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2024年10月1日     イスラエルで

こんにちは。 あまのシェフです。

人生において忘れられない経験をした事は皆さんあると思います。

その経験も人それぞれだと思いますが、自分の人生にとっても忘れられない1日がやってきたのでnoteに残しておこうと思いました。



迎撃システムに撃ち落とされたミサイル

10月1日。 この日はお昼にお客様が来られる予定があったので朝から準備をしていました。

何気ない、いつもの日常でした。

10月上旬は母の誕生日なので放蕩息子にとっては日頃の感謝を伝える貴重な時期です。

前日に母が喜んでくれそうなプレゼントを選んで山梨県の実家に届けてもらえる様に手配して一年に数回しかしないメールを送りました。

「誕生日おめでとう。近いうちにプレゼントが届くと思うから受け取ってね。 イスラエルはニュースでされているよりは平和な日々なので心配しないで大丈夫だからね!」

メールを送った直後、携帯電話に入れておいたレッドアラートと言うアプリが作動してとても驚きました。

急いで部屋から出たら職場の方々も「天野さん、早く早く!!」

と言ってくれてみんなで急いで地下にあるシェルターへ避難しました。

レッドアラートと言うのはイスラエルにいる人は必須のミサイル感知アプリです。

日本で言う地震速報アプリみたいな物ですね。

さっき母に「平和だから安心してね。」なんてメールで言っていたのに「いきなり嘘!」みたいな事になってしまいました、、、💦

レッドアラートとは自分が住んでいる地域や職場、よく出かける場所を登録しておくとミサイルが飛んできた時にいち早くアラートで教えてくれるアプリです。

ミサイルが発射されて狙われた日にち、時刻、場所を教えてくれます。

今まではガザ地区やレバノンのヒズボラとの戦闘地域、ゴラン高原辺りの連絡が多かったのですが自分の住んでいる地域でのアラートは初めて聞きました。もちろん周囲では緊急警報もなっていました。

昨年10月から始まった戦争状態で首都のテルアビブでも何度かアラートが鳴ったり職場でもある「ヘリツェリア」という地域でもアラートが鳴る時があったみたいですが自分にとっては初めてでした。

地下にあるシェルターにも確認したりしてはいたものの実際に逃げ込むのは初めてでした。

イスラエルにはアイアンドームと言うミサイル迎撃システムが備わっています。

近隣諸国や警戒地域でミサイルが発射された場合はいち早く感知して撃ち落としてくれる迎撃システムですね。


正確に言うとミサイルがイスラエルに着弾する前に迎撃システムが撃ち落としてくれるのですがその後のミサイルが空から落ちてきてそれにぶつかってしまうと怪我をしてしまうので気をつけてくださいね。ということだそうです。

最初の写真のミサイルの残骸ですね。

お昼のお客様の食事が終わり、仕事もひと段落過ぎたくらいに気になるニュースに目が留まりました。

「イランからイスラエルに向けて近いうちにミサイルを撃つ準備が進んでいる。」と匿名のアメリカ政府の方が言っているそうでした。

この時には既に敏感な身体になっていて庭師さんがいきなり芝刈りをしだした機械の音でさえも「え!何?アラート??アワワ、、💦」 みたいな状態になってしまっていました、、、。

もう、今日は芝刈りとか要らないでしょ、、真面目か!って思っていました。

お昼前のアラートの事もあったので何か頭に残っていて今夜はちょっと心配なので先にシェルターで過ごしていようかなと思っていた矢先にボスから電話があって、

「イランからミサイルが飛んでくるからシェルターに直ぐに避難してください!!」

と指示がありました。

その時は知らなかったですが今ではニュースで言われている極超音速ミサイルというものが2,000キロ離れたイランから12分で向かっている最中でした。





イスラエル時間で19:30頃。

日本との時差はマイナス6時間なので日本では深夜ですね。

イランは遠いからミサイルが届くまで時間があるから余裕だね。みたいな感覚がイスラエルに住んでいる方々には芽生えているそうです。

自分には未だその感覚は備わっていないのだけれど、、、💦

家の正門にいるセキュリティーの二人と職場の方と4人でシェルターに逃げ込みながらテレビでニュースを見ていました。

天井からはドンッ、ドンッと音が鳴っていて流石に不安な気持ちになっていました。

後で聞いた話によると近くでテロもあってイスラエル人が殺されてしまったとか、、、。

10年勤めている職場の方も「こんな事は初めて!」と言っていました。


一人の料理人として目の前のお客様の笑顔のために頑張りたい!

大変な時期だからこそ微力ながら応援できる人でありたい。

今は一人だからどこへでも行けるし、もしも明日死んでしまっても後悔のない生き方をしている。

とか勝手に思っていたのですがやっぱり実際にこういう事態になってしまったら恐怖の方が勝っていました。

ちょっとだけ後悔する気持ちもあったりしてまだまだ修行が足りないなと感じています。



2軒隣のお家の壁が無くなっているのにも驚きました!!
壁は家を守る為に存在しているのでその役目を立派に果たした!
という見方も出来ますがやっぱり怖いですね。

翌日はイスラエルの人々はパニックでスーパーでも食べ物を沢山買い溜めしていて買い物は困難とか勝手にイメージしていたのですが恐ろしい程普通の一日でした。 イスラエル人は強靭な精神力を持っていますね💦

イスラエルに住んでいて思うのは危ない国であるのは当たり前だけど、アイアンドームや地下シェルター、レッドアラートアプリなどまだ自分の身を守る手段は沢山あるという事です。

ガザ地区やレバノン、イランの人々はどこまで守れる手段があるのだろうと想像してしまうと恐怖の日々を過ごしているのは容易に考えられます。

イスラエルに住んでいてテレビでネタ二アフ首相の顔をみるだけでもちょっと怖いなと感じてしまいつつあるのに、相手国に居ていつ何時どの様な攻撃をされるのか分からないのは辛いと思います。

逃げれる場所や国がある方は一刻も早く避難して欲しいと切に願っています。 何か起こされる前に!!


中東の国々は戦争に向けて準備している。

実際に住んでいるとよく感じてしまうのですが何故愚かな戦争を繰り返してしまうのか??

宗教や政治関係、歴史がそうさせているのだろうと思いますが日本人である以上、一生理解できない部分もあるだろうなと思います。

料理人にとって大切なお客様、相手の事を理解しようと勉強すればするほど歴史や宗教の理解できない所を学んでしまって「あぁ、こういう事があったのならこれからも争いは終わりを迎えることは無いのだろうな。」と思ってしまいます。

海外の人々が日本の精神論や感覚を理解するのは難しいなと思うように。

イスラム教で有名な言葉、「眼には目を、歯には歯を、やられたらやり返せ!」という言葉がありますが、

イスラエルでは「もしも隣人が殺しに来るのならばやられる前に殺せ!」という言葉もあります。

近い言葉にも思えるけれど、今のイスラエルとイランの主張のズレがこういうところからあるのかなと想像しています。

自分の事、相手の事、いろんな事をお互いに思い合って平和な世の中になっていって欲しいなと強く願うこの頃です。

最後までありがとうございました。


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