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海底47m古代マヤの死の迷宮の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。

4連休中という事で結構入っていた。あと鮫映画は客層バラバラで面白い。

僕の様な映画好きっぽいおじさんや、カップル、中学生っぽいグループなどアトラクション的に楽しみに来ている人が多い印象。

前作海底47mも観ていたけど今回は場所も登場人物も出演鮫も被らないし、もう47mって数字も意味をなしてない感じなので、同じ監督の別の鮫映画と言っていいと思う。

まあ前作と同じ視界が悪い海底で鮫や酸素不足のタイムリミットの恐怖と闘う見せ方は引き続きなのだけど、登場人物の多さ、マヤ文明の遺跡、海底に特化した進化を遂げたホオジロザメの登場など、明らかに色々と要素が多い。


鮫描写

鮫描写の見せ方として的を外さない怖さがあって良かった。視界の悪い中ここぞという所でビクッと驚くタイミングで出てきてかなり怖かったし上手い見せ方の作品だと思う。
それと深海の目の見えない鮫のデザインが凄くカッコ良くて好き。
白目で幽霊の様な佇まいで、ユラーっと主人公の横を一瞬通り過ぎていくファーストカットで思わずゾクッとした。鮫映画にドントブリーズ要素を足したような感じでこの盲目シャークの造形はとてもフレッシュ。
あと鮫映画的にはお馴染みの「頼りになりそうな奴が演説っぽく話しだした瞬間に食べられる」所とかはお約束で笑った。

気になった所

古代マヤ文明の遺跡の中から主人公の彼女がいじめっ子から水に落とされる場面に繋がるオープニングカットが良いし、他人に無理矢理水に落とされていた彼女が、ラスト姉を助ける為に自分の意志で海に飛び込み闘う事を選ぶ所とかは感動がある。ただ前作に比べるとかなり登場人物を増やしたせいで主人公のドラマ描写は結構薄い印象。

あと前作からだし言うのも野暮だけど、潜水マスクを被っていると登場人物の表情とか見にくいよね、、、。正直主要登場人物4人もいると誰が誰だか見分けが付かなかった、、、。
作り手もそれを分かっているので途中のエアポケットの所や、一回陸に上がれそうになって駄目になる所や、ラストのホオジロザメとのタイマンシーンとか、ここぞという場面でマスクを取っているのだけど、そもそも水中だし見にくかった印象。

もちろん潜水で心細い懐中電灯を頼りに視界の悪い海中をおっかなびっくり進んでいくのがこのシリーズの醍醐味で、映画館のスクリーンで観てこそ没入感が増す潜水パニックものの最前線の作品であるのは分かっているのだけど、個人的にはホラー映画とかは役者さんの怖がる表情とかを見るのが好きなのでちょっと好みのタイプの作品じゃなかったかな、、、。

潮の流れがキツイゾーンは正直よく分からない穴に入るより浮いてった方がまだ安全じゃない?と思ったら本当にその通りになって軽くズッコケた。まあパニックになったらそういう事にもなるんだろうけどフィクション映画の語り口的に「次の目的」の提示の仕方があんまり上手くない気がした。

それと盲目シャークはデザイン的には怖いのだけど結局途中から普通の鮫と変わらない感じになってくるのはもったいなかった。盲目だからこそ特化している部分とか、逆に盲目故の弱点とかの描き込みがほぼない。確かに超音波的なので追い払うというシーンはあったけど普通の鮫でも効きそうじゃない?と思えたしもうちょっとなんか工夫が欲しい所。
ラストも盲目シャークじゃなくて普通の餌付けされたサメとの対決になるのがあんまり燃えない。

あと古代マヤ文明要素も見た目の不吉さ以外役割がない感じがした。「崩れて戻れない」とか「狭くて通れない」とか普通の洞窟でも良かったんじゃん、という気がする。ここも人がつくった遺跡だからこそ、こちらに有利になるアイテムが出てくるとか、なんかないのかなぁ、、、。

そんな感じでいい所もあったけど、全体的には普通の鮫映画って感じ。
登場人物に対して感情移入もあんまりしないし、観てる間はそれなりに楽しいけど、観た後1週間以内に頭から消えそうな映画。

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