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オーストラリアの大学生2人がウチのバーにふらっと来店した

今日はイベント営業が21:30で終わる日。

ちょうどイベントが終わる頃、白人の男女が当店、エデン難波の扉を開けて入ってきた
2人とも20代くらいで若く、仲良さげだ

話している言葉は…英語のようだ
キョロキョロしているところを見るに、初来店らしい

ウチのバーはビルの5階、お客さんのほとんどはSNSを見て来られる
ふらっと入ってこられる方は稀だ

目線と手振りでお席へご案内し、メニューとコースターを出しながら他のお客様達を見送った

僕「ジャパニーズメニューオンリー、OK?」

男「OK OK!トランスレートアプリうんたらかんたら」
そう言ってスマホを取り出してみせた
文字をカメラに読み込ませれば翻訳してくれるらしい
便利な世の中だ

彼らがメニューを眺める間に領収書の整理などを済ませた

眺め終わった様子なのでアイコンタクトを取る。
注文決まったかい?の合図だ

男「umm...(英語で)僕はジンが大好きなんだ。このお店にはどんなジンが置いてある?」

英語のリスニングなんて何年ぶりだろう
でも彼がゆっくりはっきり喋ってくれたので大体意味はわかった

僕「(以下英語で)ジン?OK。このギルビーのと、ボンベイ、タンカレー、それからスターオブとエンプレスだね」

彼も彼女も瓶が出てくる度にいちいちリアクションしてくれた。目の輝きで本当にジンが好きなのが分かる。

僕「ああ、あとジャパニーズジンもあった」

翠を忘れるところだった
現地の物の方がウケるだろうなと思ったら、当たったらしい

男「んーん!どれも気になるけど、この日本のにするよ!トニックでいいかな?オススメとかありますか?」

僕「んー、多くの日本人はソーダと飲むよ。でもトニックも勿論良い。あ、ソーダで飲む時は料理を食べる時かも。」

男「なるほど!じゃあトニックで。君はどうする?よし、トニック割りを2つで」

僕「トニックで2つ、了解」

僕の英語がたどたどしかったけど、どうにか注文が決まってホッとしながらグラスを用意した。

この時点では、その後2時間以上英語で接客するなんて思ってもみなかったが…


翠を量ってトニックを注ぐ。少し氷を持ち上げて混ぜる。

男「レモンかライムってありますか?爽やかなのが大好きなんだ、柑橘の」

ちゃんとフレッシュなレモンとライムがあってよかった
ライムを添えてお出しした

一口飲んでみて、お2人ともとても気に入ってくれたようだった

お酒を中心に、色んな話をした
2人はカップルではなく友達同士で、オーストラリアの工学系の大学生らしい。
名前はハリーとレイ。気さくな好青年と飾らない美女だ。
ハリーは彼女無し、レイは彼氏がいて秀才カップルだそう。
2人とも礼儀正しくて明るく、こちらの気分まで良くなってくる。

レイは明日帰っちゃうが、ハリーはまだ日本にいて、更に来日する友達7人と合流するらしい

日本に来てスキーを楽しんでいるという。向こうとは季節が逆だもんなぁ。
「日本の雪はパウダーでいい感じやろ?そっちと比べてさ」「ホンマそれなんすよ!最高っす!」「僕も地元滋賀でよくスキーやったわー」「シガってここ大阪と僕らがスキーした長野の間らへんやないすか?」「せやで!よぉ知ってんなぁ!」みたいな話をした

ジンのボトル買いの値段の話になった。
このタンカレーはボトルいくら位ですか?と聞かれ、忘れたけど3000円くらいだったかな、と言うとオーマイガーしていた🤷‍♂️
オーストラリアだと倍以上する、悲しい🥺この前買っちゃったのが馬鹿みたいだよ🥺
と言っていた。
自信なかったのでスマホで調べたら3000円どころか2000円だった。
でも伝えたらハリーが気絶しそうだったので言わなかった。
最近日本の物価・賃金の安さがよくニュースで取り上げられるけど、マジなんやなぁとリアルで体感できた
他所で稼いで、日本で使う、そういう時代か。

ハリーもレイも、日本語が美しいと言っていた。
日本語はアクセントがあまり強くなく、あまり区切らないため、流れるように滑らかな発音なのが良いらしい。
知らない視点で面白いなと思った。
自分は歌をずっとやっているので、
アクセントが弱いからリズムを刻む歌は歌いにくい、あまり歌に適した言語ではない、と言った。
とても興味深いと言われた。

どこでバーの技術を学んだの?と聞かれた
「いい質問ですね😏…YouTubeです♪」
ちゃんとウケた。日本人相手でもテッパンのネタなので、笑いは世界共通だなと思った。

日本に来るのが初めてで、日本のお酒を飲んだことが無いそう。
日本人の一般的な飲酒をオススメしようと、黒霧島ロックを出した。ストレートと比べて温度で香りの立ち方が変わるね、と言っていたので、日本人はお湯割りを湯呑みで飲むのも好きだよ、と紹介した。

ジンはエンプレスが1番お気に召したようだ。
トニックを入れると青がピンクになるので、理科の実験みたいに面白がってくれた。

レイ「この色が変わるやつ、まるでアレみたいじゃん、アレ、ほら、酸と塩基の、phで、あのあれ」
僕「リトマス、テスティング、ペイパー?」
レイ「そうそれ😆!!!」
ハリー「あー!あったあった!あの酸で青色になって…」
レイ「ちゃうちゃう!」
僕「酸で赤色になるねん!」

国境を越えて小学校あるあるが伝わった。

そのまま小学校が何年あって次に進学すると何で…という話になった。国ごとに違うやつ。

雑談の進行があまりにスムーズだ。以前雑談をやるためのnoteを書いたが、日本語でも英語でも同じなんだなと思った。

大学の頃と比べて英語力は落ちているはずだが、雑談力とお笑い力と度胸が爆伸びしてるので、英語コミュニケーション能力の全体としてはかなり上がってるようだ。


オーストラリアではウイスキーは高いらしい。知多を飲んだらたいそう感動していた。
エンプレスと知多は買って国に持ち帰るつもりだそうだ。

文化の違いかもしれないが、帰る時にしつこいくらいお礼を言ってもらえた。
色々オススメしてくれて、お酒もおいしく、素晴らしい時間だったと。
こちらこそ、どういたしまして。
レイは帰国しちゃうけど、ハリーは1週間くらい滞在するらしい。
「あなたが出勤してるのはいつ?」と聞かれたのでメモして渡した。
友達を連れて来てくれるらしい。
楽しみだ。

2時間くらいずっと英語で大変だったけど、意思疎通ができた感がとても楽しかった。
たまに英語の接客もしたい。たまに。

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