!キャップの演説が重なりながら色々あったけど信頼を取り戻したメンバー同士の視線の交わし合いが泣かせるんだよなぁ。本当演出が鬼の様に上手い。

そしていよいよタイムトラベルシーンへ突入。バックトゥザフューチャー2の影響とかが色濃いのだけど、しかしMCUは10年の重みを使ってやるんだから凄い。
またここで出てくる俳優もサプライズたっぷりで、シリーズ単品だからこそそれっきりで出た筈の豪華キャストまで呼び戻して撮影してるんだからMCUやっぱ半端ない。
ロバート・レッドフォードとティルダ・スウィントンは本当ビックリした。

エーシェント・ワンはこの後ドクター・ストレンジが魔術師になる事を分かっていて、世界を守っていたという説明がされていて彼女のキャラクターに深みが出たし、そして経緯を話すだけでタイムストーンをハルクに渡すと信じているストレンジの亡くなった師匠に対する信頼もとても良かった。

ソーとトニーに関しては過去自分に大きい影響を与えた人物と再会する事で敗北によって傷ついた5年間を取り戻す作業にもなっているのが良いなぁと思う。

ここで2014年版のサノスが勘付く展開はちょっと飲み込みづらかったりするのだけど、「ラスボスの配置の仕方そうくるのかー!」って驚きと巧みさには唸ってしまう。

最終決戦パート

やっと石を集めてハルクが指鳴らした直後にサノスが巨大な艦隊ごとタイムスリップしてくる。

初戦のBIG3とサノスとの闘い。IWと違う点としてサノスがガントレット持ってないので前回より弱いのだけど斬馬刀を使ったアクションが豪快で新鮮。
こちら側も前回の最強戦力だったソーが身体がなまり過ぎてあんまり強くないし、ソー程じゃないにしてもキャップも社長もこの5年間ロクに敵と戦ってなかったのもあり全盛期のサノス相手だと分が悪そう。

しかしここで魂の崇高さがピークを迎えたキャップがムジョルニアを使いこなし猛攻というサプライズに「おぉお!」って思わず声が出た。(両隣の席の人も出てた)エイジ・オブ・ウルトロンのあんな馬鹿みたいなシーンの伏線回収とコミックのこれ⇩を完全再現してるのに燃えた。

しかし肉体的には人間なのでサノスと渡り合うのにも限界が来てぶっ飛ばされる。

ここでサノス側が凄い大軍で降りてくるんだけど、「IW」のマーベルロゴに合わせてアスガルド人を虐殺していたシーンの重低音の曲が流れてくるのが凄まじく不吉で暴力的(「ボーダーライン」のテーマ曲にちょっと似てる)

ここからキャップが立ち上がって盾のベルト締め直す所でまた泣くし、そこからだんだんと仲間達が集まってくる所でほぼ嗚咽。
また集まってくるメンバーの見せ方も順番も見事で最後のジャイアントマンのドッカーンからの、今までのシリーズで言いそうで言わず溜めていた「アベンジャーズ!アッセンブル!」の流れ!

この瞬間の興奮の為に僕らはずっと付いてきたのだと改めて。
深夜レイトで満席の状態で観たのだけどやっぱどんな仕事が忙しかろうが何としても初日に観たい精鋭達の集まりなので、あちこちからズルズル鼻をすする音が聞こえてきて劇場環境的にも泣けてしょうがなかった。(ここでのサノスの「え?こんなにいるの?」?って顔とか最高) 

そこからの大乱戦シーンもずっと幸せで、細かい所で言うと「シビルウォー」の集団戦の時クリントが自己紹介して「知るか」と無視してたティチャラが彼の名前を呼んで俺に任せろ!というシーンとか、「スパイダーマンHC」で使われなかった即死モードの容赦なさとか、「アントマン&ワスプ」であんだけ馬鹿にしてた「キャップ」って呼び名をワスプが言うシーンの熱さとか、他の作品でしか使われなかった要素がサラッと出るのも「観ていて良かったー!」 ってなる。

決着の仕方も見事。最後は物語の原点であるアイアンマンのセリフで終わる。

ここら辺でちょっと気になったのは2014年版サノスが生命を半数減らすのではなく、もう宇宙を一からやり直し起こる事を全て受け入れる生命しかいない世界に作り変える計画に変えた事(たしかそんな感じだったと思うけど間違っていたらすみません)。

インフィニティ・ウォーでのサノスはある意味今の世界を愛しているからこそ良くする為に生命の数を半分する対策を取ったと思っていたので、「もうお前らみたいのがいるとダメだから全部ぶっ壊してやり直しにする」って本末転倒に感じた。
前作に感じた彼の狂気の中に滲み出ていた人間性の深みが消えて、単なる悪役になってる気がして正直どうなんだろうとは思った。

しかも石揃った状態のガントレットがあるし、5年も準備してきた連中なんだぞ!いくら大量の軍隊いるからって大した策も考えず本拠地に突っ込んでいくのはアベンジャーズを舐めすぎな気もして「サノス何やってんだよ!」と思う。

ただラストのエボニー・マウのフラフラ消えてく感じとかプロキシマ・ミッドナイトが死んだ恋人(?)のコーヴァス・グレイヴを抱きかかえながら消えてくのとか、かなり気の毒。彼らはサノスに取っては家族だった訳だしアベンジャーズが受けた悲しみをそのまま味わって死んでいく感じで少し可哀そうなんだけど、サノス自身はこの喪失で最後に失った人間性を取り戻した気もして、なんとも言えない切なさがあった。

それぞれの物語の決着

決戦後のシーンも素晴らしいものばかりだった。ドクターストレンジ、ブラックパンサー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ファルコン、ウィンターソルジャー、など続編が決まっているキャラクター達には次の物語への期待を残しつつ、初期メンバーに関しては見事な最期を描けている。

個人的に気になっていた二代目キャップはバッキーかファルコンどっちなんだろかという部分なんだけどまぁファルコンだった。
というかタイムスリップする前にバッキーは全て分かってるのが泣かせる。やはり盾を継承するのは今の時代の人間がやるべきと背中を押すバッキーの顔が切ないし、願わくば今後彼にも優しい最期が来るといいなぁと思う。

社長の葬式、ラストカットのキャップとかの号泣演出の感想に関しては「その2」で書きます。

それとやっぱりこないだ亡くなったスタン・リーの事を思い出す。「スパイダーバース」でラストに「ありがとう、僕たちは1人じゃないと教えてくれて」って言葉が出るんだけどMCUもまさにその精神性で繋がってるシリーズだし、今回最後のカメオ出演シーンでも泣いた。

もちろん「キャプテンアメリカFA」からずっと脚本を書いていたクリストファー・マルクス& スティーヴン・マクフィーリーのコンビと「キャプテンアメリカWS」から監督としてMCUの中心にいたルッソ兄弟、この4人に対しては感謝しかない。
MCUを卒業するのは悲しいけど、今後ルッソ兄弟の制作会社でもこの布陣で新しい映画を作り続けるみたいだしそちらも楽しみ。
まあケヴィン・ファイギはまた新たな才能の監督をまた発掘してくるだろうしきっと大丈夫。

という訳で書いていたらキリが無い位、色んな思いがあるのだけど、こんな見事な最期を観る事が出来て本当に良かった、そしてもちろんこれからも追いかけ続けるよ。

楽しい時間をありがとう!これからもよろしく!MCU!

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