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ストーリーで語る:秋山楓果著
「ストーリーで語る」秋山楓果著、2022年、CCCメディアハウス発行を読みました。はじめからおわりまで、具体的で簡潔で分かりやすいです。ストーリーを書いていく考え方や方法については、机の手の届くところに置いて何度も読み返しています。ここでは秋山先生がテーマとしている「物語」の基本、ストーリーとは何か、について読書メモを残させていただきました。
ビジネスコミュニケーションの方法には、「情報やデータの羅列で語る」方法と、「体験やエピソードを絡めて語」る方法とがあり、「物語」は後者になります。
事象やコンセプトを伝えようとするとき、情報やデータの羅列で語るよりも、体験やエピソードを絡めて語ったほうが、人の心に残る。
物語は「情景の描写だけ」で魅力を伝えることを目指します。言い換えると、
「誰が見てもイメージできる文章にすること」
そのための基本は、国語でも習い、ニュース記事の原則にもなっている5W1H。いつ(When),どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)したのか。
5W1Hに従って語るというのは、つまりストーリー仕立てで説明するということです。
同じ語りでも、「ナラティブ(narrative)」は主体が自分自身で、「ストーリー(story)」は主体が書き手からみた第三者の主人公となります。つまり「物語」では、
自分でない誰かが中心となって、起承転結が展開されていきます。
同じ5W1Hであっても、ニュース記事は客観的な事実を情報として伝えることが目的ですが、「物語」には読んだ人に伝えたいメッセージがあります。読んだ人が共感できる、考えさせられるような、書き手の想いが大切。
必ず結びに「私なりの視点(私の心境)」を入れるように心掛けてきました。
ストーリーは結論(メッセージ)が結末にあって、そこに向かって収束していくイメージです。
第3章「私は、伝える。サービス業で学んだコミュニケーション」では、秋山先生自身の以前の仕事での体験と学びを、まさに映像・情景が浮かぶようなストーリーとして書かれていてます。ストーリーを書かない人でも、よい仕事をしてキャリアを実現していくうえで、大切なことだと共感しました。
「ストーリー」は、「メッセージ」であり、「コミュニケーション」であるので、必ず相手、受け手がいます。「誰に伝えるのか」が重要であることを、秋山先生の体験談(ストーリー)に裏付けされて、あらためて本書から学びました。
文章を書くときに忘れてはならないと感じていることがあります。それが、
・誰に対して書くか?(Whom)
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