バイパス道路は最初から立体交差の自動車専用道で作った方が安くつくのではないか

市街地の混雑緩和のために郊外に国道のバイパスが開通するといつしか道路沿いに店舗が増えてきて、バイパスの本来の趣旨に反して生活道路になってしまう(例えば国道16号のように)。そうなると、通過交通を逃がすはずのバイパスを地元民が利用するようになり、しかも店舗に出入りする車が左車線を塞ぐにようなって渋滞するので、バイパスに対するバイパスが必要だから作りましょうということになり、バイパスがいくつも建設されていくうちに虫食い状に市街化が進んで中心市街地が空洞化していく。どうして店舗ができるかといえば、道路が隣接地に接しているからである。橋やトンネルの横に店舗を構えることはできない。

ということは、最初からバイパス道路を立体交差で作って道路沿いに店を出せないような構造にしてしまえば同じエリアにバイパスを何本も作るような無駄を避けられるのではないだろうか。道路沿いに何もなければ円滑に運転できるし、運転に集中できるから、その方が安全だろう。自動車専用道路にしてしまえば歩行者や軽車両の心配をせずに済むため、制限速度を高くとっても安全に走行できる。そのようにして通過交通を分離した後の旧道は生活道路として活用すればよい。

ということを考えているうちに思い当たるのが、新直轄方式による無料の高速道路である。あれは国道予算による国道の改良という位置づけであり、高速道路としては物足りないが、一般国道の改良事業としては申し分ない。対面通行であっても信号がなくて一定の速度で流れれば、一般道よりも速く走れる。高速道路でなくても、栃木県の新4号国道や愛知県の国道23号は立体交差なのでバイパス道路本来の機能を保てている。国道2号はほぼ全区間で立体交差区間が多いし、静岡県の国道1号のバイパスも立体交差区間が多い。

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