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その言葉の語源知ってて使ってます?

その言葉の語源知ってて使ってます?と思っていること。

その①「ガチで○○」

「本気で」とか「まじで」みたいな意味で使われていると思うけど、その語源わかって使っている人どれくらいるのだろうか?

ネットで調べてみても正解を書いているところが少ない・・・・ということは知らない人がほとんどということか?

これプロレス用語である。

本来打ち合わせのあるプロレスの試合であるが、打ち合わせなし、あるいは打ち合わせを無視して本当にやってしまう・・・というような意味で使われていた、いわゆるケーフェイ系の隠語である。似たような意味で、シュート、セメント、ピストル、ガチンコなどという表現もある。シュートは佐山聡が創設した総合格闘技「修斗」の語源。

相撲でもガチンコという言葉を使うが、相撲はプロレスと違って打ち合わせがそもそも存在しないので相撲からの語源説を唱える人もいるがそれはちょっとピンボケである。プロレス用語起源のほうがガチの意味がより生きると思うので、私はプロレス用語起源説を取る。

その②「マウントを取る」

これも使われているのをよく聞くけど、ほんと元々の意味知ってる?といつも思ってしまう。

これはブラジリアン柔術(かつてはグレイシー柔術と呼ばれていた)や総合格闘技でのポジションのことだ。

いわゆる「馬乗り」の体勢。

組技のある格闘技ではポジショニングが最重要となる。

一説にはサルが後尾の時に相手に跨ることとの説もあるようだが説得力的には格闘技説の方がしっくり来る気がする。

参考までに、次に述べるのがグラップリングのポジショニングで、最も有利な体勢から徐々に優位性が下がり後になればなるほど不利な体勢の説明。

バックマウント(うつ伏せの相手のバックに馬乗り)→バックポジション(自分が下になった状態で相手を上に乗せた状態でバックを取る)→マウントポジション(馬乗りの体勢縦四方固め)→サイドポジション(横四方固めや袈裟固めの体勢)→ハーフマウント(片足を絡められた状態だが相手を上から抑えている)→ガードポジション(自分が下になって相手を両足に挟んでいる状態)ここまでが有利な体勢。ガードポジションはルールにより不利になるかもしれないので有利かどうか微妙だけど。以下は不利な体勢。

インサイドガード(ガードポジションに捕まっている)→ハーフガード(片足だけ相手の足に絡んで下になっている=ハーフマウントの下のポジション)→非サイドポジション(横四方や袈裟固めで抑えられている)→非マウントポジション→非バックポジション→非バックマウント。

マウントポジションを取ることが出来ればかなり有利な体勢にあり、グラップリングルールならそこから極め技を狙えるし、MMAならパウンドで削ることもできる。私は30年ほど前に柔術を習い始めたころに盛んにマウントポジションという言葉を使う場にいたので、お馴染みの言葉であるが、まさか柔術に関係ない一般社会にここまでこの言葉が広がるとは夢にも思わなかった。

その③「スパム」

この語源はウィキペディアにもネットにもよく出ているのでもしかしたら語源を知っている人もそこそこいると思う。

元ネタのさらに元ネタは、豚肉の缶詰のスパムだが、それがなぜスパムメールとかの意味に結びつくのかは知らない人が多いのではないかと思う。

これも英国の伝説のコメディ番組「モンティパイソン」のスケッチから始まっている。

日本で初めて放映されたのが50年くらい前の東京12チャンネル「チャンネル泥棒!快感ギャグ番組!空飛ぶモンティパイソン」。シリーズ3の中盤で登場したスケッチ。日本ではそれが最終回だったので余計にリアルタイムでの思い出が深い回だった。

英国で放映されたスパム缶詰のCM(しつこいくら商品名を繰り返すソング)があり、それが当時英国では笑いのネタにされることも多く、さっそくモンティパイソンでそれを題材にして製作されたスケッチが瞬く間にヒットして広まったという経緯がある。

これが元となり、しつこい宣伝=スパムという意味合いで使われるようになったというわけである。しかも世界的に使われるようになっている。

これには当事者であるテリー・ジョーンズも呆れるというか驚くというか「あれが我々の最大の失敗だった(笑)」とコメントしていた。

エリック・アイドルがこのスパムスケッチにコメントしているのだが、それも意味深くて笑ってしまう。

「なぜバイキングが肉の缶詰の歌を歌うのか?それを疑問に思ってはいけない。それがパイソンの笑いなのだから。なぜ?と思う人には残念ながら我々の笑いを理解する素養がないといわざるをえない」


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