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ブライトバーン/恐怖の拡散者の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。
大きいスクリーンなのにガラガラ。もうみんなこういうメタアメコミ映画的なアプローチの作品に飽きてきたのかな。

スーパーマンが悪に落ちるという部分の面白みより、78年版スーパーマンを監督したリチャード・ドナー監督のスーパーマンとその一つ前の作品オーメンを合体させている感じが面白かった。
どちらかと言うと今作は完全にホラー映画なので、オーメンをベースにスーパーマン要素をちょこちょこ入れた印象の方が強い。
あんまり起伏も救いもなくラストあっさり悪に目覚めた子供に両親が負けてしまう感じとかはめっちゃオーメン。

バイオレンス表現は無駄に力入っていて笑った。目玉にガラスからの視界が真っ赤になって相手がどこにいるか分からない!みたいな表現はホラー映画として観たことなかったしフレッシュ。

あと顎が外れて時間差で死ぬというのも初めて観れたのでなんか良かった。

ラストカットの親離れを絵的に表す感じとかは、彼が大人になった高揚感すらある。
意図的なのかは分からないけど、出てくるキャラクターがかなり記号的なので、死んでもあんまり悲しく無いし。

主人公のブランドン。神経質そうな見た目と後半からの死んだ目の演技が素晴らしい。
平気な顔で嘘をつくのだけど、絶対バレるというのが分からない共感能力の低さ、絵に描いたようなサイコパス体現力が上手い。

ただ彼が好きな女の子に対してのアプローチが狂っていて途中まで面白かったのだけど、彼女の母親を消した辺りから全く出なくなったのが消化不良。

最初の狂った性要素が気持ち悪かっただけに「この娘、この後どんなひどい目に合うのだろか、、、」と冷や冷やしていたけど、途中からその要素が全く消えてフェイドアウトしたのには拍子抜け。
彼女の方が彼の好意に嫌々折れるとか、完全に拒絶するとか、やるなら最後まで突き詰めて欲しかった。

あと他の登場人物に関しては本当に薄っぺらい。特に母親はもうちょっと深みがあるキャラクターにして切なさが増すような作品の方が個人的には好み。
あんだけ人が死んでて明らかに怪しい息子の無実を信じて疑わなかったのに旦那が殺されて、あっさり「じゃあ、殺すしかない」って作戦に変わる感じとか、あまりにお話の流れだからっていう感じがし過ぎて物足りない。

全体的には予告見て起こりそうだな、と思ってた事がそのまま起こるし、大人キャラクターも記号的で、非常にあっさりしたホラー映画という印象。主人公のブランドンの魅力以外は正直あんまり書く事ない。

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