見出し画像

ラスト・ムービースターの感想(ネタバレあり)

出町座で鑑賞。パンフレット買おうとしたら「ポストカードもどうですか?」と言われ買っちゃった。こういう勧められ方を売店コーナーでされた事が無かったけど、この商法されるとパンフレット以外のグッズも俺はあっさり買ってしまう人間だ。(とても良いデザインのポストカードなので満足してます)

画像1

主演俳優の遺作というだけで、ちょっと評価を良くしてしまいがちなのだけど、今作はちょっと次元が違う素晴らしさだと思う。

自分は俳優として凄かったという自信もあるのだけど自分の人生を振り返った時に、凄い俳優になったからこそ台無しにしてきた事に折り合いをつけていくお話。

画像2

こんだけおじいちゃんになっても美女とのセックスの思い出を引っ張り出したり、酒に依存したりしているのが、後から振り返ると一番大切だった妻や亡くした娘のトラウマから逃げるためでもあったというのが分かるので、ラストに妻にもう一度プロポーズするシーンは泣く。
またそこのシーンで同時に映画ファンに対しての愛に満ちたスピーチが一緒に描かれるのが最高に好き。
本人からすれば今やたった一人で生きているのは映画スターの道を選んでしまった事でもあるので、複雑な想いを抱いているのだけど、それを再び肯定して、自分の映画を愛してくれたファンに敬意を示す事で、これからを生きていく事を決意する。とても美しい終わり方。

画像3

それと主人公はこないだ観たワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの登場人物達と同じ時代を生きてきた人で、あそこに出てたら勝ち組も勝ち組の人なのに時代が変わるとこんな感じなのかというのが切ない。
しかしあの映画祭を15回位やった辺りでリック・ダルトン特集上映もありそう、そして呼ばれて本人ウッカリ来そう。

もちろん僕の様な人間はやはりあの映画祭を主催した映画オタクの目線になってしまう。
あんなおじいちゃんになった俳優を騙す様な手紙を出すのはダメだけど、彼らの映画に対するリスペクトは本物だし、あんな場所で開かれる映画祭だからこそ仲間感がして愛おしい。

画像4

バート・レイノルズとアリエル・ウィンターとのコンビも凄くグッとくる。最初の心が通わない所から徐々に打ち解けていく感じが素敵だし、彼からすれば娘と心が通じる事が叶わなかった想いの供養にもなっているのが切なくなる。
彼のアドバイスで彼女が自分を表現していく道を選ぶのも、お互いがお互いの人生に影響し合っているのが分かってとても感動した。        しかしアリエル・ウィンターのムチムチした可愛さは最近のハリウッド女優で他に見つからない逸材だと思うので今後も色んな映画で活躍してほしい。

そんな感じでバート・レイノルズという俳優の知識をほとんど持たない僕でも凄くグッときた。そういえばワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのブルース・ダーンの役が本当はバート・レイノルズの予定だったという話を聞いて、そうなればブラッド・ピットとの共演もより味わい深いシーンになっていたかもなぁとか想像してしまう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?