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ハッピー・デス・デイ 2U の感想(ネタバレあり)

出町座で鑑賞。一作目が面白かったので続けて観た。ほぼさっきと同じお客さん。

前作が一回きりのアイデアに溢れていた傑作だっただけにどうするのか気になっていたけど、次々とまさかの新要素をぶち込んで違った味わいで見事に面白く成立させていて驚いた。

まず掴みから最高で前作でほとんど活躍がなかったルームメイトのライアン君の目線から始まり、1のツリーと同じようなカメラワークで彼が道を歩いてツリーのいる部屋まで行って追い出される展開。
要は観ているこちらからすれば「え!?今回主人公こいつなの!!??」と思う様ミスリードをしている。

そして予想通り彼が殺されてループしちゃうんだけど、あっという間にツリーが気づいて協力体制に。

ここからビックリしたのは何故、前作でタイムループしたのか?という謎を判明させた所。
なんとライアン達の研究装置でタイムループ現象が起こっていた。
この辺の説明を聞いても、びたいち納得出来ないし、なんでライアンが2人いたのかもよく分からなかったのだけど、この辺の考証はどうでも良くてこの後出てくるマルチバース設定へのお膳立て。

今回の続編でやりたいのは、似てるけどちょっと違う世界でのタイムループ。

これが本当考えられていて今回のメインミッションはタイムループを閉じるために主人公が暗記しては自殺を繰り返すという、前回とは全く違う意味合いのループになっている。

ここで唸るのが彼女の乗り越えるべき葛藤として、この世界では母親が生きているという事。
なんだかんだ前作で死に過ぎることで肝が据わってしまったし、かなり達観した存在になっていて、ここから成長させるのは難しいのでは?と思っていたけど、彼女が愛してやまない母親と一緒に暮らす生き方が選べる地獄の様な誘惑を設定。
これがすごいのはちょっとちがうマルチバース世界なので、そっちを選択した所で別に何の罪もないし母親もほとんど本物である所。

しかし自分の人生とは何か考える彼女の選択の背中を押す存在も母親であるのもドラマとして見事で泣いてしまった。

だけど、まあそんな良い話で終わるはずもなく殺人鬼がいる設定は前作から引き続いている事が判明。しかも前作の犯人のロリちゃんはいい娘になってて今回の殺人鬼とは無関係!つまり今回はタイムループを閉じるのと新たな殺人鬼探しの2つのミッションをクリアしないといけない!大変!

ツッコミ所は前回より増えたと思う。
タイムスリップ設定はグチャグチャなのであんまり深く考えないとして、1番気になったのは身体へのダメージ設定。
前回のダメージに上乗せになっていると思うんだけど最早お腹押さえるだけで平気そうな気がしてきた。
前作の感想から引き続き刃牙で例えるけど、いくら死んでもリセットされれば所詮想像の死だしオーガなら「 想像はあくまで想像 実物の子犬にも劣るシロモノよ」ってエフエフ笑いそう。だから多分大丈夫。

あと今回の犯人の動機がよく分からなかった。
前回ツリーと浮気してた医者なのだけど、奥さんにバレそうだからこっちの世界の浮気相手であるロリちゃんを消そうとしてるんだと思ったら、奥さんは知ってて2人で浮気相手を消そうとしてた。何の為に?
そしてそこから医者が協力関係の奥さんも殺すんだけどちょっとこの犯人が何がしたいのか飲み込み辛い。もう一回観たら分かるかな、、、

まあ次々と色んな展開がぶち込まれてくるので、観てる間はそんな欠点とかは気にしてる暇ない。
何より続編の作り方が画期的で続編映画史に残る見事な作品だと思う。
面白かった!


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