サメを見に行く/荒悠平と大石真央「400才」
ずっと好きな作品が今度横浜で上演されるらしい、のでいろいろと思い返してみました。
初演のときのツイート。偶然にも4年前の今日ですね。
「眼科の地下」は新宿眼科画廊の地下スペースのこと。
それで、サメっていうのは、こちらです。
荒悠平(ダンス)と大石麻央(彫刻)による、サメの着ぐるみを着たダンス作品。着ぐるみ、ってつい言ってしまうけどオフィシャルには「彫刻」という言い方をしていますね。素材は羊毛で、中身は人間です。
舞台上では、400才生きているとされる「ニシオンデンザメ」の暮らしが描かれます。サメの動きも、時間の流れ方も、基本的にはとても静かでゆっくりとした作品です。
一時間くらいサメの暮らしを眺めて浮かんだのは、【詩を通じて生活を感じることと、サメの目線になって生活を演じることは、とても近しいのではないか】という予感でした。私たち人間はサメではないし、400才も生きられない。けれど、400才生きるサメの生活に思いを馳せるとき、その想像上の生活には何かしら人間に共有できるものがある。
詩もサメも、ベクトルは違いますが、日々の生活の拡張された一面であるといえます。なので、それぞれ作品として成立していながら、根本的なところで読者/観客側の生活にフィードバックされるものが少しだけある。わたしにとってそれは若干の寂しさで、心地よいものでした。
客席でぼんやりできる人には非常にお勧めの上演です。
〇〇〇
映像作品「サメ日和」。二分くらいのショートがいっぱい上がっています。
舞台作品『400才』はこちら。
2月7日(火)~12日(日)、横浜STスポットにて。
劇場までの道案内もサメがやってくれてる。。。
いただいたサポートで牡蠣を吸います。