子連れで公共交通機関を利用して移動するご両親にお願いしたいこと

乳幼児連れのご両親というのは大抵は若い方ばかりで、必ずしも公共交通機関を利用した移動の経験が豊富でないかもしれませんので、今までの経験から、こういうことに気をつけると互いのためになるという情報を提供いたします。公共交通機関といってもいろいろありますが、ここでは飛行機や新幹線を利用する長距離の移動を念頭に置いております。

1.子供にも意思があります

かつて子供が安い労働力だった時代には子供を家畜扱いするのが当たり前でしたが、今はそんな時代ではなく、子供は手間とお金のかかる存在です。普段の子育てだけでもかなり大変なことで、その子供を外に連れ出すとなればご両親にとっても一大事でしょう。子供を連れ出せば手間だけでなくお金だってかかります。しかし親にとって大変である以上に子供にとっても大変なのです。その移動は子供が望んでいる移動でしょうか。その移動は子供が同意している移動でしょうか。その移動は本当に必要な移動でしょうか。

あいにく日本ではベビーシッターを気軽に利用できませんし、核家族では親族に子供を預けるのも難しいですし、ましてや昔ほど近所付き合いが濃厚でない時代に近所の他人に子供を預けるのはかなり難しいでしょう。そのためやむを得ず子連れで移動することもありますが、ご両親にとってやむを得ない事情があるしても、子供にとっては本人の意思によらない移動を強いられているということは認識してほしいです。

2.子供の体力に合わせてください

自宅と小学校との間の道のりを大人になってから歩くと、「こんなに近かったっけ」と拍子抜けすることがあります。子供の頃は小学校への通学は毎日が冒険でしたが、同じ道を大人の足で歩けば別にどうということもなかったりします。

裏返せば、大人の足ではどうということのない移動であっても、子供の体力ではかなりの距離だということです。地方の空港ならまだそれほどでもありませんが、羽田や成田や巨大ハブ空港では端から端まで1kmくらい歩くことはざらです。大人が荷物を持って歩いても遠いと感じるくらいですから、子供にとってはとても大変な距離です。自分の意思に反して長い距離を歩かされるならなおさらです。

これを大人の感覚に換算してみると、ある日突然徴兵されて軍隊の中に放り込まれ、一方的に命じられるまま重い荷物を背負わされて見知らぬ土地まで何時間も行軍させられるようなものです。今の時代にそんなことが認められるでしょうか。ましてや自分の大切な子供にそんなひどい仕打ちをしてよいのでしょうか。

空港で見かける子供というのは大抵不機嫌ですが、そんな仕打ちを受けて機嫌が悪くならないはずがありません。兄弟連れだと大抵弟や妹にちょっかいを出して泣かせたりしています。ちょっかいを出すことを責める前に、親の都合で子供をそれくらい欲求不満な状況に追い込んでいるということを認識してほしいです。

子供の体力に合わせて移動するとなると、大人の足ではかなりゆっくりになりますし、別に疲れていないのに頻繁に休憩を取ることになります。その分時間も手間もかかります。しかし子供の体力に合わせるというのはそういうことです。

大空港では乗用カートに乗せてくれるサービスがありますので、利用可能な場所では積極的に活用するとよいでしょう。周囲の乗客にとっても子供が不機嫌で泣き叫んだり暴れたりするよりもましです。昔はサービスを利用する際に人手を介する機会が多かったので、その手のサービスがあることを教えてもらいやすかったのですが、今はネットで予約してオンラインでチェックインして保安検査場や搭乗ゲートでQRコードをかざすだけで済んでしまいますので、子連れ向けのサービスがあることを知らずに親だけでがんばっているケースが散見されます。子連れなら敢えて有人のチェックインカウンターを利用するといろいろ教えてもらえます。子育てはただでさえ大変なのですから、一人で抱え込まずに支援を活用しましょう。

尚、JRにはその手のサービスは一切ありません。せいぜい階段の代わりにエレベーターを利用できるくらいでしょうか。

3.公共交通機関の環境は子供にとって大変なストレスです。自分の意思に反して連れ出されているならなおのこと

公共交通機関がとかく苦痛に満ちた場所であることを公共交通機関の人は表立って認めたくないでしょうが、残念ながら事実です。航空会社の人はよく「安全で快適な空の旅を」と言いますが、それは現場の不断の努力なくして安全で快適な空の旅など実現しえないことの裏返しです。

まず、公共交通機関では見ず知らずの他人と隣合わせになります。これはもちろん大人にとってもストレスです。大人は目的を持って自らの意思で移動していますので他人と乗り合わせることを我慢しますが、普段よその大人と接することのない子供が自らの意思に反して他人だらけの場所に放り込まれることは大変なストレスですし、自分の意思でないため、周囲に配慮して我慢する動機もありません。

子供は見ず知らずの他人に対して社会的に振る舞うことに慣れていません。これは大人にとってもそう簡単なことではなくて、きちんとした学校に通っている人でもそれができるようになるのは高校3年くらいからです。高2と高3とでは全然違います。だからこそ成人年齢が18歳とか20歳に設定されているわけです。

ちなみに米国では成人年齢は21歳で学部生は未成年者扱いで、本人名義でアパートを借りることもできません。だからこそ大学生活は寮生活で、しかも敢えて相部屋です。寮生活を通じて見ず知らずの他人と社交的に過ごすことを学びます。当然飲酒も認められていません。飲酒についてはまだ体ができていないからと説明されていますが、17歳くらいなれば生殖可能年齢で、体はできています。むしろ飲酒しても社会的に振る舞う能力の方が制約になっているように見えます。これは大人でもなかなかできませんので米国では屋外の公共の場での飲酒は禁止されています。唯一の例外はボールパークです。

一人での旅行に慣れた人なら10代から社会的に振る舞うことができますが(車の免許を持たない人が旅に出るとしたら公共交通機関を使うしかありませんし)、あいにく育ちの悪い人は大人になっても社会的に振る舞うことができません。大人でさえなかなかできないことを年端のいかない乳幼児に求めることは無理です。むしろ、そんな年端のいかない乳幼児をそのような場所に連れ出していること自体が大変なことです。自分が子供だった頃に何ができて何ができなかったかを振り返ってみてください。

ではそのような乳幼児が、自らの意思に反して見ず知らずの他人だらけの公共交通機関に放り込まれたらどうなるでしょうか。まずとにかく歩かされます。子供の目の高さでは案内表示もよく見えませんので、親に手を引かれ、どこへ行くかもわからないまま歩かされます。周りには知らない他人ばかりですが、これは子供にとって普段過ごしている環境とは全く異質です。周りはがやがやしてうるさいですが、何を言っているのかよくわかりません。

乗り物の中では狭い座席に押し込まれます。下手したら自分の座席すら無いかもしれません。動き出せば、普段の生活では決して経験しないようなものすごい騒音と振動にさらされます。飛行機の離着陸時や気流が悪くて揺れるときにはかなり怖いです。子供が泣き叫ぶのは主に着陸時ですが、着陸時は最も航空事故のリスクが高いので、その直感は正しいです。新幹線も、対向列車とすれ違うときにはただならぬ雰囲気で怖いです。

いきなりそんな状況に遭遇して泣き叫ばずにいられるでしょうか。自力で問題を解決できない子供にできることは泣き叫んで助けを呼ぶことくらいです。しかし親だからといってその状況をどうにかできるわけでもなく、どんなに泣き叫んでもどうにもならない絶望感を味わいます。下手したらトラウマになりかねません。

そのような危険を本能的に察知している子供もいて、飛行機に乗せられた時点で「乗りたくない、降りる」と泣き叫ぶ子供もいますが、残念ながらその直感は正しいです。泣き叫んでもどうにもならない状況が続くと、やがて考えることをやめて眠りに落ちるようになります。子供が寝静まると親は安心しますが、その一方で子供は幼少期にしてとんでもない理不尽と絶望を経験しています。

幼少期に飛行機でそんな嫌な思いをした人が将来航空会社の顧客になるでしょうか。将来の顧客を大切にしない業界に将来はありません。大人になってから飛行機に乗り始めた人にはいまいちわかりにくいかもしれませんが、幼少期に自分の意に反して飛行機に乗せられて嫌な思いをした世代が将来大人になったとき、今の世代と同じように飛行機に乗ることを選ぶでしょうか。

航空会社はそのことをよくわかっていて、だからこそ今の技術では機内での苦痛そのものを無くすことはできませんので次善の策として乳幼児におもちゃ等を提供して気を紛らわせるわけです。おもちゃといえども僅かながら離陸重量の一部ですが、航空機の貴重なペイロードを犠牲にしてでも将来の顧客の機嫌を取ることが大切と判断しているのでしょう。たとえ表向きにはきれいごとを言っていても、航空機での移動がストレスになるという自覚があるからこそです。

一方、若者は将来の顧客という視点の欠落していた国鉄/JRは汽車通学の高校生に対して乱雑な扱いを何十年も続けました。かつての国鉄は貨物輸送と長距離輸送が最優先でしたが、貨物輸送が衰退したり他の交通機関と競合するようになってからも同じことを続けました。高校を卒業して車に乗るようになったらJRに乗らなくなって当然です。そうして地元の人から相手にされなくなったのが、JRのローカル線の現在の姿です。もし新幹線が乳幼児に苦痛を与える存在であり続けるとしたら、将来の新幹線が現在のローカル線のようにならないとどうやって断言できましょうか。

子連れで移動するなら個室があれば一番なのですが、あいにく飛行機では個室は無理ですし、JRであっても個室はほぼありません。車の中は個室ですので、これが子供には一番なのですが、長距離を運転するのは大変です。夫婦で運転を交代できればまだよいのですが、お父さん一人だけで長距離を運転するのはかなり大変です。そもそも沖縄まで車を運転しろと言われても困りますし(一応鹿児島からのフェリーならありますが)。機内や車内では無理だとしても、せめて駅や空港の要所要所に「子育て支援スペース」みたいな名目で子連れが一息つけるような個室があればよいのですが。

4.親の膝の上でおとなしくできない子供には運賃を払って座席を確保してください

国内線の飛行機なら3歳未満の幼児を親の膝の上に乗せる場合に限り運賃が無料です。JRなら6歳未満の幼児を親の膝の上に乗せる場合に限り運賃が無料です。子連れの移動にはとかくお金がかかりますので、本人の意思に関係なく親の膝の上に乗せて安く済ませようという動機がありますが、幼児であってもある程度以上の年齢になれば親の膝の上でじっとしていられなくなります。無理やり膝の上に乗せようとすると暴れます。お母さんが抱き続けると疲れますので、力仕事はお父さんに代わってもらいたいところですが、子供はえてして父親に抱かれることを嫌がります。自分の体のほぼすべては母親からできていて、たとえ遺伝情報の半分をくれた人であっても、父親というのは本質的には他人だからです。そのような状況では誰も幸せになりませんので、たとえ小児運賃がかかろうとも子供のために座席を取ってあげてください。飛行機なら普段の出張で貯まっているマイルを子供のために使うこともできます。

JRよりも飛行機の方が親の膝の上で無料で乗れる年齢が低いのは、飛行機の座席が狭くてその分親の膝の上でじっとしていることが難しいためでしょう。搭乗時間の長い国際線ではなおさら難しいでしょうから、幼児であっても2歳以上から運賃がかかります。

5.鉄道会社よりも航空会社の方が子連れに優しいです

航空会社では子連れの乗客に対して一定の配慮がありますが、JRには子連れに対する配慮がほとんどありません(ただしごく一部に例外あり)。つい最近まで鉄道会社は男性のみの職場で、子育ての苦労を経験しない父親が意思決定するとそうなってしまうのでしょうか。どのみちサービス業は繁忙期には休めませんので、繁忙期に子連れで移動することの大変さを知る機会がないのかもしれません。それは航空業界でも同様のはずですが、そもそも昔から機内と空港に女性の多い職場だからなのか、航空業界は昔から子連れに対して一定の配慮があります。子連れで飛行機に乗ること自体が格段の事情によるものとされているためでしょうか。あるいは鉄道よりもサービス要員が潤沢だからでしょうか。それとも飛行機が特別な乗り物だった時代の名残でしょうか。

空港の搭乗ゲート前には乗客の人数分の座席がありますが、JRでは駅のホームで座る場所すらろくにありません。新幹線のホームには待合室がありますが、東京駅くらい混雑していると焼け石に水ですので、事実上無いに等しいです。JRと飛行機とで出発地から目的地までの所要時間や運賃がほぼ同じであれば、飛行機を利用する方が子連れにとっては楽です。飛行機に乗っている間は大変なのですが、国内線では乗っている時間が短いのがせめてもの救いです。地方の空港なら空港まで車で乗り付けて駐車場に駐車できますし。

6.飛行機に乗るときにはなるべく荷物を預けた方が楽です

JRでは荷物を預けられませんが、飛行機なら荷物を預けられます。子連れで飛行機に乗るときには子供という一番手のかかる存在は預けられずに機内に持ち込まざるを得ませんので、預けられる荷物はなるべく預けて身軽になった方が楽です。

唯一気をつけなければならないのは、荷物を受取るときにバゲッジクレーム前で待っていると、子供がベルトコンベアに近づこうとします。子供が動くものと接触すると危険ですので、子供がベルトコンベアに近づかないよう注意が必要です。といっても、5歳男児というのは基本的にクソガキですので(世の男性は皆クソガキの成れの果てです)、そう簡単に親の言うことを聞きません。もし親が複数人いるなら、一人は子供を連れて先に到着ロビーに出て待ち合わせるのもよいかもしれません。一人であってもカートに荷物を積めば大量の荷物を運べますので、そういう力仕事はお父さんに任せた方が楽かもしれません。力仕事のできない人がバゲッジクレームにいても何の足しにもならないどころかむしろ足手まといです。

ベビーカー(米語ではbaby stroller)は機内に持ち込めませんので預ける必要があります。通常の荷物とは別枠です。そのため繁忙期に飛行機に乗るとバゲッジクレームでは最初の方で大量のベビーカーが出てきます。例外として機内に持ち込めるサイズのベビーカーもあるようですが、国内線では機内持ち込み荷物は1人1個までですので、ベビーカーを持ち込むと他の荷物を持ち込めなくなってしまいます。それではさすがに不便でしょうから、預けられるものはなるべく預けた方が楽だと思います。

7.飛行機では優先搭乗を活用してはいかがでしょう

飛行機の搭乗順は最初にマイレージの上級会員や上級クラスの乗客、それから後方席前方席の順だったり(JAL)、窓側席通路側席の順ですが(ANA)、乳幼児連れや体の不自由な人はそれよりも先に搭乗できます。一見するとこれらの立場の人に優しいように見えますが、それはきれいごとであって、これらの乗客は搭乗に時間がかかりますので、一般の乗客と一緒に搭乗すると足手まといになるというのが本音です。乗客の搭乗に要する時間は航空会社の採算に直結します。折り返し時間の短い国内線であればなおさらです。ですので遠慮せずに優先搭乗の機会を活用する方が皆が幸せになれます。

降機の際にはその逆で、他の乗客の降機が済んでからおもむろに席を立つと子供のペースでゆっくりと降機できます。航空会社は優先搭乗をアピールする一方で、降機の順序については前方上級クラスからとしか案内しませんが、上級クラス以外の降機の順番は搭乗の順番の逆が合理的です。実際、降機時に機内を見回してみると、降機に時間のかかる人は後から席を立つ傾向があります。後から席を立つ前提なら、通路側席よりも窓側席の方が有利です。通路側席に座っていると、窓側席の人が先に席を立ちたくなる場合があります。大型機なら中央の4人掛け席の真ん中も通路側席への気兼ねがありません。中央席なら反対側の席にいる人は反対側の通路から降機できますので、通路側席でも大丈夫です。同様に前方席よりも後方席の方が有利です。

8.国際線の飛行機ではバシネットを利用できます

国際線では2歳未満の乳幼児が座席を使用しない場合に限り運賃無料です。かといって長時間親の膝の上に乗せたままでは親も子供もつらいでしょうから、数に限りがありますが、バシネットを利用できます。バシネットとは乳児向けの簡易ベッドです。だいたい10kg未満という制限がかかりますが、該当するなら活用することで子供も親も楽に過ごせます。バシネットを設置できる座席は大抵は壁の前の最前列の足元の広い席です。最前列の足元の広い席は一般の乗客にとっても良い席ですが、直前までバシネット利用者向けにブロックされています。こういうのも旅行代理店経由で予約すれば気を利かせてそういう席を取ってもらえたのですが、知らない人がネットで予約するとなかなか気づきません。

そういえば国内線ではバシネットを見かけませんが、国内線の搭乗時間なら不要ということなのでしょうかね。どのみちバシネットは離着陸時には利用できませんので、国内線でバシネットを利用できるのがごく短時間で、設置や撤去の手間を考えるとそこまでするほどでもないということなのかもしれません。

そういう制約の無いJRなら最前列をバシネット用の席にしてもよさそうですが、JRはそういう配慮を一切しません。客室乗務員のいないJRにバシネットを設置するような人手なんてなさそうですし。

9.上級クラスの利用はあまりおすすめできません

上級クラスの方が座席が広くて楽そうに見えますが、上級クラスには大枚をはたいて良い席を買っている客がいます。上級クラスの客は広い座席だけでなく静かな空間も買っていますので、そのような客室に騒ぐ子供を乗せると客室内に死ね死ね光線が飛び交うことになり、誰も幸せになりません。むしろ普通席の一番後ろの区画の方が周りへの気兼ねが少なくて済みます。満席でなければ後方区画が一番空いています。子育て初心者はハードモードではなくイージーモードを選びましょう。

10.長距離フェリーなら子連れでも快適に過ごせます

子連れにとっては、乗ったら乗りっぱなしで個室を確保できるのが一番楽です(そのため子連れで旅行するならカジュアルクルーズが一番楽なのですが、あいにく日本ではカジュアルクルーズが定着していません)。飛行機や鉄道で個室を確保するのは難しいですが、スペースに余裕のある船なら個室を設置しやすく、特に船中泊を伴うような長距離の航路なら個室があります。1人用の個室というのはあまりありませんが、2人用の個室や3〜4人用の個室は多数あり、家族で利用するならこれらの個室を1室まるまる利用することが容易です。特に和室なら子連れでも楽に過ごせます。長距離フェリーはトラックやトレーラーの車両航送で事業採算を取るビジネスモデルですので、客室のサービスには余裕があります。

瀬戸内海航路なら時間帯も良く、他の交通機関と比べても競争力があります。また、長距離フェリーで車両航送するなら前後でも普段乗り慣れている車で移動できますので、これも子連れにとっては楽です。大型フェリーなら車両航送運賃込であってもコスト競争力があります。高速代と比較すると実は車両航送運賃の方が安かったりしますし(特に大型車特大車の高速代は高いので、だからこそトレーラーやトラックはフェリーを利用するわけです。)、個室も宿を取ることを考えればそんなに高くありません。あとはスケジュールだけの問題ですが、子連れで移動する以上は子供の体力に合わせてスケジュールに余裕を持たせるべきです。

尚、ペットを連れて移動することは子連れで移動するよりもさらに大変で、事実上車で移動するくらいしか選択肢がありません。しかし長距離を運転し続けることは負担が大きいです。そのため、長距離フェリーはペット連れにとっては貴重な存在ですし、フェリー会社にとっても大切な顧客ですので、ペット連れ用の部屋があります。

11.JRも繁忙期に子連れ向け商品を販売しています

JRは子連れにほとんで配慮していないといっても僅かながら例外もあり、JR東海は繁忙期ののぞみの指定席に「お子様連れ車両」を設定しています。エクスプレス予約でも予約できます。子連れ専用車両を設定するので周りに気兼ねなく利用でき、しかもおむつを替えられる大きなトイレや授乳に便利な多目的室の近くに設定されています。子連れ専用車両ですので周りも子連ればかりですが、それはお互い様でしょう。

JR東日本も旅行商品として「お子様連れ専用車両」を設定していたようですが、2019年以降の設定を見かけません。JR東日本は新幹線利用客よりもむしろ子連れの通勤客向けのサービスに重点を置いているようです。

JRは子連れ客向け車両だけでなくビジネス客向けの車両も設置したりして、多様な旅客が車両ごとに棲み分けられるよう努めています。子連れ客とそれ以外とを棲み分けることに関しては飛行機よりもJRの方が進んでいます。飛行機でもゾーンを分ければ棲み分けられるはずですが、どうしてやらないのでしょうね。

12.そんなこと言われたってどうしようもないではないかと思う方は、世の中の仕組みに疑問を持ってください

どうして核家族なのでしょうか。どうして親だけが子供に関するすべてを抱え込まなければならないのでしょうか。それは昔からのことでしょうか。どうして子供を家に残すことができずに連れ出さなければならないのでしょうか。昔からそうだったのでしょうか。どうして他人に子供を預けるのが難しいのでしょうか。どうして見ず知らずの他人を一緒に狭い空間に詰め込まれて我慢しなければならないのでしょうか。今まで当たり前だと思って我慢してきたことであっても、良く考えてみたら実は全然当たり前でなくて、本来なら我慢など必要ないことなのかもしれません。日常生活に潜む素朴な疑問を見過ごさないでください。小さな疑問であっても積もり積もれば大きな疑問になります。それに気づくのと気付かないのとでは大きく違ってきます。

いかがでしたでしょうか。親にとって不快な内容が含まれているにも関わらずこんな長文を最後まで読み通してくださりありがとうございます。せっかくのご縁ですのでどうかお子さんの意思を尊重して大切になさってください。それが子供を持つ方へのお願いです。

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